間違えやすい声調の組み合わせのコツ~語林中国語教室の動画より

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一向に良くならないセンテンスの発音

一通り中国語の声調はマスターしたつもりだけれど、どうも文章の読み上げとなると発音が途端に不自然になる、そんな悩みを抱える方は多いと思います。

私もHSK4級くらいのレベルになったころ、なんか滑らかに文章が発音できないんだよなぁ、と悩んでいました。HSK4級レベルだと、そこそこリスニングもできるようになっているし、簡単な文章なら読解できるレベルでそろそろ自信をという地点なのに・・・それなのになぜ?

同じような悩みをお持ちの方は一文字一文字の4声の発音は完璧なんだけれど、二文字、三文字・・の声調の組み合わせになったら途端に発音が不自然になってしまうという人が多いようです。

中国人は声調の組み合わせをどんな感覚で発音しているのか、そこを丁寧に解説してくれているのがこれから紹介する(株)語林中国語教室のYoutubeチャンネルの動画でした。

抑揚をどう効かせるか、そこがポイント

優しい語り口の林先生とメガネ美人さんの謝先生のお二人による解説動画。「「間違えやすい声調組合せにコツがある」 中国語発音(ピンイン)入門講座10」。

いろいろある組み合わせの中でも特に日本人が間違えやすい声調の組み合わせに絞って、うまく発音するコツを教えてくれています。

ああなるほどこうやって中国人は発音しているんだ、と線を用いてイメージをつかみやすく説明してくれていて、動画内で出てくる組み合わせ以外でも何となくコツがつかめるようになってきます。

声調が比較的フラットな日本語を話す日本人にとって、中国語の習熟度が低いうちはついつい愚直に、ロボットのように一文字一文字の声調を気にしながら発音してしまおうとしてしまうのですが、実際は組み合わせによって文字ごとに音の高さのスタート地点が違うんですよね。

動画内で出てきた組み合わせ

二声+二声

まずは二声+二声について解説してくれています。

間違えやすいのが下の×に示すように愚直に一文字一文字スタート地点の音の高さを同じにしようとしてしまって、一文字目の最後の方を戻して二文字目を発音しようとしておかしくなってしまう。

正しくは一文字目、二文字目と上がり続けるイメージ。そして一文字目を少し短くして二文字目の最後まで上げやすくする。そうじゃないと上がりきらなくて声が裏返りそうになっておかしくなりますからね(笑)。

四声+四声

次は四声+四声について解説。二声+二声の真逆パターン。

慣れない頃は愚直に、×で示すように一文字目を下げたあと、また同じ高さに戻って声調を下げようと勘違いしてしまう。これは二声+二声の時と似たような勘違いです。実際には一文字目、二文字目と一気に下げていくイメージ。

また繰り返しのような説明になりますが、一文字目をしっかり言いすぎてしまうと二文字目を下げるのが大変になるのも発音がおかしくなる理由の一つ。動画で述べてくれていたように、一文字目の最初を短くして、二文字目をしっかり下げるのが中国人の発音の仕方ですね。

四声が三つ続く場合には最初を短く、真ん中をかなり短く、そして3文字目をしっかり下げる、となります。

二声+一声

動画でもおっしゃってましたが、多くの人は一文字目が上がりきる前に二文字目を発音し始めてしまっておかしくなってしまう。

一文字目と二文字目の発音を分けるくらいの感覚で発音します。一文字目が上がりきったところでさらに一声のフラットな発音が来るのではなく、図にあるようにほんのちょびっと呼吸を置くくらいの感覚がコツ。

二声+四声

このパターンも先ほどの二声+一声と似ていて、一文字目をしっかり言い切る前に二文字目を言おうとしてなんだか抑揚のないおかしな発音になってしまいます。

やはりコツは一文字目をしっかりと発音して一回切ってからしっかり二文字目を下げるイメージ。

三声+二声

さてこの三声+二声が難しい。一文字目の半三声を発音してから、二文字目のスタート地点をさらにちょっと下げて尻上がりしっかり発音するんですよね。なかなかこの感覚は慣れないですが、理解したうえで練習あるのみですね。

一声+四声

最後は一声+四声。一文字目の尻の部分を少し上げると、二文字目の四声の下げを発音しやすくなります。また、二文字目も軽く下げる程度の発音となっています。

いかがでしたでしょうか?この動画とても参考になりますよね?私はこの動画を見てから劇的に中国語の発音をするのが楽になりました。動画内で先生方がおっしゃっていたことを知らないうちはどうしても窮屈な発音になり、

「中国語ってめちゃ発音するの苦しい言語じゃんか」

と勘違いしていましたが、実際はそれぞれの組み合わせで楽なように中国人も発音しているんですよね。

実は三声は低くフラットな発音でよい~ミスレイさんの参考動画

ところで第三声の発音で、低さが足りないよ、と中国人に注意されることはありませんか?私も以前はしょっちゅう注意されていました。

低くしようとしているんだけど、どうしても下がりが足りない、と。

それでだんだんコツがわかってきたら、なんだ、最初からかなり低く下げて、後半も揚げる必要ないんじゃないか、と気づきました。

そのことについてまさに解説してくれているこちらの動画がありました。

ミスレイさんの動画は発音をマスターするのにとても役に立ちます。

anとang(前鼻音・後鼻音)を発音するコツ

マスターするのが難しいanとang(前鼻音・後鼻音)の発音の区別

発音話のついでで、中国語学習者にとっての難関、anとang(前鼻音・後鼻音)の発音の区別。

前鼻音・後鼻音

前鼻音・後鼻音

よく言われているのが「anは舌先を前歯の裏に付け、angは前歯の裏に当たらないようにする」というやり方。

確かに、そのやり方を意識すると発音の区別に少し進歩は見られます。

しかし、どこか十分でないところがあるようで、オンラインレッスンをやっていて発音に厳しい先生だと結構指摘されることがありました。

NHKのラジオ講座や、その他のテキスト、参考書には『anは案内の「ン」で、angはアンゴウの「ン」だ』、と秘訣を紹介しています。

確かに、今となってはその通り、と思うのですが発音習いたてだと、発音において、どういう部分を強調して意識するのかがやはりつかみにくいものです。

とある老师から教わったコツ~喉にためる、を意識する

オンライン会話レッスンを開始してから数ヵ月が経ったころ、それなりに中国語だけでやり取りもできていたし、自分の発音はまぁまぁ問題ないんじゃないと過信していたら、一人の発音に厳しい先生にngの発音がいまいちだとピシャリと指摘してくれました。

そこで自分なりに、舌先をつける、つけないで発音の区別をして聞いてもらったら、全然ngの発音がなってないと繰り返し言われました。

そこでその先生が「喉のあたりにためるようにするんだよ」と言った。

「後鼻音」という字からして、鼻の奥にためるものだと思っていた。(実際には鼻の奥だが)

つまり、中国語を学習している外国人にとって、喉のあたりにためるくらいの意識をしないとngのあの鼻の奥にたまるような音が出ないという事なんです。

前鼻音

前鼻音

後鼻音

後鼻音

それ以降、ngの発音の間違いを指摘されることはなくなりましたし、他の先生からはngの発音が良くなったねと褒められました。

台湾のジューススタンドの苦い思い出(ジュースは甘いけど)

数年前、まだ中国語を少しだけかじっていた時の頃、友人たちと台北に旅行に行ったことがありました。

台湾と言えばジューススタンド。その時はまだタピオカミルクティーが日本で爆発的な人気が出る数か月前でした。すでに何度か台湾に行ったことのある私は台湾のタピオカミルクティーのおいしさを知っていたので、友人たちには是非タピオカミルクティー飲んだ方がいいよ、と勧めました。

私はというと、なんどもタピオカミルクティーを飲んでいたのでその時は違うお茶系ドリンクを飲んでみようと、メニューを見て柠檬茶(レモン茶)ベースのドリンクを頼むことにしました。

友人たちには私が中国語を勉強し始めていることを伝えてあったので、

俺中国語でいっちょ注文してみるわ

と勇んで臨みました。事前にスマホの辞書アプリでピンインを調べておき、順番が回ってたとき意を決して

我要一杯柠檬茶。

と言ってみたのですが・・・。

台湾人の可愛い店員さん、私が「柠檬茶」と言い始めたところで、露骨に眉間にしわが寄り始めかなり聞き取りが難解だった模様。可愛い女の子に、面と向かってあんなに深い眉間のしわを見せられたのは何年ぶりだっただろうか・・。すごーく凹みました(笑)

伝わりにくかった原因はやはり抑揚がついてなかったから。中国語は四声がしっかり判別できないと本当に伝わらない言語ですよね。

それからだいぶ経って、中国語の勉強もめげずに続け、今回の記事の動画に出会い発音が改善し始め、今ではオンラインレッスンで中国人相手になんとか自分の言いたいことが伝わっています。(もちろん、難しいフレーズを作って言えるかどうかはまた別の話ですが)

コロナウイルスが落ち着いてまた台湾か中国に行く機会があったら今度はスムーズに注文してやるぜ、そんな目標を持ちながら勉強を続けるのもいいですよね。

実際の会話ではピンイン通りに発音しない言葉もある

不是がブリって?

声調以外にも中国語の発音には厄介な側面があって、それは早口でしゃべりだすとピンイン表記と違う発音を中国人がしていること。

代表的なのが「」の発音。ピンイン表記だと「shi」カタカナでイメージすると「」に似ている音ですよね?ところがドラマとかで俳優がしょっちゅう「是」を「ri」のように発音している場面に遭遇するのです。

あまりカタカナで表記するのは適切ではないかもしれませんが、「就是」を「ジョリ」、「不是」を「ブリ」っと発音してる。いやいや「ブリ」ってう〇こじゃないんだからって、ツッコミたくなります。

だってそうでしょ、中国語非ネイティブがピンインのルールに従って発音覚えて苦労しているのに、なんでこんな変えちゃうのよ?って不満も言いたくなりますよね。

同様に「zhi」もしばしば「ri」のように発音される。「不知道」は「ブジィダオ」に近い音が本来のピンインの発音ですが、もうね「ブリダオ」って言っていますよ、ほとんどの俳優が。

あと、「shao」の音も口語では場合によっては音がかなり変わりますよね。

代表的なのが「多少钱?」。ピンインはduō shǎo qiánでピンイン通りに発音するならば「ドゥオシャオチィェン」という音が近い発音なのですが、 実際には「ドゥオァルチィェン」だったり、「ドゥャルチィェン」のように発音している中国人もいます。

巻き舌発音だと音が変わるケースがおおいですね。

こんなこと言ったら怒られそうですが、なんかすごーく口がだらしなく、ドドドと言葉を発する中国人もいますよね(笑)。でもそれが標準の中国語のようです。

地方によってピンイン自体も変わってくる?中国語

せっかく普通话のスタンダードに従って単語のピンインを覚えているのに、出身地の影響なのかしばしば4声が普通话のスタンダードから外れているのに、それが標準であるかのように認識している中国人が多いことがあります。これ本当に中国語学習者の頭を悩ませます。

南方の中国語は巻き舌をあまりそらせないというのは知っている方が多いと思います。代表的なのは台湾の発音ですね。

ただ、これはちょっとした方言の違いのようなもので、基本的にピンインが同じならまだわかるのです。

以前中国語を中国人の方に学んでいたときに、「もしお金があれば仕事を辞める」みたいな意味の中国語の文章を作ってい時に、「辞职」(cí zhí )という言葉を使おうとしたのですが、発音をおぼろげに覚えていて、先生に聞いたらchí zhíと発音した。

辞职の事かと思いつつ、あれ、おかしいなそんな発音だったけな?と混乱して、とっさにはこの発音の言葉が思い浮かばなかった。

そこで、先生にちょっとその字を書いてもらいませんかとお願いすると、やはり辞职と書く。でも依然としてchí zhíと発音される。

おかしいなと思いつつ、ではピンイン書いてください、と言ったらchí zhíを書いた。え?と思って、辞書アプリで辞职を引いたものを見せると、あ、と言って苦笑いして「ごめんなさい、わたしの発音おかしいね」と返ってきた。

オイオイ、あなた中国の人だよねと耳を疑った。その後も例えば「造句」(zào jù)を(zhào jù)と発音したりたびたび普通话のスタンダードから外れる発音で普通にしゃべっている場面に遭遇した。

このことから思ったのは中国語はところどころ人によって発音にかなりばらつきがあり、結局のところ文脈で単語を判断しなけばならないんだなということ。また逆に言うと我々外国人が多少発音がおかしい言葉が混じっても文脈、文法が大きく間違っていなければ通じやすいとも言えます。

Youtubeで中国語ノンネイティブの外国人が、中国人に中国語を話すようなシーンのものをたまに見るけれど、ところどころ四声がおかしかったりしても結構会話が成り立っていますからね。

沢山の中国語の学習書籍を出している林 松涛先生

この動画を久しぶりに見て、講師の 林 松涛 先生の名前を検索してみました。そしたらあれれ、結構沢山本出しているじゃないですか。

そのうちの一つ、「つながる中国語文法」はずーっと前に買っていて、林(はやし)という日本人が書いたものだと思い込んでいてこの動画の先生と結びつきませんでした(笑)。

他にも「マップ式 中国語単語記憶術」や最近では「大人なら使いたい中国語表現 ~メールやビジネスシーンで恥をかかないために~」という書籍、ほかNHKラジオの中国語テキストも監修されている方でした。

「つながる中国語文法」と「マップ式 中国語単語記憶術」を見た感想から言えるのは林先生、マインドマップが好きみたいです(笑)。それでも「マップ式 中国語単語記憶術」においてマインドマップの図は結構役に立つレイアウトになっています。

アマゾンの商品ページでは試し読みがあるので、最初の「看」と「见」の違いをぜひ見ていただきたいのですが、この二つの字のニュアンスの違いが把握しやすくなっています。

「大人なら使いたい中国語表現 ~メールやビジネスシーンで恥をかかないために~」は少し上級者向きで、こういう表現使いたかったんだよなぁ、という内容が満載です。

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