中国語学習者の最終目標「中国語検定準一級」
中国語検定準一級は中国語学習者にとってある意味最終目標ともいわれています。
「え?中検一級じゃないの?」
確かに準一級の上に一級があります。しかし、「一級に受かるような人は、国際会議の通訳レベルだ」という話で、一級合格を目指すのは膨大な時間がかかり現実的ではないそうなんです。
一部の中国人ですら一級の試験に受からない、なんていう風にも言われています。
中国語検定協会のWEBサイトに掲載されている難易度対応表では中検準一級はHSK6級のさらに上のレベルに位置付けられています。
その難易度ゆえに、受験経験者の絶対数も少なくネット上の参考情報も詳細なものはそれほど多くはありません。
2024年3月の中検準一級一次試験結果
私個人の話になりますが、じつはまだまだ中検準一級のレベルには達してはいません。しかしリスニング力だけは中検準一級合格レベルに達しました。
筆記のレベルはまだまだお話にならないというのを事前にわかっていた状態でしたが、2024年3月に予行演習とリスニングの力試しを兼ねて、中検準一級一次試験を受けてみました。(あと、ブログのネタの為に(汗))
結果、リスニングのみ合格基準点を超えることができました。
試験前に過去問を何回か解いてみてコツをつかめたのも合格点基準点を超えられた大きな要因となっています。
現時点で筆記はさておき、中検準一級リスニング対策に関してだけは、合格点をとるためのテクニックがわかってきましたので、その情報をみなさんにシェアしてきたいと思います。
なかなか見つからない、中検準一級試験に関する詳細情報
今回中検準一級を受験するにあたり、事前に試験に関する情報を収集してみました。
しかしブログやサイトに載っている情報は、どれも体験記や「この参考書を使って勉強した」といった内容ばかりで、試験中の音声構成やタイムテーブルはどうなっているのか、とか基本的かつ詳細な情報について触れている内容を見つけることができませんでした。
こういった基本的なポイントを知っているのと知っていなのとでは本来の実力が同じでも本番の試験で10点以上の差が出てきます。
中国語検定協会から「受験案内」を取り寄せてみたりしましたが、受験者が知っておきたいような、マークシートや解答欄の修正、清書する時間が確保されているかどうかなどの試験の規定が記載されておらずやきもきしました。(中国語検定協会のWEBサイトの「受験案内請求」から無料で取り寄せできるが、本屋で無料配布されているものと同じだった)
結局中国語検定協会に電話かけてみて、知りたい内容を確認することもしました。
皆さんにはこういった手間がかからないように、なるべく有益な情報をこの投稿ではシェアしていきたいと思います。
中国語検定準一級一次試験リスニング 各パートの流れと対策
それでは早速具体的なリスニング試験対策の解説に入っていきます。
大問1 選択問題
3分~3分半ほどの文章の音声が最初に流れ、その内容に対して5題の4択選択問題に答えます。それが全部で2セット。合計10問で50点の配点。
中検準一級のリスニングに合格するには大問1で最低8問以上は正解したいところ。
大問2の書き取り問題は知らない語句が含まれている文章を読み上げられてしまったらお手上げでなかなか点数を稼げませんから。
その反面大問1では「効果的にメモを取る」ことができれば安定的に8割以上得点することも可能です。
大問1の流れ
大問1の流れを図を使って表すと以下のようになります。
改めて音声の流れを書き下すと、
問題文音声(3分~3分半)
↓
質問文①とそれに対する選択肢4つの音声
↓
質問文②とそれに対する選択肢4つの音声
これが質問⑤までつづく。
質問⑤が終わると再び最初の問題文から質問⑤まで全く同じ音声がもう一度流れる。
1回目の音声でとにかくメモを取りまくり、2回目で正答を固めるというのが定石パターン。
問題文の内容のメモをポイントを押さえてしっかり取れていれば落ち着いて選択肢から正答を選べます。
メモはどこにどう書くのが良いのか?~問題用紙の指定に従わないこと!
問題用紙の1ページ目、2ページ目にリスニング問題解答用のメモ欄があります。
2ページ目には大問2のマークと「中国語を聞き、その中から指定された5か所を漢字で書き取りなさい。」の文言。
これを読むと、このスペースに大問2の書き取り問題用のメモを取らなければいけないように思えてしまいますが、これはある種の「トラップ(罠)」とも言えます(笑)
後に大問2の解説で説明しますが、この大問2に用意されたメモ欄を額面通り受け取って大問2の解答用に使用すると痛い目に遭う可能性があります。
また、問題用紙は持ち帰ることができるのでどこに何を書こうが受験者の自由なのです。
具体的には大問2のために用意されたこの欄の上の方を大問1の最初の文章音声用のメモに使い(図1のa1))、横線などで区切って下半分を二つ目の文章用のメモに使うのがベストな方法です。
そして左側の大問1用のスペースには質問内容と選択肢の内容を書き込んでいく(図1のb1))のが効率的な方法です。見開きで情報を参照できますから。
実際にメモ欄を上で説明したように使うと↓このようになります。
かなりごちゃごちゃですが、他人に見せるためではなく、自分が見てわかればよいのでこれくらいでいいのです。
左側の選択肢のメモは、簡単な問題だったらメモを必ずしも取る必要はありません。
メモを取るときのポイント
1回目の再生では話の流れがざっくりわかるようにメモをとります。この時点ではどの部分の内容が問われるのかわからないので満遍なくメモをとっていきます。
そのうえで、よく問題で問われる以下の点は特に細かくメモを取ってください。
・数字は書き漏らしなく全てメモってやるというくらいの心積もりで
中検準一級リスニング大問1では結構な割合で数字を絡めた設問が設けられています。
問題文に出てくる
年齢、年号、~回、人数、パーセンテージ、比率、時刻、時間、距離、容量、学年…
等等の数字の情報は全てメモに残しておく!、それくらいの心づもりでいて下さい。
とある回の問題では、大会とか試合、コンテストの参加者が第1回は~人、第2回は~人、…と問題文で読み上げられていて、設問では「参加者の延べ人数(累積参加者数)は何人か?」なんていう問題が出ました。
音声の中でなんとなく聞こえた数字と同じ数字だから、という理由で選択肢から選んでしまうと、当然正答は得られません。
しっかりメモに残っている数字を足し算して導き出した数字を選択しなければなりません。
この点、HSK6級のリスニングとは性質がだいぶ違います。HSK6級ではなんとなく聞こえた数字が選択肢にあり、それを選べば正解になることが多いのです。
・細かい範囲指定、条件なども注意して聴く
そしてこれらの数字も単なる数字だけでなく、どの範囲内、どの条件での数字なのか?もしっかり把握できるようメモに残しておかなればなりません。。
たとえば、特定の地域内?中国国内で?アジアで?全世界で?など。
これは、選択肢で「1.世界で最も売り上げが多かった、2.中国で最も売り上げが多かった、3.地域で最も売り上げが多かった・・・」、という風に提示されることが多いので、ただ数字や「過去最高」だけをメモに書いていただけでは質問音声を聞いたときに「え…どれだったっけ…?」と焦ることになってしまいます。
その他コツとして、
・日本語(ひらがな、カタカナ)で書いた方が早い場合は中国語にこだわる必要なし
メモは自分が内容を把握できればいいので、画数の多い漢字よりも日本語(特にひらがな、カタカナ、アルファベットなど)で書いた方が早ければ中国語で忠実に書く必要はありません。
例えば、
漫画→マンガ、卡通、动漫→アニメ、地名(伦敦→ロンドン)だったり、ピンイン発音をカタカナ化してメモに残したり
このようにして、1回目の音声再生でメモ内容をがっちり固め、2回目の音声再生時には質問で問われていた箇所を意識して聴き直して正答を確実に選んでいきます。
また1回目の質問で「この内容は認識があいまいで情報が上手く把握できていなかったなぁ」という部分も把握できているので2回目でその部分を補完するように意識して聴いて、正答の選択に確信が持てるようにしていきます。
大問1のポイントまとめ
・メインのメモを取るスペースは大問2指定欄へ!
・特に数字情報には神経を研ぎ澄まして全てメモに残しておく!
大問2 書き取り問題
お次は大問2。
大問2の概要
最初に2分半~3分ほどの文章が読み上げられ、その後その文章中から5箇所、各40文字くらいの文章が、2文字〜4文字区切りの少しゆっくり目のペースで読み上げられ、その音声を書取り( 听写)していくと言うもの。
大問1でメモスペースをほぼ使い切ってしまった。さてどうしたらいいのか?
答えは、解答用紙に直接書いていく!のが最も良いやり方です。
大問1の解説で「大問2に用意されたメモ欄を額面通り受け取って大問2の解答用に使用すると痛い目に遭う可能性がある」と述べました。
仮に、問題用紙に指定されているように、大問2に用意されたスペースに書き取ったとしましょう。
当然最後に解答用紙に書き写さなければなりません。
書写しに使える時間は、最後にもう一度文章全体が流される大体2分半~3分の時間です。
ここがかなり重要なポイントで、まさに私も受験前になかなかネットからは確認できなかった情報で、HSKの試験などと違って最後のリスニング音声の再生が終わると即リスニング試験の解答が終了となるのです!
これ、わざわざ中国語検定協会に電話して確認した内容の一つなんです。
ここで、みなさんにこの2分半~3分の時間感覚を実感してもらうためにとある実験をやってもらいます。
手元にどの回でもいいので過去問の「リスニング原稿」を用意して下さい。
※過去問の入手方法に関しては以下の投稿をご参照ください
タイマーを3分にセットして、よーいスタートで書取りに使われた5箇所の文を急いで全て書くつもりでメモ用紙などに書き写すことにチャレンジしてみて下さい。
どうでしたか?
すべて書ききることができましたでしょうか?
私は万年筆を使ってチートしても3分で書けたのは3文目まででした。
母語でない中国語で書かなければならず、全ての文字が画数の多い漢字なので当然字を書き写すのに想像以上に時間がかかってしまいます。
本番でこれをやったらどうでしょう?恐ろしいことに、問題(4)、(5)は空欄で0点です。
これを知らずにぶっつけ本番で試験を受けた人なんかは痛い目を見るのです。
しかも、今回は正答文をただそのまま写すだけでしたが、実際の試験では聞き取れない文字も混じり、空白を開けていたり、とりあえず拼音だけ書いておいて後で捻り出して書くなんて箇所もたくさんあるので、「清書方式」ではとてもじゃないけど間に合わず、本来の実力以下の点数になってしまうのです。
大問2の流れとやること
大問2の流れを改めて確認していきましょう。
・文章(2分半~3分)読み上げ1回目
出だしから集中してしっかり聞いておくべし、です。
この時点では書き取り箇所としてどの文が選ばれるかはわかっていません。
しかし、「どうせ書取り箇所に集中すればいいから最初の文章音声は適当に聞き逃しておくか」なんてあぐらをかいていてはいけません。
単語によっては1回聞いただけでは何の単語かわからなかったが、文章全体の意味が掴めてきて「ああ、あの単語のことか」とわかってくることは往々にしてあります。(中国語学習者ならこの感覚わかるはず)
したがって、しっかり脳内で全ての音声を漢字に変換するつもりで集中して聞きましょう。
・書取り部分音声の再生
さて当たり前ですが、大問2の中で最も集中して挑まなければならないパートです。
聞き取りのコツみたいなものは何もありません。とにかく今までどれだけ多くの中国語音声を聞いてきたか、がリスニング力に直結してきます。
また普段から字を書いていないと、簡単な漢字でさえど忘れして本番で泣きを見ることになるので注意してください。1日15~30分程度でもいいので听写を日課にしておくと良いです。
学習方法云々の代わりに、筆記用具の選択については参考になるかもしれません。
力入れずにさらさらと書ける筆記用具を選ぼう~イメージは万年筆
我々受験者のレベルを考えると、1回目の音声再生で一発ですべて聞き取れて、書き下せるという事はめったにない事でしょう。
けれど、先ほど大問2への挑み方としては「1回目の音声から直接解答用紙に書き込んでいくのが最も良いやり方」と述べました。
そうなると、書き下していく途中にどうしても字がわからない空白箇所ができたり、その空白に発音のピンインメモだけ書いてある箇所が残ったり、書いてみたはいいけれど、若干間違ってるかもしれない字が混じったり、はたまた画数の多い字で急いで書いて汚い字が混じっている、なんてことになります。
それでもいいのです、特に一回目音声時の書き下しでは。
ただし、書くときには力(筆圧)をなるべくかけないように書かなくてはなりません。それはなぜかというと、2回目の音声再生時および最後にもう一度全体の文章が再生される3分ほどの時間に書き足したり、消しゴムで消して書き直すことを前提としているからです。
解答用紙は一般のマークシート試験で使われる上質紙のあの厚さですから、あまり筆圧をかけて書いてしまうと消しゴムで消しても跡が強く残ってしまいます。
細い芯のシャープペンシルで強く書いてしまうと、消しゴムで消しても線の溝の中に鉛筆の粉が残って消すのに時間がかかってしまいます。
そこで私が考えたのは、万年筆のように紙に先端を載せただけで字が書ける、それに近い感覚の筆記用具をそろえることでした。
ということで以下の二つの条件で筆記用具を選びました。
- 重みのあるシャープペンシル
- 胴が太目
- 濃い目の太い芯
「細い芯でもワシは書けるわい」という方もいることでしょうから、芯の太さはそこまでこだわらなくてもいいかもしれません。
しかし、軽い力でシャープペンシルをぶらさずに字を書くとなるとある程度重みのあるシャープペンシルの方が良いです。
最終的に選んだのはパイロットのシャープペン-ドクターグリップ 0.9mmで、芯は濃い目のBを選びました。
これがベストというわけではありません。もっと重めのシャープペンシルを探せていたら別の筆記用具を選んでいたかもしれませんし。
今のところ重さNo.1でオススメなのはプラチナ万年筆 シャープペン プロユース171 0.9mmです。普通のシャーペンしか持ったことのない方はその重さに少しびっくりするでしょう。
三菱鉛筆 シャーペン シフト 0.9 製図系、コクヨ 鉛筆シャープTypeMXなどもそこそこずっしりしています。
0.9mmが無いのが個人的には残念ですが、ずっしり感と安定感がしっかりあって筆圧をかけずともさらさら書けるテクトツゥーウェイ0.7mmも触った感じかなり良かったです。
「わたしゃ0.5mmがいいんじゃい」という方は重さ30gのトンボ鉛筆 シャープペン モノグラフ ファインがホールド感も秀逸でオススメです。
このシャープペンシルを使って力を入れずに、迅速に、それでも過度に行書体になりすぎずに書いていきます。
音声再生は2~4文字区切りでゆっくり目のペースで読み上げられるとはいえ、かなり急いで書かないと追いついていけないスピードです。
したがって、上の画像にあるように少し汚い感じの字になってしまうのは仕方ありません。
2回目の音声再生時と最後の文章音声再生時に修正することが前提とはいえ、とてもじゃないですが全部の字を書き直すほどの時間はありません。
私が先月受験したときの書き取りの字はだいたい上の画像に示すクオリティと同じくらいのまま試験終了となりました。(もちろんピンインメモなどは消しました)
7割くらい書き取れていましたが、試験終わったときに「こんな汚い字だったら、下手すると50点配点中4割(20点)くらいにされてしまうかな・・・?」と不安でしたが、33点の得点でしたので、字は汚くてもしっかりと判別でき、その字自体が間違っていなければ減点されないのだな、と分かりました。
おそらく字がきれい、汚いを見られているのではなく、「ちゃんと聞き取れているか?」を問う問題なんだからでしょう。
もちろん、なるべく字体は整っていた方がいいので、字の線の本数とかおかしいところは修正していきます。
その時使ったトンボ鉛筆のマークシート用消しゴム MONO zeroは本来はマークシート欄修正用の消しゴムですが、書き取り問題の漢字の細かい個所の微妙な修正をするときにも役に立ちました。
普通の長方形消しゴムと併せて持っておくと良いです。
・最後の文章再生2分半~3分は望みを捨てずに書き取り該当部分を全集中して聴く!
5個の文章の書き取り音声再生パートが終わり、残された時間はこの2度目の文の再生が終わるまでの3分ほどの時間。
繰り返しになりますが文章再生が終わると同時に即リスニング試験終了となり筆記用具を置くように指示されます。
この3分でやることは想像できると思いますが、
- 修正箇所の修正、空白箇所の字をなんとか思い出して書く
- 特に、書き取り該当部分の文に差し掛かったら集中して聴く(改めて文全体を音声で聞くと字を思い出せるときもある)
- 最後に余計なピンインメモなどを消す。
となります。
・どうしても書けない部分の処理はどうする?
文章の中で単語がわからなかったり、ピンインを聞き間違えてどうしても字が思い浮かんでこず、空白の個所が残ってしまうのは避けられません。
ではその個所はどうするのがいいのか?
私もこの点についてはまだわかっていません。中国語検定協会も記述式の採点基準は非公開にしているので、電話で問い合わせたところで教えてはくれません。
では私の場合はどうだったか?
私の解答のうち、数か所ピンインが同じ(同音異語)だけれども明らかに不正解な文字を無理やり書き込んだ個所もあれば、どうしてもお手上げで空白のままにした個所も何か所かありました。
採点結果をみると、先ほども述べましたが、聞き取れて書けている部分には点数が与えられているようだったので、おそらく無理に当てずっぽうで漢字を埋めなくても、空白のままにしているのとあまり減点部分に差は無いのではないか、と思いました。
これはあくまでも個人的な感想なので参考までに。
事前の試験勉強に使った教材など
繰り返しになりますが、リスニング力は一朝一夕で身につくものではないので、「この教材を使えば必ず大幅に得点力がアップする!」というものは存在しません。
これから紹介する教材等はあくまでも試験慣れさせる、または日々ほんの少しずつ語彙力を増やしていくのに役立つといった程度のものととらえて下さい。
過去問に関してだけはこなせばこなすほど解き方に慣れてきて得点アップにつながるので、再度掲載しますが、以下の記事を参考に事前に沢山過去問を保存しておいてください。
そしてできるだけ多くの過去問を解いてください。
上記の記事でも紹介していますが、過去問を買うなら白帝社の過去問がおススメです。
記載されている音声ダウンロードリンクから音声をダウンロードでき、またURLを変えるとその他の年の音声もダウンロードできます。
合格奪取! 中国語検定 準1級・1級 トレーニングブック
ド定番のトレーニングブックシリーズ。
中検準一級受験を検討し始め、教材を探してみて気づくことは、とにかく準一級向けに作られた参考書が少ないという事。
難易度が高く、受験者数が少ないのでそれも仕方ないですね。
そんな中でこのトレーニングブックは中検準一級、一級向けと明確に銘打った貴重な問題集となっています。
リスニングの問題形式は本番と違っています。本番は選択問題と、書き取り問題とで使う文章は異なっていますが、この本では選択問題と書き取り問題で一つの文を共同利用しています。
ページ数の関係上こうなるのだと思いますが、一度過去問をやって正規の試験フォーマットを把握したうえでこなすなら特に問題はありません。
自分の実力のベンチマークに使うのも良いです。試験の解き方を覚えたうえで安定してこの本の問題で7割以上得点できているのであれば、中検準一級挑戦レベルとしては十分と考えられます。
雑誌「聴く中国語」
中国語学習教材として非常にコスパの良い雑誌です。
特に巻頭特集の「中国大接近」に出てくる文章は中国語準一級レベルにちょうどいい難度です。
オンラインレッスン「CCレッスン」
オンライン中国語レッスン【CCレッスン】 は、2021年6月から始めてもうすぐ3年になろうとしています。
レッスンでは日本語一切禁止で継続してやってきました。
また、フリートークは楽しいですが、自分の知っている単語でしか会話しなくなり、語彙を増やすのにはあまり役に立たなくなることもあるのでフリートークは疲れている時だけにしました。
基本は少し難しめのテキストを使用して日々語彙量を増やすよう努めました。
予習復習ではテキスト音声は一文字残らず完全に聞き取れるように聞くようにもして、つっかえることなく音読もできるようにするなど日々地味な作業を続けていました。
こうした日々の細かな作業の繰り返しでしかリスニング力って上がっていかないんですよねぇ。
おわりに
この投稿では主に試験問題の具体的な解き方、コツを中心に紹介してきました。
もちろん、中検準一級に受かるためにはまずは語彙力を身に付けることが、このコツを活かすための前提ではあります。
そのうえで、せっかく日々コツコツ努力して学習してきた方々が、テクニカルな面で点を稼げないというのは本当にもったいないです。
中検準一級とHSK6級の過去問両方解いてみたことがある、という方は少なくないと思われます。
以下の特徴にうなづく方も多い事でしょう。
問題を解いた後の疲労度 HSK6級 > 中検準一級
難易度 中検準一級 > HSK6級
HSK6級試験の問題は量が多いのです。リスニング(听力)試験では音声が繰り返し流れることがないので、リスニングの試験時間中は息つく暇もなく、集中力を切らすことができません。
また、読解問題も分量が多く、急いでバンバン解いていかなければなりません。
そして最後の作文は10分間で1000文字ほどの文章を集中して読んで要点を暗記し(メモ禁止)、35分間で400文字の要約文を書くというもの。
とにかく問題に挑んでいる間かなりの集中力を必要とし、解いた後も復習にかなり時間がかかってしまいます。
ですので、気軽に「さてHSK6級の過去問でもやるか」という気になれず、休みの土曜の午前中とか気合を入れ、覚悟を決めて問題を解かなければなりません。
それに比べ、要求される語彙力という点で難易度がHSK6級に比べ格段に上がる中検準一級ですが、問題を解いた後の疲労感はHSK6級ほどひどくはありません。
何が言いたいかというと、過去問をとにかく気軽にこなしまくりましょうという事なのです。
この記事でも関連記事を紹介していますが、過去問は中国語検定協会のWEBサイトから保存できますので、音声ファイルを手に入れてバンバン解きましょう、という事なのです。
過去問は初めの1、2回は勝手がわからなくてかなり低めの点数しか取れません。絶望するかもしれません。
私も過去問に初挑戦したときはリスニング、筆記パートともに30点以下の点数で、「ああ、これはムリかもしれない‥」と絶望しかけました。
しかし、メモの取り方のコツを覚えてきたら「あれ?これ意外と8割くらい取れるかもしれない」と急に自信が湧いてきたのです。
皆さんも今回紹介した注意ポイントを意識して過去問を解いてみて下さい。
私の言っていることが嘘ではないことがわかると思います。3回目あたりから各段に点数がアップし始めるはずです。
今回シェアした内容がすこしでも皆さんのお役に立てたらいいなと思います。