中国語学習者向けサイトやブログで多くの中国語ニュースサイトを紹介してくれています。
ただ、沢山紹介していただけるのはうれしいのですが、もう少し「中国語を学ぶ日本人向け(中国語学習教材として使いやすいか?)」という視点で、紹介するニュースサイトを絞り込んでほしいな、とも感じていました。
よく紹介されているおすすめの中国語ニュースサイトとして、百度新聞、腾讯新闻 – 腾讯网、新华网、今日头条などの中国本土のニュースサイトが挙げられています。
これらのサイトで扱っている記事のほとんどが中国国内の内容にフォーカスしており、背景がつかめないニュースも多く、読んでいても何のことを言っているのかよくわからず、正直読んでいてつまらなくなります。
特に、ところどころ知らない固有名詞(マイナーな地名など)が出てきて、そのたびにつっかえて頭の中が?になってしまう。
中国語エキスパートは別として、中国語学習者がニュースサイトを使用して中国語を学ぶ本来の目的は、マイナーな固有名詞を覚えることではなく、背景のつかめているニュースをとにかくたくさん読んで「表現の仕方」を身につけること。
ニュースで描かれている背景がわかったうえで、表現にフォーカスして多読した方が学習効率は高いのです。
そこで本記事では、中国語学習者が教材として使いやすい、という視点で厳選してニュースサイトを紹介いたします。特に日中対訳が参照できるサイトを中心に紹介していきます。
【中上級者向け】日经中文网—日本经济新闻中文版~日本経済新聞の中国語版ニュースサイト
一発目に紹介したいのが「日経中文網」です。
幅広いカテゴリの記事が掲載されている日経中文網
この「日経中文網」、日本経済新聞社が運営する日本経済新聞の中国語版サイトですが、中国語学習のサイトやブログであまり紹介されておらず、過小評価されているなぁ、という印象です。
たしかに使われている語彙が難しいものばかりなので初中級者の学習素材には向かない、ととらえられてあまり紹介されないのも分からなくもないです。
しかし取り扱っている話題の範囲が広く、かつ記事本数が多く、さらに更新頻度がとても高いので、さまざま中国語学習者のニーズに応えてくれるニュースサイトと言えます。
例えば、ビジネス領域で中国語を使いたいという場合、当然自分が属する業界の語彙を増やす必要がありますが、日経中文網の記事は十分すぎるくらいいろんな業界をカバーしてくれています。
日経中文網の上部カテゴリメニューからざっと業界名を抜粋してみると、汽车、IT、家电、半导体、日本游、环境、脱碳经济、能源、工业、农林水产、地产、建设・・・などなどいずれかはご自分の仕事と関わりがあることでしょう。
経営にかかわる内容ですと、日本企业研究、经营、战略なんていうカテゴリもあります。
あ、もちろん日本経済新聞社の運営するニュースサイトですから、金融、経済に関する記事もたくさん掲載されていますし、学生さんなどが参考になりそうな文化、習慣に関する記事も沢山あります。
日本語版記事との相互参照で学習効率UP
「日経中文網」のいくつかの記事を見てもらえれば末尾に日本人記者の署名があることからわかると思いますが、ほとんどの記事が日本語版の日本経済新聞の記事の中国語翻訳バージョン、または大筋の構成がほぼ同じ中国語バージョンとなっています。
翻訳元の記事を見つけられれば日中対訳を参照しながら読むことで理解度が増しますし、翻訳の際の参考にもなります。
以下の記事を例にとってみてみましょう。
日本1碗牛肉饭成本上涨4成,象征通缩之变? – 日经中文网
https://cn.nikkei.com/industry/tradingretail/55475-2024-05-01-05-01-02.html
この記事の日本語版は、
牛丼を分解してみた 1杯の原価は4割上昇、値上げ再び? 価格は語る – 日本経済新聞 電子版
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB014WP0R00C24A4000000/
どうでしょう?この手の日常会話によく出てくる話題で、しかも文章ボリュームの大きい記事が日中対訳で参照できるんです。
世間話の語彙を増やすこともできて素晴らしい教材ではないですか?
以下のように日本語版、中国語版を並べて読むと便利です(以下の画像はテスラとアップルの記事)。
日本語版記事を探すのはちょっと手間がかかる
検索フォームにキーワード入力して記事を探す
と、まぁすごく教材として優れた使い方のできる日本経済新聞の日本語版、中国語版なのですが、少し残念なことに自分で検索フォームにキーワード入力するなどして対応する記事を探さなければならないのです。
今回どうやって日本経済新聞電子版にある日本語バージョン記事を見つけたかというと、日経電子版の検索フォームに「牛丼 1杯」と入力して記事を検索しました。
このキーワードを指定したのは、中国語版記事の見出しに「日本1碗牛肉饭~」と書かれていたので、「牛丼 1杯」のキーワードで検索すれば目的の記事が見つかるだろうと”あたり”をつけたからです。
検索結果の2番目に出てきたのですんなり見つけられてはいます。
しかし、これを「牛丼」のみで検索すると、他の記事も検索結果として表示されていて、時系列で並んでいるので目的の記事はかなり下の方に表示され探すのが大変になったりするのです。
あと、「牛丼 一杯」では検索ヒットせず、「牛丼 1杯」にしないとヒットませんでした。表記ゆれを考慮してくれないのは残念。
また、当然のことながら古い記事の場合時系列で検索結果を並ばせると、より下の方に表示されるので探すのが大変になります。
もう一つ皆さんが興味ありそうなニュースがあったので検索例を紹介します。
以下の記事はサムネイルが北京大学で、見出しに円安のワードがあり、いかにも日中の景況にフォーカスしたような記事ですね。
日元过度贬值(1)日企工资让中国学生从惊呼到沉默 日经中文网 (2024/05/17)
https://cn.nikkei.com/columnviewpoint/column/55587-2024-05-17-05-00-15.html
これ、最初探す時、とりあえず日経電子版で「円安」のキーワードで検索をかけたのですが無数に記事が出てきてすぐには見つからず。
「円安 北京大学」でもすぐに見つかりませんでした。そこで文中の「ASIA to JAPAN」という特徴的なワードを見つけ検索かけたら、以下の記事が見つかりました。
「円安にもほどがある」 暮らしも企業活動も影響多岐に – 日本経済新聞電子版Z(2024/05/12)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA10A5Q0Q4A510C2000000/
この記事中段にある、「①年収300万円じゃ働けない 円安ニッポン、見放す外国人」の項目のリンク先に該当の記事の日本語版があります。(有料記事のため冒頭のみ無料で読めます)
このように日本語版を見つける場合ある程度の慣れが必要になってきます。コツは特徴的なキーワードを文中から見つけて何種類か検索を試みる、ということです。
ちなみに、この中文版記事に“就算…也…”の使い方で参考になる文が最後の方にありました。
就算外国访日游客增加,日本也逐渐成为不被外国人选择前来工作的国家。
日経中文網 https://cn.nikkei.com/columnviewpoint/column/55587-2024-05-17-05-00-15.html?start=1
日本語版は
(いまや過度な円安によって)外国人の旅行客は増えても、働く外国人には選ばれない国になりつつある。
日本経済新聞電子版 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA026GL0S4A500C2000000/
日本語版と中国語版の相互リンクが貼ってあればいいのに・・・
日経中文網の記事の末尾には記者の署名など記されていても、それぞれの言語バージョンの記事に原文(日本語版記事)のリンク、相互リンクは貼ってありませんので、ほとんどの場合上記で示したように検索フォームから検索して探すしかないのです。
英語圏のニュースサイトだと、文末に「原題」と書かれて原文記事リンクが貼ってあって参照しやすくて便利なんですけどね・・・。
無料で全体を読める日本語版記事は限られている
先ほど紹介した牛丼の記事はたまたま日本語版も最初から最後まで読むことができるようになっていますが、ご存じの通り日本経済新聞電子版は無料版で読める記事には限りがあります。
以下のスターバックスの記事について見てみましょう。
世界星巴克价格(1)纽约一天工资能喝30杯拿铁 – 日经中文网
https://cn.nikkei.com/industry/tradingretail/54551-2024-01-23-05-00-15.html
スタバのラテ、ニューヨーク770円でも日本より安い? 賃金と比較 世界お値段調査隊 スタバ編㊤ – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN173WA0X11C23A2000000/
検索ワード「スターバックス」でも探せますし、日本経済新聞の「世界お値段調査隊」の記事一覧にこの連載がありましたのでそこからも日本語版は見つかります。
日本経済新聞電子版の記事のページを開いてお気づきかと思いますが、「有料会員限定記事」となっていて最初の200~300文字だけ読めるようになっています。
「ちぇっ、なんだよ200文字くらいしか日本語訳読めねぇんじゃ意味ね―じゃん」
という不満も湧くことでしょうが、中国語学習者としては記事の導入部だけでも日中対訳を精読するだけでも十分効果はありますし、次に述べる「翻訳用教材」ととらえれば十分活用できます。
中国語翻訳のトレーニングで中国語検定準一級の自由作文対策をする
これまでに中国語検定準一級を受験したことのある方や、これから受験しようと考えている方は、中国語検定準一級の筆記の大問5に指定の3つの中国語ワードをすべて用い、指定のテーマで50字以上80字以内で文を書きなさいという、いわゆる「自由作文」問題が出題されることをご存じでしょう。
「自由作文」問題は第103回から新たに設けられた問題で、これまでの指定テーマと指定ワードのリストは以下のようになっています。
指定テーマ | ※テーマ中国語 | 指定ワード① | 指定ワード② | 指定ワード③ | |
---|---|---|---|---|---|
第111回 | 物価上昇 | 物价上涨 | 花费 | 收入 | 生活 |
第110回 | 公共交通 | 公共交通 | 提供 | 安全 | 利用 |
第109回 | カルチャーショック | 文化冲击 | 价值观 | 困惑 | 多元化 |
第108回 | 読書 | 读书 | 知识 | 人生 | 丰富 |
第107回 | 育児 | 育儿、抚育孩子 | 关心 | 休假 | 社会 |
第106回 | グローバル化 | 全球化 | 跨文化 | 障碍 | 协助 |
第105回 | 幸せ | 幸福 | 追求 | 理解 | 只要……就…… |
第104回 | 環境保護 | 环保(环境保护) | 低碳 | 绿色 | 公共交通 |
第103回 | 車の自動運転 | 自动驾驶 | 人工智能 | 挑战 | 前途无量 |
これを見てお判りかと思いますが、一般社会経済文化のテーマを中心に出題されていることが見てとれます。
日経中文網の記事で扱っている内容は中検準一級自由作文テーマにまさにストライクな内容なのです。日経中文網の閲覧を習慣化すれば、中検準一級に特化した語彙力の向上にもなるのです。
例えば、先ほどのスターバックスの記事の冒頭の部分。
日本では490円のスターバックスのラテ(トールサイズ)が、世界各地はいくらなのかを調べてみました。現地の1日あたりの平均収入で何杯飲めるのかも比較しています。
「スタバ」の愛称で親しまれるスターバックスは、米西部の港町シアトルで1971年に生まれた巨大コーヒーチェーンです。
日本経済新聞電子版(https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN173WA0X11C23A2000000/)より
これを中国語に訳してみることに挑戦するというのはどうでしょう?冒頭の1文だけでもいいでしょう。
多少文章構成も違うところがありますが、模範解答が日経中文網にあり、大枠でどう訳しているのかがとても参考になります。
日々たった2、3文でもよいのでこの手の記事を翻訳する練習を継続しているだけで、だいぶ語彙力が蓄積されます。
「いきなり翻訳はちょっときつい」という初中級者の方は、一度記事を読んだ後に翌日とかに改めて日本語から中国語へ訳すというのでも十分です。
思い出そうとすることでより語彙の定着につながります。
また、この手のニュースは経済ニュースなので当然難しい語彙が含まれることもあります。
その場合でも無理に難しい語彙を使おうとせず、違う言葉を脳ミソから絞り出し言い換えをし、何とか書ききるというのが大事です。
「一文書ききる」という事でだんだん長い文章も書けるようになってくるのです。
ChatGPTに添削してもらう
さて、書き終わったら添削はどうするのか?となりますが、便利な時代になったものです。
頻繁に連絡をとったりできる中国人の知り合いがまだいなかったり、なかなか添削を中国人に頼みづらかったりしても、強い味方が他にもいるのです。
ChatGPT大先生にざっくり添削してもらえばよいのです。
先ほどの日経の記事の一文
「日本では490円のスターバックスのラテ(トールサイズ)が、世界各地はいくらなのかを調べてみました。現地の1日あたりの平均収入で何杯飲めるのかも比較しています。」
これを例えば下のようにちょっとツッコミどころがあるような中国語に翻訳したとします。
“在日本一杯490日元的星巴克的中杯拿铁在世界各地多少钱调查调查。当地一天的平均收入能买几杯也比较了。”
ChatGPTには以下のようにリクエストを出します。
日本語の文「日本では490円のスターバックスのラテ(トールサイズ)が、世界各地はいくらなのかを調べてみました。現地の1日あたりの平均収入で何杯飲めるのかも比較しています。」を次の中国語に訳しました。
在日本一杯490日元的星巴克的中杯拿铁在世界各地多少钱调查调查。当地一天的平均收入能买几杯也比较了。
この中国語を添削してください。
すると、ChatGPTからは以下のような返答が返ってきました。
あなたの中国語の訳は基本的に正しいですが、いくつか改善の余地があります。以下は修正版です:
“在日本,一杯中杯拿铁的星巴克咖啡价格为490日元。我们调查了世界各地的价格,并比较了当地一日平均收入能购买几杯的情况。”
ちなみに日経中文網で訳されていた文は以下のようになっています。
“在日本,一杯星巴克中杯拿铁咖啡的价格为490日元(约合人民币24.13元)。购买同样的星巴克拿铁,在世界各地都要花多少钱?”
日経中文網は中国語として自然な表現にするため、直訳ではなく若干表現が変えられています。
ChatGPTと日経中文網で共通している点として“价格为490日元”という書き方をしているんだな、とかChatGPTだと2文目の冒頭に接続詞“并”を使っているな、とかこれだけでも参考になります。
ChatGPT大先生に今後の中国語検定準一級の自由作文問題を予想してもらった!
若干このブログのエントリ内容からすると蛇足な内容となりますが、ChatGPTと中国語検定準一級の自由作文の話題に触れているためちょっと面白い試みをしたので紹介。
先ほどの中国語検定準一級の自由作文の指定テーマとワードをChatGPTに提示して、今後出題されるテーマとワードを予想してください、とお願いしたのです。
結果は以下になります。
指定テーマ | 指定ワード① | 指定ワード② | 指定ワード③ | |
---|---|---|---|---|
予想① | 教育 | 教育制度 | 学习 | 未来 |
予想② | 健康 | 健康生活 | 饮食 | 锻炼 |
予想③ | 科技進歩 | 科技 | 创新 | 发展 |
予想④ | 老龄化社会 | 老年人口 | 养老 | 社会责任 |
予想⑤ | 就業状況 | 就业 | 职业发展 | 就业压力 |
予想⑥ | 文化交流 | 文化 | 交流 | 合作 |
予想⑥ | 消費行動 | 消费习惯 | 网购 | 消费观念 |
予想⑦ | 都市化 | 城市化 | 城市生活 | 环境问题 |
予想⑧ | 国際関係 | 国际合作 | 外交关系 | 世界和平 |
う~ん、いくつかはまぁまぁありそうだな、って感じなのですがこっちの指定の仕方が悪かったのか、指定テーマと指定ワードがかぶっているのもありましたし、指定テーマが中国語っぽいのも含まれていました。
また予想の7個目までが最初の1回の質問で返ってきた予想なのですが、「もう少し教えて」とさらにリクエストしたらその後数個の予想の指定ワードがすべて4文字のものになってたので、あまり過信しすぎず参考程度に。
HiNativeで添削してもらう
ChatGPTは簡便かつ即添削結果を提示してくれるのでそれだけでも十分、と言えば十分です。
しかし、中には「やはり生身の中国人に添削してもらいたいんだよなぁ」という方もおられることでしょう。
まぁ確かにAIの信頼性がだいぶ上がったといえ、ChatGPTの導き出す回答に対してまだ100%信用しきれないのも理解できます。
そんな方にはHi Nativeがおススメです。
「Hi Native」 は、言語学習や文化交流を目的としたオンラインプラットフォームの1つ。
このサイトでは、ユーザーが異なる言語を学ぶために、ネイティブスピーカーや他の言語学習者とコミュニケーションを取ることができます。
その中で、お互いが書いた文章を添削しあったりするので自分の中国語も添削してもらえます。
ただし、お互い添削しあう「フレンド」が増えるまで時間がかかります。フレンド申請して、承認してもらって・・・をやっていかなければなりません。
「フレンド」が少ないうちはなかなか添削してもらえず、数日待つこともざらにあります。
こちらからも日本語を学習する中国語ネイティブの書いた日本語をマメに添削してあげて、中国語ネイティブのフレンドを増やしていかなければなりません。
「Hi Native」 では他に、ネイティブスピーカーとチャットしたり、音声や動画を共有したりすることができます。
ちなみに以前以下の関連記事で紹介した「Lang-8」はHi Nativeに一体化されました。
Chrome拡張機能を活用してどんどん多読をしよう!
さて、これまでさらっと「日経中文網いいでしょ?!いいでしょ?!」と強調してきましたが、実際日経中文網がそれなりに読める人って中国語レベルとしてはHSK6級以上じゃないと厳しいでしょう。
何しろ一般のニュースを扱っているわけですから語彙の難易度も高い。
そんな方は、以下の関連記事で紹介したChrome拡張機能を活用することをお勧めいたします。
特に冒頭で紹介している辞書機能系の必須拡張機能を活用すればいちいちすべての単語について辞書サイトのページに移動しなくても意味やピンインを確認できます。
意味を深堀りしたい単語だけ辞書サイトで調べることで時間を効率的に使えます。
当日付け記事なら割と日中対訳記事が見つかりやすい
先ほど紹介した牛丼、スターバックスの記事は日本経済新聞電子版の検索機能を使用して日本語版記事を探しました。
当日付けの大きな話題の記事ならば、日経中文網と日本経済新聞電子版のトップページを見比べることで、いくつか容易に同一内容記事を見つけられます。
例として2024年5月16日午前のそれぞれのサイトのトップページを見比べてみましょう
赤で囲ってあるサムネイル付きの記事がトップページにそれぞれ掲載されていたので以下の二つの記事が日本語版と中国語版なんだなと、容易に見つかりました。
日本GDP一季度环比负增长,年率减2.0% – 日经中文网
https://cn.nikkei.com/politicsaeconomy/epolitics/55616-2024-05-16-08-34-15.html
GDP年率2.0%減 1〜3月、2四半期ぶりマイナス成長 – 日本経済新聞電子版 https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA153OO0V10C24A5000000/
「毎日一記事なんでもいいので日中対訳で読む」というのをルーティーンにするならば、トップページからランダムに記事を選んで読むのもよいでしょう。
日本経済新聞電子版の無料会員
無料会員は月に1本~3本有料記事を読める・・・らしい
日本経済新聞電子版には無料会員というのもあります。
月に数本、有料会員限定記事が読める、という事なのですが今のところ月に1本までというのがスタンダードらしいです。昔は10本読めた気が・・・。
無料会員の登録には最初に日経IDを登録してから、そこからさらに各日経系のメディアそれぞれに登録という手順でした。
どうせ1本しか見られないなら登録しなくてもいいやという人が多いかもしれませんね。
まぁ先ほど述べましたように、冒頭部分の日中対訳を読むだけでも十分中国語の勉強には活かせますからね。
中国語が堪能な人は有料会員限定記事も中国語版で全て読めてしまう
一部の中国語エキスパートの方にとって日経中文網はかなり「おいしいサイト」とも言えます。
日本経済新聞電子版の有料会員限定記事の冒頭を読んでいて、「あぁ、ちくしょうっ、続きが読みたいのにっ」って時に、日経中文網で同内容の記事が見つかったら、それを読めば記事を最後まで読めてしまうのですから。
リスニング音声はGoogle読み上げ音声で充分
ここまで読んできて、「ニュースサイトで勉強するならアナウンサーの読み上げ音声もセットじゃなきゃ意味がない」という主張をされる方もいらっしゃることでしょう。
しかし、私は本文をコピーペーストしてGoogle翻訳の読み上げアプリケーションに読み上げさせた音声くらいのクオリティでも十分リスニングのトレーニングになると思っています。
以下は日経中文網の沖縄の観光に関する記事本文をコピーペーストして読み上げさせた様子をキャプチャーしたものです。
访问冲绳的日本客23年度创新高,外国客增6.3倍 日经中文网 https://cn.nikkei.com/trend/tourism/55580-2024-05-13-09-54-57.html
機械音声なれど、「中国語を聞き取る」という観点で言えば全く問題ない読み上げ音声でしょう。
この音声を本文を読む前に聞き取りトレーニングとして使っても良いですし、本文を一度読んだ後音声を聞きながらしっかりと一つ一つの単語が思い浮かべられるか確認するために使っても良いです。
自分のレベルに応じて使い方を選びましょう。
「訛りは当たり前」の中国人の中国語
Googleの読み上げ音声を聞いて、「これは標準的なアナウンス音声の普通话と言えないからリスニングトレーニングの音声としては不適だ」という主張をされる方もいるかもしれません。
けれど、様々な出身地の中国人と話したことがある方はお判りかと思いますが、多くの中国人が訛りの強い中国語を話します。
私もCCレッスンというオンライン中国語レッスンを長い事続けている中でいろんな発音の中国人の講師と会話しました。
一例を挙げると”zh”の発音が”z”にしか聞こえない中国語を当たり前のように話してきたりする中国人もいます。
“一种”の発音はあえてカタカナで書くとすれば「イージョン」と記されるでしょう。ところが一部の中国人の発音では「イーゾン」としか聞こえないのです。
また、中には「h」の発音がスペイン語のハ行の発音のようになってしまう中国人もいます。
スペイン語のハ行は魚の小骨がのどに引っかかった時に、のどの奥で「カッ」とするみたいに、息を震わせるような音になります。
例えば、“我会”はカタカナで表記するとすれば「ウォフイ」となるところ、どう聞いても「ウォクイ」としか聞こえない訛りの人も結構いました。
このことから言いたいのは、標準的な発音の中国語を話す中国人ばかりではないので、リスニングトレーニングで重要なのはどんな音声でも音が流れてきたら単語が思い浮かぶようにする、ってことなのです。
また、一部の音声を聞き漏らしても文脈から単語を類推する力も同時に養えるようにします。
今でも時々訛りの強すぎる中国人と会話する時、聞いた瞬間は「何の単語言ってんの?」と「?」マークが思い浮かびつつも、時間差で脳内で単語を補完したりします。
最初の方は訛りの強い中国語に対して、「マジで発音なんとかしてくれぇ~」と不満もありましたが、最近ではこれも一つの中国語の発音、中国人同士が当たり前に会話しているのだから、こちらも聞き取るようにする、と考えを改めています。
ただ、初学者はなるべく訛りの強い中国語の講師は避けましょう。自分の発音もおかしくなってしまいますから(笑)。
中国語オンラインレッスンにご興味のある方は、以下の記事もご参考ください。
共同网~お堅いニュースの多い中国語ニュースサイト
お次に紹介するのが共同网です。
共同网 https://china.kyodonews.net/
共同通信の中国語版サイトとなっています。
日经中文网ほど扱っている内容の範囲は広くなく、お堅いニュース記事が中心となっています。
日经中文网と日本経済新聞電子版の時と同様に52新聞社と共同通信のよんななニュース(47news)のサイト内で中国語記事の見出し単語の日本語訳のあたりをつけて検索をかけると記事がすんなり見つかります。
あまりいいテーマではありませんが、以下の尖閣諸島の話題の記事が目につきましたので例としてとりあげます。
石垣市调查显示鱼钓岛垃圾增加环境恶化
https://china.kyodonews.net/news/2024/05/cc4fc0fc7e9f.html
よんななニュースで「石垣島」とキーワードを入れて検索したら以下の記事がすぐに出てきました。
尖閣諸島、ヤギ食害で環境悪化 石垣市が調査|47NEWS(よんななニュース)
https://www.47news.jp/10905193.html
共同网と47newsの日中対訳は割と直訳に近いものが多い印象です。トピックは堅苦しくて面白くないものが多いですが(笑)、翻訳の参考にはなるサイトです。
また、以下の記事のように日本語版は日本経済新聞電子版のように一部有料会員限定記事になっていたりするのも注意です。
Rapidus携手美国企业研发数据中心用半导体
https://china.kyodonews.net/news/2024/05/b34f121fb575-rapidus.html
ラピダス、米半導体設計ベンチャーと協業 AI向け受託製造目指す|47NEWS(よんななニュース)
https://www.47news.jp/10925781.html
共同网も貴重な日中対訳を参照できるニュースサイトです。日経中文網と同様の方法で活用できます。興味のある記事に絞って見比べると良いでしょう。
中国网(チャイナネット)~日英中の対訳も参照できる
次に紹介するのは中国网(チャイナネット)です。
中国网–网上中国 http://www.china.com.cn/index.shtml
日本語版サイトは
チャイナネット http://japanese.china.org.cn/
そして英語版サイトもあります。
China news, business, travel & language courses http://www.china.org.cn/
そして、中国网は日本語、中国語、英語だけでなく計9言語のニュースも参照できます。
このサイトも検索フォームがありますので、キーワードにあたりをつけて目的の記事を探します。
以下の関税のニュースを探してみました。
再高关税也保护不了美国汽车业_中国网
http://www.china.com.cn/txt/2024-05/13/content_117184189.shtml
冒頭の文章は以下のようになっています。
据多家西方媒体援引“知情人士”的消息称,美国政府最快将于当地时间14日宣布,把中国电动汽车的关税从目前的25%提高到100%,并对包括半导体、医疗设备在内的其他中国商品额外征税。
http://www.china.com.cn/txt/2024-05/13/content_117184189.shtml
「関税」キーワードでチャイナネットのWEBサイトで検索をかけます。
3番目に出てきたニュースの見出しに「米自動車産業」とあり、冒頭の文中に「現地時間14日に~」という記述があるのでこれが該当の記事と分かります。
関税引き上げも、米自動車産業を守れず中国網日本語
http://japanese.china.org.cn/business/txt/2024-05/13/content_117185148.htm
二つを見比べてみると、中国語版の方が文章が若干長いので日本語版はある程度抜粋しているのかもしれません。
上記の記事の英語版は、少し検索した程度だと見つかりませんでした。時間をかければ見つかるのかもしれませんが。
ちなみに、英語版を探す過程で「us steel」と英語版サイトの検索フォームに入力して検索したら以下のような記事がヒットしました。
习近平在塞尔维亚媒体发表署名文章 Full text: Xi’s signed article in Serbian media – China.org.cn http://www.china.org.cn/chinese/2024-05/13/content_117184400.htm
新华网がソースの記事を英語と中国語併記してあります。これが自動翻訳なのかどうかは定かではありませんが、英語が得意な方はこれで英語と中国語を同時にトレーニングするのもよいでしょうね。
人民網日本語版の中国語教室
次に紹介するのが
人民網の中国語教室–People’s Daily Online
http://j.people.com.cn/95961/
です。
このコーナーは多くの中国語学習サイトやブログで紹介されているので今更説明不要ってくらい有名です。
記事例を一つ。
石家荘と東京を結ぶ国際線が今月24日に開通–人民網日本語版–人民日報
http://j.people.com.cn/n3/2024/0426/c95961-20162231.html
記事ページを見てわかるように段落ごとに日中対訳が併記されているので学習者に易しい構成となっています。
一つ不満な点を挙げれば、人民網日本語のホームページの上部メニューに中国語教室のリンクが無いこと。(昔はあったような・・・。)
ホームページに訪れて迷子になっている方は、ページ中段に以下の画像のようなフローティングメニューがありますので、「中日対訳」のアイコンをクリックすれば中国語教室のページにたどり着くことができます。
辛口風刺画・中国的本音|(ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト)
お次に紹介するのが
辛口風刺画・中国的本音|辣椒(ラージャオ、王立銘)|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト https://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/
です。
これ、残念なことに2017年で更新が止まってしまっています。
それでも紹介するのは、丁寧な中国語原文が参照できるからです。
以下のページ、開くと日本語の記事しかないので一瞬「あれっ?」となります。
世界と中国人が越えられないネットの「万里の長城」|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト https://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/2017/07/post-46.php
ページの一番下まで行くと中国語原文のリンクがあるのです。
世界と中国人が越えられないネットの「万里の長城」(中国語版)|ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト https://www.newsweekjapan.jp/rebelpepper/2017/07/post-46_2.php
一文一文丁寧に訳してあるのでとても参考になりますよ。
その他のニュース素材教材を活用できるサイト
以下に紹介するのは以前の投稿で紹介したことのあるサイトで、ニュースサイトではありませんが、ニュース記事を教材として使って活用しているのでぜひ参照してみて下さい。
BitEX中国語
中国語教室のイーチャイナアカデミーが運営するサイトです。
リスニング「時事中文」というコーナーで、音声付ニュース素材が用意されていて非常に重宝します。
NetChai Media
「中国語ニュース」というコーナーでBitEX同様音声付ニュース素材を提供してくれています。
MandarinBean
ニュース素材というより、エッセイ中心の音声付素材が豊富です。時事用語は少な目。中国語中級レベルまでの学習者に非常に適したサイトになっています。
まとめ
日経中文網を中心に中国語学習にオススメなニュースサイトを紹介いたしました。
日本のメディアが運営する中国語版ニュースサイトは貴重
近年いろいろなニュースサイトで中文版を閉鎖している中、日経中文網は記事数多く、更新頻度も高い貴重なニュースサイトです。
朝日新聞の中文版やロイターの中文版のリンクなどもよく紹介されていますが、これらのサイトも既に閉鎖されています。
朝日新聞は9年ほど中国語版ニュースサイトを運営してきました。
朝日新聞社、中国語ニュースサイト「朝日新聞中文網」開設 – CNET Japan (2012年04月16日)
https://japan.cnet.com/article/35016251/
ロイターの以下の記事にあるように検閲の厳しい中国では、中国版サイトは不採算事業となってしまうのでしょうね。
NYタイムズ、中国語サイトは事業見直しの対象=CEO | ロイター
https://jp.reuters.com/article/idUSTYE9AQ020/
特別リポート:ロイターの香港報道を制限、リフィニティブが自己検閲 | ロイター https://jp.reuters.com/article/idJPL4N28N16S/
今のところ一般経済を中心に扱っているサイトで、かつ日本で運営しているサイトは検閲の心配も少なく、不採算とならない限り閉鎖されることもないでしょう。
やっぱり覚えなきゃならない中国語固有名詞
この投稿の最初の方で「中国本土のニュースはマイナーな地名やらが出てきて中国語学習者の教材として不向き」といった内容を書きました。
ただ、これは厳密には間違っている、ともいえるのです。
ここで言う「中国語学習者」は中級者レベルを想定していました。しかし、いずれは中国人と頻繁に会話したり中国で仕事をするならば中国の地名や企業名はどうしても覚えなくてはなりません。
中国本土の話題となると当たり前ですが会話や文章の中に頻繁に固有名詞が登場しますので。
また、中国以外の欧米の企業名、人物名も中国語に変換されると元の発音もへったくれもないような漢字が充てられていて本当に中国語学習者の頭を悩ませます。
けどこれも仕方ありません。最後は「覚えるしかない」これに尽きます。
中国語ニュース学習を習慣化しよう
「一日一ニュース」程度でもいいので、中国語ニュース閲覧を習慣化し中国語力をアップさせていきましょう!
ニュースサイトは新語を学ぶのにも使えますし、音読教材として活用するとより語彙力の向上に役立ちます。