TeamsがオンラインレッスンのメインツールとしてSkypeに取って代わる
2025年5月にサービスが終了したSkype。多くのオンラインレッスンで活用されていました。
Skypeを使って外国語で会話する時の便利な機能で「ライブキャプション機能」というのがありました。
「ライブキャプション機能」とは会議や通話中に発言内容をリアルタイムで字幕表示する機能です。
このブログでも以下の記事でSkypeの「ライブキャプション機能」を以前紹介しています。

そんな便利だったSkypeに取って代わり、現在ではTeamsが多くのオンラインレッスンスクールでメインのツールとして採用されるようになりました。
TeamsでもSkype同様ライブキャプション機能は備わっていて、本記事ではTeamsでのライブキャプション機能の使用について簡潔に紹介していきます。
基本的にはSkypeのライブキャプションと全く同じですのでざっくりと紹介するにとどめます。
Teamsのライブキャプション機能の使い方
使い方はごくごく簡単です。以下は1対1の通話中の画面のキャプチャーです。
[…(その他)]と書いてある上部メニューをクリックして、プルダウンメニューから「ライブキャプションを表示する」を選ぶだけです。

ただし、初期設定では「会議で話されている言語」の指定が「英語(米国)」になってしまっているので、

これを、「簡体中国語(中国)」に指定します。

会話中に「会議で話されている言語」を変更すると以下のようなアラートが出ますが、気にせず「更新」をクリックしてください。

すると画面上に音声言語が切り替わった旨のメッセージが表示されます。

スペックの低いパソコンだと、ここで一瞬画面が途切れたり、音声が途切れたりします。相手方も同様の現象となります。
毎回ライブキャプションを有効にするたびにこの現象は起きますので留意しておいてください。
ちなみに英語のままで中国語会話していると下の画像の一行目のように中国語の音声が無理やり英語に変換されて、意味不明の英語が表示されます。

正常に動作していれば、下記のようにお互いの発言が中国語でほぼリアルタイムで表示されます。

あくまでも私の個人的な感想ですが、Skypeのライブキャプション機能よりもより処理が速くなっているように感じます。
相手方がバババッとしゃべったときでもかなりのスピードでテキストが表示されていきます。
ただし、私のように非ネイティブがしゃべると発音が悪いので、こちらが意図する単語が表示されないことがあります(涙)
あと、一つ残念なことに「Teams通話」ではこのライブキャプションのテキストを保存する機能はありません。
Teamsの会議とかだと保存できるようですが。
すべての通話のテキストをまるっと保存できると復習に役立てられて便利なんですけどね。ただ、マウスでドラッグして選択したテキストをクリップボードにコピーすることはできています。
Teamsのライブキャプションを実際に使っている様子
簡単にではありますが、実際にライブキャプションを使用している様子のキャプチャー動画を紹介します。短い動画です。
どうもPCの画面キャプチャの調子が悪く、コマ落ちが発生したり、音声が途切れたり、私もあまり中国語が出て来なくてあまり恥を晒したくないのですが(汗)。
それでも動画を見た方がTeamsでのライブキャプションの様子がつかみやすいと思ったので動画をシェアいたします。
着目してほしいのはライブキャプションを有効にしてから下部にテキストが表れ始めるあたり。結構スムースにテキストが表示されていると思います。
オンラインレッスンではライブキャプションはかなり有効なツール
ライブキャプションの機能説明として「リアルタイムで字幕表示する機能」との文言がある通り、映画やドラマの字幕とひとくくりにされて、同列に捉えられがちです。
しかし映画やドラマの字幕と、中国語で相手と会話している時のライブキャプションは中国語学習の観点からとらえると別物なのです。
字幕は中国語学習に邪魔?
中国語学習者でドラマや映画を中国語学習教材として用いている方は少なくありません。
あと、中国語圏ではYouTubeやその他動画共有サイトにアップロードした動画にも字幕を付ける習慣がありますので、最近ではそういった動画も学習に役立てている方もいると思います。
でもこれ、中国語中級レベルくらい、例えばHSK4~5級くらいの段階だとこれらの動画素材を教材として使おうって場合注意が必要です。
というのも、そのくらいのレベルだとドラマや映画の音声はまだまだ2割くらいしか聞き取れないレベルのはずで、けれども字幕をずっと見ていると大体の意味が分かってしまい、音声にあまり注意を払わなくてもドラマを楽しめてしまうのです。
ましてや我々日本人は、まだ学習していない中国語の単語でも、単語本来の意味を分からずとも何となく漢字の並びで意味を類推できてしまいます。
このような見方をしてしまうと、「耳のトレーニング」にはならず、動画素材を教材として使っている意味が無くなってしまいます。
これは私の個人的な経験でも当てはまりました。
2020年頃、「以家人之名」というドラマにどハマりしました。
その当時はHSK6級にギリギリ合格したばかりというレベル。ドラマ中のセリフは4~5割くらいしか聞き取れませんでした。
しかし字幕を見ながらなんとか理解して見ていたのですが、学習効果が低い状態なのにも関わらずドラマが面白過ぎて最後までイッキ見しちゃったのです。
まぁ、ずーっと中国語音声に触れていた、という意味では日本のドラマを観ているよりマシではありましたが、リスニング力がこれで鍛えられたかというと、あまり効果がなかったと思います。
このような中国ドラマの見方をしている方たちは要注意ですよ。中国ドラマって大体が全部で30~40数話あって、全て見るといったい何時間かけているんだ、って話です(笑)
参考として以家人之名を見られるリンクを貼っておきます。MangoTVで2話まで無料で見られます。
以家人之名 第1集-Series-HD video online viewing-MangoTV https://w.mgtv.com/b/333900/9578912.html?cxid=95kqkw8n6
話が脱線しまくりで恐縮ですが、このドラマで流れていた劇中歌で「雨」という曲、凄くいいですよ。
Teamsのライブキャプションはドラマや映画の字幕とは全く別物、学習効果大
では中国人との会話やオンラインレッスン中のTeamsのライブキャプションはどうかというと私は中国語学習の観点でこの機能は大いに活用価値があると実感しています。ドラマやYouTubeの字幕を見るのとは全く別物です。
相手と会話しながらという事は当たり前ですが、一方通行のコミュニ―ケーションではなくて、インタラクティブ(双方向性)なコミュ―ケーションとなっています。
中国人と会話する時、相手の発言内容をしっかり掴みながら聴きとりつつ、キーとなる内容や単語をピックアップしていかなくてはなりません。
そのキーとなる単語をもとにこちらも発言して、会話のキャッチボールをしていかなくてはなりませんから。
ドラマや映画を見ている時のようになんとなくぼやーっと意味をとらえて、はい次の場面、次、次みたいな字幕の見方していたら会話が成り立ちません。
相手の発言を瞬時に、ある程度正確に理解しなくてはなりません。その時の脳の働きはリスニングで聴きとった言葉を瞬時に理解しようとする時の働きと似ていると思います。もちろん視覚に依存してしまってはいますが。
意外と一部分だけ見ているライブキャプション
これからライブキャプションを使って中国人との会話をしてみようと思っている方、実際に使ってみたらライブキャプションの字幕を一字一句読み取ろうとはしていない自分に気付くと思います。
そう、結局のところ会話だとリアクションをすぐにしなくてはならないので、一字一句読んでいては会話のリズムに遅れが出てきてしまいます。
そこでどういうことをするかというと、耳で聴きとれている部分は流し読みし、ちょっと聴き取れなかった単語の部分だけ自然と”補間として”ライブキャプションを見ていることに気付くと思います。
これが新しい語彙を記憶に残すのに結構効果的なんです。
漢字をすぐに覚えられて効率的なライブキャプション
私個人は普段はそれほどライブキャプションは使っていません。というのも8、9割くらいは聴きとれるのと、PCのスペックが低く時折音声が途切れてしまい、不便になることがあるという理由があるから。
それでもたまにライブキャプション使ってみると、「これはこれでいいなぁ」と実感することが多いです。
先日中国のアートトイメーカー、「泡泡玛特(POP MART)」の株式時価総額が日本円で6兆円を超えたニュースについて中国人と話していました。
その時相手から“shǒubàn”という単語が発せられて、「ん?shǒubàn?なんだ?」と一瞬何のことかわかりませんでした。
その時に相手がスマホの写真にこんな感じだよ、という風に画像を見せてくれて、ああきっとフィギュアの事だろうな、とアタリを付けつつ下部のライブキャプションを見たら“手办”という漢字がありました。
あれ?なんだなんだ、こんなシンプルな漢字を使った単語だったの?と。会話を終えた後辞書で意味を調べたらやはり「フィギュア」の事でした。
このような印象に残るやり取りのおかげで、おそらく私はこの単語“手办”=「フィギュア」は一生忘れないと思います。
通常時であれば、会話の流れを遮りたくない時“shǒubàn”というピンインをメモ帳に書いておいて、後で調べたりしていますが、ライブキャプションを使用しているとその場その場ですぐに漢字がわかるのが効率的です。

ライブキャプションで初学者もオンラインレッスンの不安なし
上記の私の例のようにある程度中国語を聴き取れて、時々聞いたことない単語が出てくるシーンなどにはライブキャプションは語彙を習得する上でかなり効果的です。
もちろん初学者の方が割とゆっくとした会話の中で、一語一語しっかり確認する時にも役立つのは言わずもがな。
中国語オンラインレッスンを思い切って初めてみたいけれど、中国語聴きとれなくて不安だなんて人もライブキャプションを併用することで安心してレッスンを受けられることでしょう。
中国語オンラインレッスンに関しての参考記事もこのブログでも書いていますので、検討中の方はぜひご参照ください。



おまけ:中国のネットからだとTeamsのアカウントを取得できない
中国のインターネットからだとTeamsのアカウントを取得できないのだ、と中国人から聞きました。
ではどうするかというとVPNを使って最初にアカウントを取得するそうです。
一度アカウントを取得すればあとはVPNを使わなくてもTeamsで通話とかできるようです。
大部分のオンライン中国語レッスンでは中国在住の中国人が講師となっているわけですが、先月の2025年5月のSkype終了時には全員VPNを使用してアカウントを取得したのでしょうか?謎ですね。