中国語学習コミュニティサイト「Cchatty」の教材プレビュー機能
教材プレビューが中国語教材購入の際に超お役立ち
“中国語テキスト難民”となる中級レベル学習者
中国語を学んでいる皆さんの中には、中級レベルに達し、そろそろ会話のレベルを上げたいな、独学やオンラインレッスンで使用するのに何かいい教材はないかな?でも日本で出している教材の中にはネイティブのリアルな会話素材が十分でなかったり、そもそも会話ダイアログが豊富な教材自体が少ないんだよな、と感じている方もたくさんいることでしょう。
中級レベルの方は、中国の出版社、例えば北京大学出版社や北京语言大学出版社の中上級レベル教材を選択肢として検討し始める頃でしょう。
北京语言大学出版社で有名な教材と言えば汉语口语速成シリーズ。各中国語教室でも使用されているのでご存じの方も多いでしょう。
ちなみに漢語口語速成 中級編をアマゾンでチェックしてみたら、表紙画像とテキストのサイズを示した画像の2点の画像しかなかった。これでは中身の確認のしようがないですね。
そのままシリーズの上級レベルまで続けて学ぶのも問題ありません。ただ、中級レベルになってくると、そろそろビジネス寄りのトピックの会話力を増やしたいんだよな、とか、観光関連に絞り込んで語彙力、会話力を高めたいとか自分の学びたい分野が枝分かれする段階とも言えます。
せっかくお金を払って新しくテキストを購入するのにも近隣に中国関連の書籍を売っている専門店が無ければ、現物の中身を確認することができず、Amazonなどで口コミを参考にするか、最悪表紙の画像だけ見て内容を想像し”ジャケ買い”をすることになり、ハズレを引くことだってあります。
そこでそんなお悩みを持つ方の一助になるような中国語学習コミュニティサイト「Cchatty」を紹介いたします。
Cchattyの教材プレビューページ「courseware home page」
このサイトのメインの機能は本来コミュニティ機能ですが、日本人学習者にとって最も役に立ちそうな教材プレビューのページについてまずは紹介いたします。
※コミュニティ機能部分については、「Cchatty」のメインターゲットが英語圏の中国語学習者なので、おいおい追記にて紹介していきます。
教材プレビューは以下のページから利用することができます。プレビューだけならアカウント登録しなくても確認することができます。
https://www.cchatty.com/courseware
※2023.6追記 最近上部メニューの「PDF」ページリンクが復活し、coursewareのページへこのリンクから進めるようになりました。しかし時々このメニューがなくなったりするので上記のリンクも残しておきます。
「courseware home page」を訪れると、上の画像のようなページが現れます。
各ブロック画像で示されているページにはそれぞれのカテゴリごとの教材があり、例えば上の画像の「HSK~test paper」のページにはHSKの各級の過去問がシェアされています。
ページを下にスクロールしていけばわかると思いますが、実に無数の教材のプレビューが確認できるようになっています。
例えば、汉语口语速成の教材ページを開くと、
このようにいろいろなレベルのテキストのプレビューページが一覧となっています。
ではこの「プレビュー」とは何ぞやについて、私が実際に紙のテキストブックを購入した、尔雅中文 高级商务汉语阅读教程 (上)で、例を紹介しましょう。
尔雅中文 高级商务汉语阅读教程 (上)のプレビュー
「Erya Chinese」シリーズのページがあったので(画像左上のリンク先)、そちらをクリック。
すると尔雅中文のシリーズのテキスト一覧が表示されたので、購入を検討している高级汉语商务会话教程(上)をクリック。
表紙を含め、大体7ページくらいが表示されます。
使用されている生词(新出単語)をチェックして、大体どれくらいのレベルの語彙のテキストなのかをチェック。
テキストの会話ダイアログも見て、レベルをチェック。
ページをスクロールしていくと「More」というボタンがあるので、「More」をクリックすればさらに数ページ表示される。
どのテキストも、最初から~30ページ前後位までプレビューが確認できるようになっています。
私はこれらを吟味し、高级汉语商务会话教程(上)をアマゾンで購入するに至りました。
いかがでしょうか?これだけのページ数のプレビューを確認できるようであれば、内容とレベルを十分吟味することができ、テキストの選定購入時に失敗することもなくなるでしょう。
PDF、音声ファイルのダウンロードもできる
さて、お気づきになった方も多いと思いますが、先ほどのテキストプレビューページでは、下までスクロールすると☆マーク、↓マーク、♪マークのアイコンが並んでいます。
※PDFのダウンロードはくれぐれも後述するように著作権法を侵害しない範囲内で行いましょう。
教材をダウンロードするにはアカウント登録と、Cchatty内で使えるポイントが必要となります。
これらのマークはそれぞれ、
- ☆:お気に入りチェック
- ↓:PDFファイルのダウンロード
- ♪:音声ファイルのダウンロード(音声ファイルが無いものもある)
を意味しています。
ダウンロードボタンをクリックすると、
中国、アメリカ、アジアのサーバーが表示され、このうちどれからダウンロードするかを選択し、クリック(どれを選択しても特に違いなし)
上の画像のように、「ダウンロードには5ポイント必要だけど、いいかい?」といったダイアログが表示されます。
消費ポイントは教材によって異なります。5ポイントでダウンロードできるものもあれば、20~30ポイントの教材もあります。
※サイトの変更がありダウンロードは1日に3ファイルまでとなりました。
Cchattyのポイントとは?
Cchattyは積極的に利用しているユーザーにはポイントが多く付与されるようになっています。
まず、アカウント登録時に50ポイントが付与されます。(私が登録した当初はポイントが付与されましたが、現在は不明です。スパムアカウントの乱造を防ぐためにポイントが付与されなくなった可能性があります。)
そして、私も未だによくわかっていないのですが日々ログインすることで5~30ポイント付与されるらしいのですが、私の場合は最近毎日のように30ポイント付与されていて、仕組みがいまいちわかっていません。
あと、他のユーザーの投稿に対してコメントして積極的にかかわることで、ポイントが付与される仕組みにもなっているようです。
以下はサイトに明記されているポイント付与の決まりです。
How to get points:
https://www.cchatty.com/help/finance/points
- Valid posts or replies in the community (quality over quantity, refer to community points);
- Buy CSP for an additional 3 times of points (for students), eg, spend 10 USD, get 10 CSP and 30 Points;
- 1 CSP (balance) for 3 Points. Eg, spend 10 USD and get 10 CSP and 30 Points (Rule 2), furthermore, you may exchange the 10 CSP for another 30 Points (Rule 3). That means spending 10 USD gets 60 points;
- Post high-quality courses/lessons (only for teachers);
- Upload and approved pdf; get an instant of 30 Points, and get all Points that other users spend, eg, upload X books that have a total of 80 points spent by others, you will get 80 Points;
- Daily login, 5-30 points rewarded (within 24 hours), and double on some special days;
- Good suggestions and feedback to Cchatty, 5-50 points awarded;
- No points for a new account (to block those spam accounts);
ポイントの取得方法;
1.コミュニティでの有効な投稿や返信(量より質、コミュニティポイントを参照)。
2.CSPを購入すると、ポイントが3倍になります(学生の場合)。例えば、10 USDを購入すると、10 CSPと30 Pointがもらえます。
3.1CSP(残高)で3ポイント。例:10USDで10CSPと30ポイント(ルール2)、さらに10CSPを30ポイントに交換できる(ルール3)。つまり、10米ドルを使うと60ポイントになります。
4.質の高いコースやレッスンを投稿する(先生のみ)。
5.pdfをアップロードして承認されると、即座に30ポイントを獲得し、他のユーザーが使用したすべてのポイントを獲得することができます。
6.毎日ログインすると、5-30ポイント(24時間以内)、およびいくつかの特別な日に2倍の報酬を得る。
7.Cchattyへの良い提案やフィードバック、5-50ポイント進呈。
8.新しいアカウントはポイントなし(スパムアカウントをブロックするため)。(www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。)
ちなみに、ポイントが付与されるのを待つのがじれったい人は米ドルでポイントを購入できるようになっています。
自分の保有しているポイントはサイト右上の「CC」と書いてあるアイコンのプルダウンメニューから「My Wallet」のページを開くと確認できます。
下の画像は私のWalletです。ほとんど教材をダウンロードしておらず、ブラウザの設定でログインしたままの設定にしてあるので日々ポイントがたまっていってます。
音声が付属していない場合は「喜馬拉雅(Ximalaya、シマラヤ)」で探す
喜马拉雅という音声共有サイトはご存じでしょうか?
この喜马拉雅には中国出版社の中国語教材のテキスト音声が割と多く共有されています。どうしても音声ファイルが見つからない場合は喜马拉雅の音声も活用しましょう。
例として、高级汉语口语1の音声リンクを下に貼っておきます。
ダウンロードの際には著作権に注意が必要
このように、ポイントを使って教材をダウンロードできるようになっていますが、
自身で保有していないテキストのPDFはダウンロードしない
を順守してください。著作権法に抵触する恐れがあります。
下記の記事で書籍の電子化と利用について、弁護士の方の見解が述べられています。
書籍の電子化、「自炊」「スキャン代行」は法的にOK? ~福井弁護士に聞く著作権Q&A – INTERNET Watch Watch
Cchattyで教材のプレビューを参考に、実際に教材を購入し、そのうえでその教材のPDFをダウンロードして活用するのであれば、私的使用のための複製の範囲内と解釈してもよいでしょう。
一部の教材についてはCchattyで作成したオリジナルのもの(Power Pointで作成したようなもの)もありますので、それらについては自由にダウンロードしても問題ないでしょう。
中国語書籍の聖地「東方書店」「内山書店」
Cchattyで教材のプレビューを確認できるとはいえ、「やはり書店で現物を見たい!」という方もいることでしょう。
以下で紹介する書店は東京都心近郊に在住、通学、通勤している方限定になります。東京の神保町には、一般の本屋にはめったに置いていないような中国語の書籍が集められた、中国語学習者の為の中国語書籍の聖地と言っても過言ではない2店の書店があるのです。
東方書店は店に入って2階の真ん中の書棚のあたりに、内山書店は1階中央の書棚の並びに、中国出版社の教材がたくさん並べられています。
ただし、すべてのテキストが中身を確認できるわけではなく、モノによってはビニールカバーで包装されていて中身が確認できないものもあります・・・。
なんだかんだで「Cchaty」のプレビュー機能にやはり頼る事にはなりますね。
ちなみに、中国の若者の中で一番有名な日本人と言われている山下智博さんと中国人YouTuberむいむいさんが先日下記の動画で東方書店と内山書店を紹介していました。
中国語学習コミュニティサイト「Cchatty」の基本機能
まずはサインアップ
もし積極的にCchattyを利用してみたいというのであれば、とにもかくにもまずはサインアップですね。
でも、最初に述べた教材プレビュー機能や後述する様々な機能はサインアップしなくても利用できるので無理に登録する必要はないです。
Webサイトのヘッダー部分の右端「Sign Up」をクリック。すると以下のような入力フォームがポップアップします。
あとはGoogleかFacebookアカウントで登録してもいいですし、メールアドレスで登録してもどちらでもOK。
中国語学習に活用できる様々な機能
Cchattyのメインとなるコミュニティ機能はとりあえず置いておいて、まずはそのほかの中国語学習に役立つツールについて紹介していきます。
まずはヘッダーメニューの「Tools」に備えられているいくつかの機能を抜粋して紹介。
Tones Input ピンインアルファベットテキスト入力機能
typing Chinese Pinyin tones – cchatty
こちらの機能はピンインアルファベット(ピンイン字母)のテキストデータを入力できる機能です。
先日投稿した記事で、私個人はピンインアルファベットをあまり使わず、Windows IMEのユーザー辞書に変換リストを登録して、ピンインアルファベットを入力していると述べました。
Webのピンインアルファベット入力ツールとエディタとの間を入力している時に行ったり来たりするのが面倒だ、とも述べました。
しかし、このCchattyのTones Inputツールは、かなり使い勝手のいい入力ツールでしたので、入力したいピンインアルファベットの文字数が多い場合などにはIME登録の変換候補を使うより、かなり便利です。
IME登録を利用して「hǎo」と入力する場合、まず日本語入力モードで「ha3」と入力してからスペースを1,2回ほど押して、「hǎ」を表示させて選択、次に「o」を入力する、という手順になります。
それに対して、CchattyのTones Inputツールは半角英数モードで「hao3」と入力すると入力するやいなや、即座に、勝手に「hǎo」と変換してくれるのです。めっちゃめちゃ快適です。
また、他のWebサイトのピンインアルファベット入力ツールと同様、下部のピンイン字母をクリックして入力することもできます。
どんとこい中国語でもピンインアルファベット入力ツールを公開してくださっていますが、そのツールの2倍くらい早くピンインアルファベットを入力できるので、例えば中国語教育分野の方などは、CchattyのTones Inputツールを重宝すること間違いなしでしょう。
Sentences Library 例文表示
Chinese sentence library – cchatty
次に紹介するのは指定の単語が含まれた例文を表示してくるツール、Senteces Library。(どうでもいいのですが、上部メニューでは「Senteces Library」となっているのに、ページ上の表記では「Tools > chinese-sentences」となっていて紛らわしい)
入力フォーム内に例えば、「北京」「我」「旅游」の三つの語を含んだ例文を参照したい時に、入力フォーム内にそれぞれの単語をスペースで区切って入力してSearchをクリックすればピンイン、英訳付きの例文が検索結果として返ってくるツールです。
まだそれほど使っていないので、入力ワード数が5,6個だったら検索ヒットするのかどうかとか確認していませんが、例えば成语の用法とかを確認するのには役立ちそうです。
Chinese Reading ピンイン振り仮名付記
この機能は特段目新しいものではないです。入力フォームに中国語の文章を入れると、ピンインを付記した文章として右側に表示してくれるものです。
強いて他のピンイン付記Webツールと差別化するならば、英語の自動翻訳文も併記することができる機能が備えられているところです。
Pinyin Chart ピンインチャート 中国語初学者に超オススメ!
Chinese Pinyin Chart with audio – cchatty
このチャートは中国語初学者に超オススメです!
ご覧のようによくあるピンインチャートなのですが、それぞれのピンインをクリックするとそのピンインを使った漢字が表示され、かつ発音音声が流れます。
初学者の頃って一部のピンインの発音を忘れがちですよね?このピンインチャート表があれば即発音を確認できます。
Copybook Generator 漢字練習帳
Chinese copybook generator – cchatty
この機能は漢字練習帳を生成できるというものです。非漢字圏の外国人、または中国語を習い始めのお子さん、さらに中国語教育に携わる方が重宝する機能でしょう。
入力フォームに、書き取り練習をしたい漢字を入力し、「Generator Copybook」をクリックすると上の画面のような漢字練習帳が出来上がります。
プリントして使いたいなら「Print PDF」をクリック。
注意しなければならないのは、注意書きのところに”you need check [Background graphics] in [Options] in [More settings].”とあるように、印刷の際にプリンターのプロパティで「背景を印刷する」設定にしないと、枠が印刷されません。
入力フォームに入力する文字は単語になっている必要はなく、ランダムに入力してもOK。文字もかなり多く入力しても大丈夫です。
HSK Outline(2021)
HSK Outline 2021, (国际中文教育中文水平等级标准)
このページはHSKの各級ごとに指定されている単語や文法の一覧が確認できるページです。
文法(Grammmar)の項目をチェックしてみたら、HSK指定の文法用法が一覧項目化されていて、文法の復習のチェックリストなどに使えそうだと思いました。
現時点では2021に制定されたアウトラインなので、改定されるとまた内容が更新されるでしょう。
Flash Card フラッシュカード作成
フラッシュカード作成機能です。一単語ごとに改行して入力し、単語ごとにピンインと英語の意味が記載されたフラッシュカードを作成してくれる。
Text to Audio テキスト読み上げ機能
Chinese text to audio converter – cchatty
Text to Audioは読んで字の如く、入力した中国語センテンスを読み上げてくれる機能。読み上げ音声は速度を3段階から選んで再生できますし、ダウンロードもできます。
結構自然な読み上げ音声でした。
ちょっと残念なのは一度再生するとページを閉じないと音声を止められないところ。再生停止ボタン欲しい・・・。
Chinese Input 単語候補表示
Input Chinese online – cchatty
Chinese Inputは英単語を入力していくと前方一致する中国語の候補を表示してくれたり、ピンインの入力(声調は不要でアルファベットだけ)でも同様に合致する候補の単語が前方一致で表示されます。
HSK Analysis 文章中のHSK級別単語分析
文章を入力フォームに入力し、その分の中に含まれている単語がHSKの何級の単語か分析して表示してくれる機能。
うーん、私はあまり興味ない機能ですね。ちなみに今後HSKは1~9級へと改定されるのですが、9級までの分類に対応していますね。
Stroke Order 書き順表示機能
入力した漢字の書き順が表示され、また右下には書き順のアニメーションが表示されます。
Chinese to English 英語翻訳機能
中国語の文章を英語に翻訳してくれる機能。
ありがちな機能ではあるのですが、訳文をよく見てみると割と自然な英語文になっています。意外と使えるかもしれません。
PinyinとChineseをオンにすると、ピンインと元の中国語文が併記されます。
先に紹介したChinese Readingにもピンインが付記される機能がありましたが、そちらがフリガナ状に付記されるのに対し、こちらの機能はピンインのみの文章が生成されます。
このピンインの羅列、音読トレーニング教材『中国語筋トレ100読練習法』を連想させませんか?
中国語ニュースサイトの文章を貼り付けて音読教材を作る、といった活用ができそうです。