今回は手短に、最近知ったSkypeの語学学習に役立つ機能を紹介します。
数十以上の言語を認識してくれるSkypeのライブキャプション、字幕機能
ズバリ、Skypeで外国語で友人と会話する時や、レッスンを受けている時にライブキャプション、字幕機能をオンにして字幕を表示させる、というものです。
この機能、2018年の12月に国際障害者デーにあわせて発表されていたので、

そんな機能くらいとっくに知っていますよ
という方も多いかもしれません。
恥ずかしながら私は5日くらい前に知りました(汗)。
「Skype」に字幕機能が追加、会話を認識してリアルタイムで表示 ~翻訳機能も導入へ – 窓の杜
このニュースは以前読んでいたはずなのですが、”本来は聴覚障害や難聴に悩まされているユーザーのための機能“ということで、外国語学習に活用しようという発想がありませんでした。
中国語でもかなり精度の高い音声認識
では中国語を例に実際に音声認識によって字幕が表示される様子を見てみましょう。
Skypeのライブキャプション、字幕機能をONにして音声認識している様子
(キャプチャーがコマ落ちしてしまっていてチラチラしてしまっているのはご容赦ください)
操作は簡単、CC(キャプション)オン→言語選択
①画面下部にあるCC(キャプション)をクリック


②認識言語を選択(今回は簡体中国語。にしても対応外国語の数がものすごい…)


※現在サポートしている言語数は42言語(中国語は簡体字、繁体字、英語は米国、英国、などの区分含む)
以上で相手方の話している言語の字幕が表示されるようになります。自分の話している音声は表示されません。


表示方法は3種類
テキストエリアを分割にせず、相手方の映像の上にフローティングして表示させることもできます。


このほかにウィンドウの左側にも表示させることができます。
ざっと使ってみた感じでは、かなり認識制度が高かったです。
残念ながら字幕は保存できない
レッスン後の振り返り、復習用にテキストを保存しておけたらいいなー、と思いますよね?
でも残念ながら現段階では保存できないようです。
同じMicrosoftのTeamsならライブトランスクリプション(ライブ議事録機能)があって、会話内容を文字起こしできるんですけどね…。
Skypeのライブキャプション、字幕機能の活用の仕方と注意点
ライブキャプションの認識制度は高いが、若干のタイムラグがある
最初に挙げた動画を見てお判りかと思いますが、相手方がしゃべった後にテキストが現れるまでに0コンマ数秒のタイムラグがあります。
したがって、この字幕に頼り切って会話をしようとしてもタイミングが遅くなりすぎて、会話のキャッチボールが成り立ちません。
これは一つの原因として「中国語だから」というのもあるかもしれません。
同音異義語が英語などのラテン語系言語に比べて多いので、話者がフレーズを言い終わってからどの漢字か判定されることもあるからでしょう。
実際何回か使ってみて、最初に認識されていた漢字が、話者が話し終わってから変化するということも目にしています。
英会話ではこのライブキャプション機能はまだ試したことありませんが、Youtubeの動画などで確認した限りでは明らかに中国語よりは認識速度が速いです。
ライブキャプションを活用するとしたら?
ではどのような活用をしたらよいのか?
私が一番これは助かるな、と思った使い方は聞き取れなかったほんの一部の単語の確認用に使う、というものです。
例えば、相手がバババ~ッと長い文章を一息にしゃべったとします。
何とか食らいついて9割以上意味は分かったんだけど、1,2語だけ何言っているのかわからなかった。
あれは何の単語を言っていたんだろう?そんな時にチラッとこの字幕一瞬だけ確認して、ああ、この単語だったのか~っ!と判明できて助かります。
また、このように「ああ、そうだったのか!」と印象に残りやすい判明の仕方なので、単語も記憶に残りやすくなります。
字幕に頼る癖をつけすぎるとリスニング力向上を阻害しかねない
ネガティブな影響についても少し触れておきます。
外国語学習者なら、「字幕に頼りすぎるな!」の意図は分かる人も多い事でしょう。
外国語学習は短時間で脳をフル回転させるトレーニング、とも言えます。
以下の例を見ればわかりやすいでしょう。


一番目のフレーズを聞き取ったときに、
”~我们zhōng xīn地希望海尔能够引领国内家电品牌走向世界。”
のように聞き取れたとします。
(ウッ、zhōng xīnてなんだ?中兴?中心?…?)
と頭をフル回転させながら1番目のフレーズに気を取られているうちに、即2番目のフレーズが聞こえてきてしまいます。
(ああっ、衷心かっ)
と1番目のフレーズの情報を処理しつつ、2番目のフレーズも同時に聞き取る、という割と高度な作業を脳の中で繰り返しているわけです。
そして、外国語のリスニング力アップのためには、もちろん聞いた瞬間すぐわかる単語を増やすという語彙力も必要ですが、上記のようなタイムラグ処理の時間を短くする脳のトレーニングも必要になるのです。
しかし、「字幕で後で確認できるわ」という前提でいると、ついついこの脳に非常に負荷がかかりつつも重要なトレーニングを避ける癖がついてしまいます。
私個人は幸か不幸かSkypeの字幕機能を長らく知らずに中国人の知り合いと話したり、オンラインレッスンを受けてきました。
話している間はいつもいつも脳をフル回転してへとへとになったり、時にはまったく理解が追い付かなくて相手と会話が成り立たなくて凹んだりもしました。
でもそういった日々の地道なトレーニングのおかげでだんだん脳の回転が速くなっているのを感じています。
今回紹介したSkypeのライブキャプション、字幕機能は以上の点を踏まえて利用することをお勧めいたします。