HSK4級試験合格から1年後、HSK5級レベル達成のためにやったこと

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2018年12月実施のHSK4級試験に合格してから1年後、2019年12月にHSK5級を受験しなんとか8割近く得点することができ(听力 83 阅读 76 书写 73 / 总分 232)、一応は「自分の中国語はHSK5級レベルです」といえるレベルには達することができました。

HSK4級から5級にレベルアップするまでの1年を長いとみるか早いとみるか。。時間に余裕のある学生さんとかなら集中して半年でレベルアップできる程度の違いかもしれないし、あまり時間を確保できない社会人だったらもう少しかかるかもしれません。(実際私はHSK4級合格後8か月くらいたったころHSK5級受験申込までしておいたけれど、全く試験対策の勉強できず、体調崩したりで一度受験を欠席。受験料が無駄になりました・・)

HSK5級とHSK4級で難易度が上がったと感じたところ

以下、個人的にHSK4級試験に対して5級での、難易度が上がったなと特に感じる点です。

  1. 「新HSK1~4級単語トレーニングブック」収録単語数1217語に加えHSK5級1316語(4級ですら全部覚えていないので求められる語彙力が結構きつくなってくる)
  2. 阅读の第1,2部分の単語の穴埋め問題(4択)は何となくの日本語の漢字の感覚だけでは正答を導けないレベルの語彙力が要求される
  3. 阅读の第3部分の長文は文章量が4級よりもぐっと増えるので長文の問題を事前に何回か解いてペース配分をつかんでおかなくてはならない
  4. 书写の第1部分の並べ替え作文問題では決まった言い回しを覚えていないと正答できない問題が出てくる(なんとなくの感覚では解けない)
  5. 书写の第2部分の80字作文二つは事前に過去問や対策本で練習しておかないと太刀打ちできない。(どのように書くのがいいのかわかっていないとお話にならない)
  6. 听力は読まれる音声の速さはそれほど4級と変わらないが、文章が長くなっている。特に後半ではバーッと一気に読まれて設問2,3個続いて答えを選ばなくてはならないので断片的に単語を聞き取れただけではストーリーが頭に残っていないのでヤマ勘で答えを選択せざるを得ない。
目次

HSK5級受験までにしたこと

受験申込時の実力

4級受験の時は試験の1か月半ほど前に申し込んだ。5級は4級にまぁちょっと毛が生えた程度の対策でイケるかなと高をくくって2か月前に申しこんだ。

申込時、週一回の中国語教室で使っているテキストの汉语口语速成 入门篇(下)の26課前後をやっていたかと思う。幾つかの補語を習っている段階で、その時点のテキストの中国語レベルとしてはHSK3級くらい。HSKの試験レベルではすでに4級を受かっていたとはいえ、あくまでも試験を解く力というだけ。会話を含めた実質の中国語レベルはまさしく3級程度しかない。つまりはほとんど話せないし、中国語の長文を日常読む習慣がない。このレベルで2か月の準備期間・・4級の時よりもかなり急ピッチでレベルアップしなければいけないとすぐに気づかされる・・。

公式ページで過去問を解く

4級受験の時と同様、全然解けなくてもいいので5級の過去問を一回解く。これにより合格のために現時点の自分に何が足りないかを把握し、勉強の重点を探ります。以下のリンクより5級のサンプル問題が入手できます。

HSK5級サンプル問題

まずは語彙力をつけなくては始まらない~「新HSK5級単語トレーニングブック」(アスク出版)


結局のところ圧倒的に語彙力が足りなくてお話にならないということにサンプル問題を解いて気づかされる。読み書きももちろん、听力が全く聞き取れない。

前回のHSK4級の試験に関するエントリー同様、基本「新HSK5級単語トレーニングブック」(アスク出版)をベースにディクテーション中心に語彙力、リスニング力を高めることにした。

例文を聞いて書き取ってみる、それから滑らかに音読できるまで言う、の繰り返し。わからない単語ばかりで結構つらいが仕方なし。4級の時みたいに全部ディクテーションをやりたいところだが、各例文が4級の単語集に比べ長くなっているので時間もその分かかるようになるし、結局6割くらいディテーションやったところで間に合わない、と残りは例文を見ずに一度聞いて文章を覚えている限りで口に出して言ってみて、書き取りはキーとなる単語だけにして、最後に正しい例文をさらっともう一回音読するだけになった。

2周やりたいところだったけれど結局一周だけ。それでも一度全単語全例文をじっくり聞いて発音したってだけでだいぶ中国語のリスニング力はアップしていることを実感できます。また覚えている単語も感覚的に5割いくかいかないかですが、それでも覚えようとして単語集に取り組んだわけではなく、ただ一周しただでそれくらい頭に残ってくれるので上出来だと思います。この単語集の例文、繰り返し何度も例文中に前のほうにできてきた単語が後で出てくる特性によって割と頭に残るのです。(因みに2020年3月現在試験対策とは別にディクテーション2周目をやっている。今だいたい半分くらい。この「新HSK5級単語トレーニングブック」は普段のリスニング力、語彙力を鍛えるのにもすごくいい教材だと思う)

語彙力だけでは太刀打ちできない5級の阅读

しかしHSK5級となると4級と同じことをやっているだけでは当然得点できない。長文の問題などは「単語トレーニングブックの例文に触れておけばイケるっしょ」というレベルでは通じなくなってきます。

長文読解は結構量が多いのでやはり過去問を何度か解いてペース配分をつかんでおいたほうがいいと思います。4級では過去問は特に必要ではないかなと思っていましたが、5級に関しては長文対策として過去問を何度か解いたほうがいいなと感じました。

並べ替え作文は別途に対策問題集をやっておいたほうが良い

公式過去問題集では全般的に解答部分の解説がざっくりしすぎています。文法知識が要求される並べ替え作文ではやはり、解説がしっかり書かれている対策問題集が必要となってきます。今回の私のように習っていない文法内容を独学で文法知識を習得しつつ試験対策するのにぴったりだなと選んだのが、単語集と同じ出版社が出している「新HSK5級トレーニングブック 読解・作文編」です。


この問題集のいいところは文法項目ごとにそれぞれの文法の決まり事が簡潔にまとめられていて、各項目に練習問題があるので急ピッチで文法を確認しながら習得できるようになっています。

決まった言い回しなども整理してあって短期間で試験対策をするにはぴったりの内容です。

長文作文も過去問題集だけでは解説、解答例が足りない

HSK4級とHSK5級の間で難易度の違を最も実感させられるのは最後の书写でしょう。HSK4級では写真を見て短い一文のフレーズだけ書ければよかったのですが、5級では5つの指定された語句を使った80字程度の作文一つに、写真を見て80字程度の作文をする、の二つの問題があり、ぐっと難易度が上がります。

勘のいい人はもしかしたら過去問の解答例をいくつか見ただけで「まぁこんな感じで書けばいいんじゃねーの?」と大体の書き方をつかめるかもしれませんが、大方の人は「新HSK5級トレーニングブック 読解・作文編」にある解説を参考にしたほうが自信がつくと思います。

この対策本の解説では実際に学生さんにどんなストーリーを書きたいかを聞いてその日本語が提示してあり、それをもとに中国語にした解答例が記されています。そのストーリーの選び方について解説者が講評を加えてあるので、慣れないHSK5級の最後の作文の取り組み方がわかってきます。「ああ、なるほどこういうアプローチで作文問題は取り組めばいいのだな」という感覚がわかってきます。

「新HSK5級トレーニングブック リスニング問題集」は買う必要なし

「新HSK5級トレーニングブック リスニング問題集」、私は買ってしまいましたが、結局試験までに時間が足りず手を付けないままでした(お金がもったいなかった・・)。新HSK5級単語トレーニングブック」のディクテーションをやるだけで充分リスニング力は鍛えられます。

おわりに

HSK5級のレベルは公式サイトの定義によると

中国語の新聞・雑誌を読んだり、中国語のテレビや映画を鑑賞することができ、中国語を用いて比較的整ったスピーチを行うことができる。

各級の紹介

また、HSK5級レベルは中国の理工系の一流大学の留学に要求されるレベルを満たしているレベルでもあるようです。
主要大学で要求されるHSK基準例

実際のところHSK5級で9割以上の得点を取れるレベルじゃないとさすがに上記のレベルは満たされなんじゃないかなとは思いますが、自分がHSK5級の試験で8割近く取ってから3か月経ち、その間もコツコツ勉強した上で実感することは、簡単な単語であればナチュラルなスピードでも結構聞き取れるレベルになってきたなということです。中国人のYoutubeも中国語の字幕があれば楽しめるようになってきます。ほかにYoutubeにたくさんアップされている中国のドラマも楽しめるようになってきます。

このことを踏まえて言えるのはHSK5級レベルあたりからいよいよ本当の中国語学習の面白さを実感し始められるということです。

どの言語学習過程でも同じですが、ボキャブラリーのインプットフェーズはひたすら単語を覚えなくてはならないので単調な作業が続き面白さを感じるのが困難ですが、それを乗り越えてコミュニケーション力向上フェーズに移ると、動画コンテンツも長文コンテンツも楽しめるようになり、そしてその上の会話を楽しむということにつながり、言語学習の楽しさに加速度がついて来ます。

私もまだまだこれから会話力を鍛える段階ですが、中国語学習の同志のみなさんと言語を学ぶ楽しさをこれからもシェアしていけたらと思います。

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