ギリギリ合格した中国語検定準一級
この記事を書いている時点ではすでにだいぶ時間が経ってしまっていますが、5ヶ月程前の2025年1月に中国語検定準一級に晴れて合格しましたので、私が中国語検定準一級の主に筆記パートに向けてやったことについてまとめます。

あ、そういえば2025年6月22日(日)は第115回中国語検定の日でしたか。もう少し早めにこの記事も仕上げられたら良かったのですが。
私は中検準1級の鬼門とも言える一次の筆記試験にて得点調整によってギリギリの、文字通りボーダーラインで合格したレベルでした。(2次試験は9割以上の受験者が受かります)

したがって、これから中国語検定準1級を受験される方にとって私の中国語レベルは合格ボーダーラインを把握する上で参考になるのではないかと思えます。
「恥ずかしながらギリギリで受かりました」という話なので本当はあまり大っぴらにしたくはないのですけど、「なんだこんなモンでも受かるのか」と思ってもらえる人が一人でも増えたら幸いです(面と向かってこんなこと言われたらもちろん腹立ちますけどね(笑))
そしてちなみにですが、私の場合中国留学経験も在住経験もなく、仕事でも一切中国語と関係のない業務を行っていました。
純粋に日本国内においてのみの学習によってゼロから会得した中国語であります。学生の時の第二外国語でも中国語は選択したこともありません。
また右サイドバー上部(PCで閲覧時)のプロフィールを見ていただくとわかると思いますが、若いころはガチのアスリート、それも脳にあまりよろしくない影響を与えるボクシングをやっていました。
仕事以外の時間は結構強度の高いトレーニングにその大半を費やしていて、いわゆる「脳筋」生活でした。割と年齢を重ねてから語学を開始したタイプの人間です。
こんな私が中検準一級に合格した時点での学習歴と、おもに筆記試験の対策としてやったこと、使っていた問題集や参考書などについて本記事では紹介していきます。
旧出題形式中心の内容となりますが、リスニングパートの対策の詳細は以前の記事であらかた述べていますので下記の関連記事をご参照ください。

中国語検定準1級に合格するまでの学習歴
中検準1級合格時点の中国語学習歴は約6年半
これまで受験した中国語の検定試験受験歴に関しては、ブログのサイドバー部分にあるプロフィール欄に記している通りです。(合格するまでに結構時間かかりました・・・2025年6月現在中国語学習歴約7年)
ざっくりまとめると、
2018年6月 中国語学習開始 週一で中国語教室(一回40分)に通ってみる
↓
2021年06月01日 【CCレッスン】
開始(1日1回25分、最初は週7回、後に週5回へ)
↓
2022年12月 HSK6級240点(4年半経過)
↓
2024年3月 中検準一級1回目受験、一次試験不合格
↓
2024年11月 中検準一級2回目受験、一次試験合格
↓
2025年1月 二次試験に通り、中検準一級合格(6年半経過)
平時のルーティーン学習
試験を控えていないときの私の毎日の中国語学習は大体以下のようになります。
・週3回ほどのランニング中に中国語音声を聞く(1回5~10kmほど、25分~50分くらい)
・週5回、1回あたり25分【CCレッスン】 にて中国人講師相手にオンラインレッスン(2025年5月終わって現在ちょうど通算1001回突破(合計417.1時間))
・その他たまに中国のドラマを観たり、中国人や台湾人のYoutubeを観たり
中国語オンラインレッスンはフリートークを5~10分、残りをテキストなどを使って行っています。毎回テキストの予習に30分~1時間、復習に10分くらいかけています。

中国語検定準1級合格時点での中国語学習に費やした総学習時間は記録を取っていないので定かではないので正確には分かりません。ざっくりした感覚だと、1日平均2時間くらいは勉強していたと思います。
全く勉強をやらずサボった日も結構ありますし、試験前にかなり頑張って勉強した日も当然ありますが、均してみると大体1日2時間くらいです。
この勉強時間の中には歩いている時やランニング中などに音声を聴いて勉強している時間など、いわゆる「ながら学習時間」も含めています。(「二毛作時間」なんて呼び方もありますね)
ざっと計算すると6.5年×365日×2時間=計4745時間、で約5000時間となります。結構時間かかりました(汗)
中国語検定準1級合格に必要な勉強時間をネットで検索すると2000〜3000時間なんて書かれている情報が多いですが、この勉強時間はどれだけの人数のどのような学習者たちのサンプル調査から導いた数字なのか知りたいところです。
留学経験や中国在住経験があって日常的に中国語に触れる環境にあり、それとは別で勉強時間として2000時間を計上する、というのであれば2000時間で十分合格するとは思います。
或いは勉強熱心な学生さんですと、間が開くことがなく学習を継続でき学習効果も高まりますのでより短い期間で中国語力を高められるでしょう。
仕事の都合で全く勉強をできないなんて日などもあまり無いでしょうから。
ネットにはびこる勉強時間のガセ情報
話が少しそれますが、「中検1級に合格するのには3000〜3500時間の勉強時間が必要」と書いているブログもありました。え?準1級ではなく「1級」ですよ。
本当ですか?と。そしてそのブログにはHSK6級に受かるための必要勉強時間が「5000時間」などと、とんちんかんなことも書いてありました。
ああこのブログ、ライターさんに適当に丸投げして中国語の勉強したことない人、中国語検定を受験したことがない人が書いているのだろうなと思いました。
なぜHSK6級合格に必要な勉強時間が中検1級合格に必要な勉強時間より長いのですか、と(笑)。HSK6級のほうが明らかに難易度は低いのに。

私の個人的な感覚だと、中検準1級に受かったばかりの私が仮に中検1級を目指すとしたら、超本気で勉強して最低あと10年くらい必要だと思っています。
そのくらい中国語検定1級は「激ムズ」なんです。
少し前、20年かけて中検1級に受かった方のnoteが中国語学習者クラスタの間で話題になっていました。以下のnoteの記事を書かれた方の事です。

1回目の中国語検定準1級受験時の中国語レベルと試験対策
話を元に戻します。
中国語検定準1級試験問題パートごとの出題内容の整理
中国語検定準1級の試験の勉強について語る前に、中国語検定準1級筆記試験の各パートの内容についてざっくりと整理します。
大問1
長文中の空欄補充四択問題8問、指定の単語のピンインの四択解答問題1問、本文内容との合致内容四択問題1問。
このパートは結局のところ8割が語彙力を問う問題。語彙力を鍛えることで得点を増やせるパート。
大問2
一文中の空欄補充問題。標準的な2文字の単語四択が大体8~9割で、残りが成語や慣用句1~2割。
全て語彙力を問う問題です。
大問3
文の下線部の説明として適切なものを四択から選ぶ問題。
こちらもすべて語彙力を問う問題。ほとんどが慣用句、成語の説明について。
大問4
中国語文中の2か所の下線部を日本語に訳す問題。
大問5
2つの日本語文を中国語に訳す問題。
以上を見返すと「語彙力」がキーとなることがお判りでしょう。
大問1~3は結局ほとんどが語彙力を問われるパートになっているのだと。これらに割り当てられている問題数から換算すると、100点中50点が"語彙力を問う"四択問題と言えます。
大問4、5にしたって結局語彙力が無ければどうにもなりません。
1回目の中国語検定準1級(2024年3月24日受験⦅第111回⦆)時点の私の中国語レベルと学習内容
以下は1回目の中国語検定準1級の一次試験の試験結果となります。

御覧の通りこの時点ではリスニングに関してはまぁまぁ太刀打ちできるが、いかんせん筆記のパートで語彙力が欠如しているので得点できていない結果となりました。
1回目の中国語検定準1級受験に向けて大体何カ月前に勉強を始めたかはあまりはっきりしていないです。
試験対策勉強の始めの一歩の定石、「まずは過去問を解く」をとりあえず最初にやってみましたが、たぶん試験日の2ヵ月くらい前に初めて過去問を解いたような気が。
この時の受験動機は実はあまりよろしくなかったのです。合格は実力的にはこの回は多分無理だろうと決めつけていて、「予行演習で受けてみよう」というノリでした。
のちに試験結果の点数を見て、ああ、もっと気合を入れて取り組んでいたら一発合格も不可能ではなかったのに、と後悔しましたが…。
第111回の合格率は19.20%で標準的な難易度の回でそれほど難しいわけではなく、筆記パートであと10点得点することは頑張れば決して不可能ではなかったのです。
※合格率のデータ比較に関してはこちらの記事をご参照ください

この時の私の筆記の得点は大問1が12/20、大問2が12/20、大問3が4/16(←これヒドい…)で、これらの大問1~3は上述した通りほぼ全て語彙力が問われる選択問題パートですから、ボキャブラリーを増やす勉強を時間をかけてやりさえすれば確実に点数が上がるパートなのです。
後悔先に立たず、後になって嘆いても結果は変わりません。やはり「予行演習」のつもりで試験に臨み事前対策の勉強に甘えが出てしまったのが結果として表れてしまいました。
1回目の中国語検定準1級試験に向けてやったこと
それで、結局のところ1回目の受験の時に対策としてやったことは何か。
過去問演習、アスク出版の「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編/リスニング問題編」が中心で、その他はほとんど手を付けられずじまいでした。
単語帳の類はほとんどやれず。語彙力向上にもっと注力すべきだったのですが、過去問を何回か解いてみてまぁいっかとお茶を濁していました。

過去問は中国語検定準1級の受験をするかなり前の段階で、中国語検定協会のサイトからPDFをダウンロードして保存しておいたので過去にさかのぼって結構な回数分を保有しています。
過去問のPDFについては下記の関連記事をご参照ください。過去問音声を低コストで揃える方法なども紹介しています。

1回目の受験に向けこの当時やった過去問の結果で手元に残っているデータをまとめると以下のようになります。
実施日 | 試験回 | リスニング | 筆記 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1(50点) | 2(50点) | 1(20点) | 2(20点) | 3(16点) | 4(20点) | |||
第110回 | 6/10(30) | 35/50 | 初過去問 | |||||
第109回 | 9/10(45) | 20/50 | 5/10(10) | 4/10(8) | 8/8(16) | 0/2 | ||
第108回 | 9/10(45) | 35/50 | 6/10(12) | 8/10(16) | 5/8(10) | 1/2 | ||
第107回 | 作文だけ | |||||||
第106回 | 6/10(30) | 25/50 | 4/10(8) | 8/10(16) | 6/8(12) | 0/2 | ||
第105回 | 採点せず | |||||||
第104回 | 8/10(16) | 5/10(10) | 6/8(12) | |||||
第103回 | 10/10(50) | 30/50 | 5/10(10) | 6/10(12) | 5/8(10) | 1/2 | ||
第102回 | 10/10(50) | 35/50 | 6/10(12) | 6/10(12) | 6/8(12) | 0/2 | ||
第101回 | 8/10(40) | 25/50 | 7/10(14) | 4/10(8) | 5/8(10) | 2/2 |
各分数の数字は正答割合を表していて、カッコ内は得点換算したものです。
本当はこれらに加えさらに数回分解いていましたが、解答をコピー用紙の裏紙にぐちゃぐちゃと書いたものだったので廃棄してしまっていました。ところどころ抜けていたりするのも廃棄したのが理由です。
リスニングのパート2の書き取り(听写)問題に関しては採点基準がわかっていないのでざっくりと文全体の中でどれくらい書けているかで自己採点しただけなので参考程度に。
同様に筆記の日本語訳、作文パート(パート4、5)は採点不能なので得点を記していません。パート4のピンインから漢字を書かせる2問の問題だけ記録しています。※パート4のこの問題は第114回からは無くなっています。
リスニングパートの過去問演習結果について
ざっと得点の結果を見てみると、リスニングの大問1のマークシート解答部分は第106回を除き概ね合格ライン近辺にありました。
先ほど紹介した関連記事の中検の一次試験データを改めて見てみると第106回のリスニングの平均点は58.1点で、他の回に比べ難易度が高いようでした。
この時の私の実力は、難易度の低い回に関しては大問1のマークシート式の選択問題は概ね及第点、しかし少し難易度が高くなると途端に正答率が低くなり、合格基準に届かないというレベルでした。
書き取り問題(听写)に関しても難易度の高い回は結局のところ語彙力が無さ過ぎて、たとえ音声のピンインを聞き分けられたとしても全く漢字(単語)が浮かんでこない状態で話になりませんでした。※書き取り問題も第114回以降無くなりました。
というわけで、HSK6級のリスニングの「何となく言っていることがわかれば解ける」問題とは違って、中国語検定準1級では1語1語割としっかり聴きとれていないと解けない問題も多く、結局のところ語彙力が超重要、これに尽きるのでした。
筆記パートの過去問演習結果について
先ほど過去問とトレーニングブックぐらいしかやれなかった、と述べました。
私の過去問演習結果を見てみると、やはり語彙力が無いため大問1、2は全般的に正答率が低く、五~六割の得点ばかり。
慣用句や成語の意味を問うパート3は1回だけ結構得点できている回がありますが、他はほとんどできていない。
慣用句や成語って割と過去に見たことあるな、とか「これ日本語の四字熟語のアレじゃね?」のように字面からなんとなく意味が予想できるなという、「相性のいい語」が結構ありますよね?
これらの語が多く出ている回は選択問題の場合正答できることが結構あったりするんです。
だからこんな風に得点のばらつきが出ていたのです。
ただしそのような中途半端な語彙力では難易度が高い回の場合、当然太刀打ちできるわけもないので、やはり慣用句、四字熟語、成語に関しては専用の本を、できれば初学者向けと上級向けの2冊をしっかりやり切る対策を施し、試験に臨む必要があります。
2冊こなすのは確かに大変ですが、なんていったって選択問題はやればやるだけ点数になるという確実性があるので、しんどくても仕方なし、と腹をくくってやりましょう。
一回目の受験時の作文の対策
一回目の受験時には作文の対策は事前に特別なことはやっていませんでした。
これまでHSK6級受験の作文でやってきたこととか、たまに行っていたニュース文の翻訳演習で培ってきた実力で乗り切ろうと思いました。
過去問演習の時はとにかく時間内に文を書ききる事だけは守りました。
「ウーン、こんなの中国語で書けるわけないよー涙」なんて問題も沢山ありますが、どんな拙劣な文章でもいいからウンウン唸りながらもとりあえず文章を書ききる、という事が作文力のアップにつながります。
辞書など使えない状況で頭から煙が出るんじゃないかってくらい脳をフル回転させ、なんとか知っている単語で意味の近い文章を絞り出す、これを繰り返すことでだんだん辞書無しでもで長い文章が書けるようになっていきます。
事前の練習段階で問題文を見て「ああ、もうだめ、こんなのムリ」とすぐに匙を投げたり、すぐに辞書で単語を調べてしまうという癖がついてしまうといつまでたっても文を書きあげられるようにはなりません。
練習でできなかったら試験本番ではせいぜい1割くらいしか書けません。奇跡なんて起こりません。
結局私の一回目の受験の中国語作文の得点結果は7割程度でした。結局当時の実力通りの妥当な得点だと思います。可もなく不可もなし、といった感覚。
2回目の中検準一級(第113回 2024年11月24日実施回)受験時
8ヵ月のスパンを空けて2回目の試験に挑戦
さて、第111回の中検準1級試験に不合格となってから8か月後の2024年11月、第113回の試験回に二度目の受験をすることに決めました。
この回の前にあった2024年6月実施回の第112回は、第111回受験時点での自分の中国語レベルを考慮して受験は見送りにしていました。
たった3カ月後という短期間で中国語力を合格水準まで上げていくにはちょっと無理があると思ったからです。
万が一難易度の高い実施回に当たってしまった場合でもなんとか合格できるようにしておきたかったのです。
実際第112回のリスニングの平均点が57.1点と、中検準1級試験史上2番目に低い平均点で、私も過去問を解いてみたら全く太刀打ちができず、第112回の受験の見送りは結果的に正解だったのでした。
2回目の中国語検定準1級挑戦で行った対策
あまり回数をこなせなかった過去問
過去問については1回目の受験で結構回数をこなして試験の傾向は掴めていたのと、正直「過去問疲れ」気味で2回目の受験に向けてはそれほどガシガシ解いていませんでした。
しっかり全部解いたのは5回分くらい。その他はリスニング部分だけ、とか作文だけ、とか。しかも割と直前の時期で試験の2週間前あたりになってからやり始めました。

実施日 | 試験回 | リスニング | 筆記 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2024年 | 1(50点) | 2(50点) | 1(20点) | 2(20点) | 3(16点) | 4(20点) | ||
11/18 | 112回 | 6/10(30) | 20/50 | 自信失う | ||||
111回 | 10/10(50) | 40/50 | 前回 | |||||
11/21 | 110回 | 9/10(45) | 35/50 | 10/10(20) | 9/10(18) | 5/8(10) | 1/2 | |
11/24 | 109回 | 9/10(45) | 35/50 | 朝耳慣らし | ||||
95回 | 解答紛失 | |||||||
11/18 | 94回 | 9/10(45) | 35/50 | 8/10(16) | 8/10(16) | 7/8(14) | 2/2 | |
11/15 | 93回 | 9/10(45) | 25/50 | 8/10(16) | 6/10(12) | 5/8(10) | 1/2 | |
11/11 | 92回 | 8/10(40) | 43/50 | 6/10(12) | 8/10(16) | 6/8(12) | 1/2 |
ざっと見た感じそんなに劇的にレベルが上がっているわけではないですが、全体的にほんの少しはレベルが上がっていたかな、と…思いたい。
1回目の試験前にやった過去問の結果と2回目の試験前の過去問の結果にあまりに差が無かったのは、あとで述べますが、結局語彙力を向上させる勉強にあまり時間を割かなかったのが原因だったからなんです。
「魔の回」第112回
この時点では直近の回の2024年6月の第112回(2024年6月実施回)の過去問音声を収録した問題集は当然まだ発売されておらず、「ま、いっか」と試験直前まで解いていませんでした。
結局第112回は直前に過去問PDFのリスニング原稿部分をテキスト読み上げソフトの音声で代用して解いてみたのですが、この回のリスニングの難しいこと、難しいこと…。これは先ほど述べたとおり、実際難易度が高かった回でしたし。
どの辺が難しいかというと、まずはリスニングの書き取り問題が大雪の降る光景を小説に出てくるような文学的な情景描写で表現している文章だったので、読み上げている単語が全く分からなかったのです。
とにかくヤバイ、と冷や汗が出ました。もう試験まで時間が無かったので難易度が高い回に当たったらそれはもう運が悪かっただけだ、と割り切るしかありませんでした…。
作文対策に重点を置いた中国語検定準1級2回目の試験対策
2回目の受験では結局作文力の向上に重点を置きました。
「え?筆記の大問3が特に弱点だったんだからまずは慣用句、成語を重点的にやるべきじゃないの?」
そう思った方も多いと思います。
うん、そうなんです、本来そうすべきなんですけどどうも性格的にじっくり単語帳をやる、というのが苦手で先送りしてしまったのでした。
作文対策は試験の5カ月くらい前の6月から始めました。
作文対策に重点を置きたかったのには訳があります。
一つ目の理由は当時の実力だと作文は出題されるテーマによってまったく太刀打ちができないものもあり、問題によって得点があまり左右されない確固たる作文力を身に着けたいと思ったから。
二つ目の理由はただの試験の得点のためだけではなく、今後中国語を活かす機会に恵まれたときに作文力は応用範囲がかなり広いですし、中国語の「総合力」ともなるので、試験後を見据えて作文のトレーニングをしておきたかったから。
あとはプラスαで作文演習に伴って少しは語彙力もアップするかなという期待もありまして…。
「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編」の作文パート85題を1周半
それで具体的に作文強化では何をやったかというと、まずは中国語検定準1級受験者にとってのド定番の問題集、「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編」の作文問題(85題)をバシバシ解いて数をこなそうと思いました。
本当なら4周くらいやって、日本語を見た瞬間に答えがすぐに思い浮かぶくらいにしたかったのですが時間が無くて作文パートは結局1周半しかできませんでした。
ただし、「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編」は少し古いので収録されている問題のレベルも現行の作文の試験問題より文が短かったり易しい内容だったりと、これをやっただけでは完璧とまでは言い切れない難易度です。

CCレッスンで作文添削
上述のように「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編」だけでは現行の出題レベルには太刀打ちできないので別で作文対策をしなければなりませんでした。
そこで平日受講しているオンライン中国語レッスンの【CCレッスン】
で週に数回作文の添削をしてもらうことにしました。
今ならAIに添削してもらえる時代にはなっていますが、AIの回答に対しては時折「このAIの回答は本当に信用できるのだろうか?」とか「うーむ、こちらの望むような回答ではないんだよなぁ」とか「なんか不十分なんだよな」感じてしまうこともあります。
またAIを効果的に活用するためには我々ユーザーの「質問力」(プロンプトの書き方)が問われることも多く、これだ!という回答が得られないまま結局お茶を濁す、なんてことも多くあります。
その点相手が「人間」の講師ですと、こちらが理解しきれていない内容やもう少し詳しく教えて欲しいときは質問を繰り返して「深堀り」していけるという安心感があります。
ちなみに、私の場合は質問は全部中国語でした。中国語で自分の書いた中国語について質問するのです。
CCレッスンの講師の中には日本語もできる講師もいるので、プロフィールを見てそのような講師を選べば日本語で質問できます。
HSK5級の問題集を利用した作文演習
どういう題材を使用したかと言いますと、それはHSK5級の問題集です。
「中検準1級の作文練習にHSK5級の問題集?オイオイ、あんた何をトチ狂ったこと言ってんの?」そう感じた方も少なくないでしょう。
正確に言うと「HSK5級の問題文を利用しました」。
ちょっとわかりにくいですが、下の画像を使って具体的に説明すればわかっていただけるかと。

つまりはHSK5級の問題集の解答部分に載っている日本語訳や、中国語文と日本語の対訳が掲載されている箇所をもとに、その日本語を中国語に訳してみる、という事なんです。
このレベルが中国検定準1級の作文にちょうどいいレベル、というよりもむしろ少し難しいくらいなんですよ。
実際に自分で作文してみると当然HSK5級の問題集に載っているようなきれいな中国語にはなりません。
ですのでオンラインレッスンの講師に添削してもらい、自分の書いた文でもOKとか、ここは文法的に致命的なミスだと指摘してもらって、自分が頻繁にミスするパターンを把握したり、文法的に正確に理解できていなかった構文などを再確認していきました。
いやー、この作文結構ツラかったですよ~(笑)
あと願わくばもう少し気合を入れてそれまでやっていたニュースサイトの中国語訳練習もやれたら良かったのですが、そこまで時間が確保できませんでした。

※参考にですが、私が受験した第113回までは指定のテーマと3つの単語に即して作文する「自由作文」問題もありました。そちらはChatGPTに候補キーワードを挙げてもらって何パターンか問題を用意して作文練習を行いました。第114回からは自由作文は無くなりました。
とはいえAI(ChatGPT)による添削指導もなかなかのもの
ChatGPTによる添削例
「AIによる添削はどうもしっくりこない」といったようなことを私は述べました。
確かにそういう部分も少なからずありますが、中国語の作文のレベルがある程度高い方にとっては必要十分である可能性もあります。
以下の日本語の文を中国語に訳せ、という翻訳問題があったとします。
問.「さまざまな原因により、汚染がますます深刻化し、私たちの生活環境もますます悪化しています。現在、人々は環境保護の重要性を徐々に認識し始めています。環境を守ることは国の責任だと考える人もいますが、実際には一人一人が少しずつ努力するだけで、環境は大きく改善されるでしょう。」
学習者Aによる回答例
因为各种各样的原因,污染环境越来越严重了,我们的生活环境也越来越恶化了。现在人们逐渐认知到保护环境的重要性。有的人也认为保护环境是国家的责任,但实际上只要每一个人努力一点,环境会改善得多。
これに対してChatGPTに、
「この中国語の誤っている部分を指摘、解説し、文章全体を添削してください。」
とのプロンプト(ユーザーからの指示)を出したところ以下のような回答が返ってきました。
この中国語の文章は全体的によく訳されていますが、細かい点で不自然な表現や文法的な違和感があります。以下に、誤っている/改善できる部分を具体的に指摘し、その理由と共に添削します。
問題点の指摘と解説
1. 「污染环境」→「环境污染」
- 誤りの理由: 「污染环境」は「環境を汚染する(動詞+目的語)」であり、この文では「環境汚染(名詞句)」を意味する必要があるため、語順が逆。
- 修正: 「环境污染」
2. 「认知到」→「认识到」
- 誤りの理由: 「认知」には「認識論的な理解・知覚」の意味合いがあり、ここでは一般的な「認識する」という意味なので「认识到」が適切。
- 修正: 「认识到」
3. 「也认为」→文脈に応じて位置を調整
- 理由: 「也」は前の文と並列にしたい意図で使っていると思われるが、少し唐突で、前後の論理的なつながりが弱く感じられる。「有人认为…也有人认为…」の形が自然。
- 修正案: 「有人认为…也有人认为…」または、「有些人认为…,但实际上…」
4. 「环境会改善得多」
- 不自然さの理由: 「改善得多」は口語的で少し曖昧。より自然な書き言葉にするには「得到很大改善」や「有很大改善」などが望ましい。
- 修正: 「环境就会有很大的改善」など
添削後の中国語文
由于各种原因,环境污染越来越严重,我们的生活环境也日益恶化。现在人们逐渐认识到保护环境的重要性。有些人认为保护环境是国家的责任,但实际上,只要每个人都尽一点力,环境就会有很大的改善。
添削ポイントのまとめ
污染环境 | 名詞句ではなく動詞+目的語になっている | 环境污染 | 「環境汚染」という名詞句が必要 |
认知到 | 文語的・専門的すぎる | 认识到 | 一般的な「認識する」は「认识到」 |
也认为 | 接続が曖昧 | 有些人认为〜但实际上〜 | 対比の形にすると明確 |
改善得多 | 口語的・曖昧 | 有很大的改善 | 書き言葉ではより明確に改善の程度を示す |
これ、なかなかのモンではないですか?
ある程度文章を書ききれる人で、初歩的な文法ミスをしないレベルの学習者には添削の加減がちょうどいいのです。
「人」対「人」ほど質問の深堀りはできませんが、ChatGPTによる作文の添削指導を繰り返すことでも作文力の改善に十分役立ちそうです。
ChatGPTに採点してもらう
お次はChatGPTに中国語学習者の書いた中国語文を採点してもらった例です。
↓こちらが問題。
問.「チョコレートは多くの人が好きな食べ物です。しかしご存知ですか?最初に登場したチョコレートの味は苦くて辛く、スペイン人がそれを甘くしました。チョコレートを食べすぎると太りますが、少しチョコレートを食べるのは非常に良いことで、集中力を高め、興奮させる効果もあります。」
↓こちらが模範解答。
模範解答
「巧克力是很多人都喜欢吃的食品。但你知道吗?最早出现的巧克力味道又苦又辣,是西班牙人让它变甜的。吃太多的巧克力会让你发胖,但是稍微吃一点儿巧克力是很有好处的,它可以提高注意力,也有让人兴奋的作用。」
これらの情報をChatGPTに「このような中国語作文問題が中国語検定試験準1級で出題されたとします。」と伝えたうえで、以下のようなプロンプトで学習者Aが書いた中国語の採点をお願いしてみます。
12点満点として、次の中国語を採点するとしたら何点でしょうか?
「巧克力是很多人喜欢吃的食物。不过你知道吗?原来的巧克力味道又苦又辣。把巧克力的味道改变成甜的是西班牙人。巧克力吃太多会胖,但是吃少量是很好的。这既有助于提高集中力,又有把神经兴奋的效果。」
すると以下のような回答が返ってきました。
✅ 採点結果:9点/12点
評価の内訳と解説:
① 正確さ(語彙・表現):★☆☆
- 「食品」ではなく「食物」としたのは減点対象ではないが、**中国語では「食品」**の方がよりフォーマルかつ自然(模範解答に準拠)→ -0.5点
- 「是西班牙人让它变甜的」→「把巧克力的味道改变成甜的是西班牙人」
→ 意味は合っているが、やや不自然な語順。主語としての位置が説明的すぎる(文語っぽさ)。自然さに欠ける→ -1点 - 「吃太多会胖」:自然だが、**「会让你发胖」**のような文法構造の方が上級解答としては望ましい→ -0.5点
- 「吃少量是很好的」→やや直訳調。「稍微吃一点儿是很有好处的」ほど自然ではない→ -1点
② 文法・構造:★★☆
- 概ね文法的には問題ないが、**「这既…又…」**の後半
→「又有把神经兴奋的效果」:語順と動詞構造に不自然さあり
→「让人兴奋」や「使人兴奋」などが一般的
→ **「把神经兴奋」**は不自然で減点 → -1点
③ 意味の正確さ・要約力:★★★
- 全体的に意味はしっかり伝わっている
- 細かいニュアンス(「非常に良いこと」→「很好的」ではやや弱い)もあるが、大きく逸れていない → 減点なし
総評
この解答は、意味の把握は良好で、大きな誤訳や文法ミスも少ないです。しかし、模範解答と比較すると、
- 表現の自然さ(語順・口語的表現)
- 一部不自然な構造(如:「把神经兴奋」)
- 上級レベルにふさわしい文体の運用
の点でやや劣るため、9点/12点と判断できます。
改善のためのヒント
修正するとすれば以下のようになります:
巧克力是很多人都喜欢吃的食品。不过你知道吗?最早出现的巧克力味道又苦又辣,是西班牙人让它变甜的。吃太多巧克力会让你发胖,但稍微吃一点儿对身体是很有好处的,它能提高注意力,也有让人兴奋的作用。
このように「自然な語順」「文のまとまり」「機能的な表現」を意識するとより高得点が狙えます。
この採点基準が正しいわけではないですが、これも結構丁寧な添削をしてくれていますよね?
「試験の問題を採点してくれ」という文言がプロンプトに入っていると、普通に添削してください、と指令を出した場合とまた違った視点で添削してくれていて作文の際の注意点が意識できるようになります。
大問1、2、3の語彙力問題対策
先述したように筆記の大問1、2、3は語彙力を問う問題です。単語帳や問題集をやりこめば得点結果として表れやすい、いわば「努力が得点に直結する」パートです。
結局のところ単語帳と問題集をやりこむしかないんですよね…しんどいですが。
大問1、2は「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編」で百本ノック
大問1、2は過去問をまずはできるだけ沢山やりこむことが大前提。
そのうえでさらにできるだけ多くの問題に触れること。
その用途として最適なのがやはり「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編」です。
STEP1には空欄補充問題が190問、STEP2の類義語や説明の選択問題が195問と問題が豊富に用意されています。これを繰り返し繰り返し解きます。

問題によっては意味の似通った語句が選択肢に用意されていて、単語帳で単に中国語と日本語を1対1対応で覚えただけではわからない用法の違いなども学ぶことができます。
単語帳を否定するわけではなく、この問題集と組み合わせて活用することで語彙力が盤石なものになります。
大問3の慣用句、四字熟語、慣用句対策は「中国語 四字成語 慣用表現800」からスタート
中国語の四字成語や慣用句、字面からは意味が全く想像できないものもあって厄介ですよね。言葉の由来が古の物語からだったりして、そのストーリーを理解してないと意味が分かりませんから。
そんな厄介な慣用句、四字成語を学ぶ「入り口」として最適なのが「中国語 四字成語 慣用表現800」です。
※2025年4月、第3版が出版されました。待望のKindle版も出されています!第2版にはなかったパート4以降の音声が追加されています。
「中国語 四字成語 慣用表現800」の内容については以前個別の記事で紹介しましたので関連記事をご参照ください。

関連記事でも述べていますが、これをしっかり頭に叩き込むと少なくとも大問3で2問は確実に点を取れるようになります。
「たった2問かよ…」と感じた方も多いでしょう、でも「されど2問」です。
中国語検定準1級で要求される語彙量は膨大です。少しづつ確実に得点できる領域を増やしていく以外には効果的な対策など存在しません。
この「中国語 四字成語 慣用表現800」に加え「使ってみよう!中国語の慣用句・ことわざ・四字熟語」、最後に「キクタン中国語【慣用句編】」をやれば大問3の対策は盤石なものになるでしょう。(そして欲を言えばキクタン中国語【上級編】も…)
人によってはいきなり「キクタン中国語【慣用句編】」へステップアップしても良いと思いますが、私がさらっと見た感じだと急激に難しい語句が増え途中で挫折してしまいそうだったので間に「使ってみよう!中国語の慣用句・ことわざ・四字熟語」を挟むことにしました。
それで、私はというと「中国語 四字成語 慣用表現800」はしっかり頭に叩き込みましたが、結局時間が足りず「使ってみよう!中国語の慣用句・ことわざ・四字熟語」の前半の慣用句パートを1周見ただけ…。

後半のことわざ・四字熟語パートは全く手を付けられませんでした。
キクタンにしてもスキマ時間にさらっと見た程度。
そんなわけで合格した第113回のパート3の得点は10/16(8問中5問正解)でした。それなりの対策しかしていないと当然それなりの得点しか取れません。
ただ、1回目の試験の4/16(8問中2問正解)よりはだいぶ進歩があったので良しとします(汗)
これら教材をやったからといって確実に合格できるほど中国語検定準1級は甘くない…
以上が私が中国語検定準1級筆記問題に向けてやったことをざっとまとめた内容となります。
それで、ここまでの内容で挙げた教材をこなせば確実に合格できるのか?実際のどうなのよ?ってところでしょう。
自分のざっくりした手応えから言うと、これをしっかりやり込んでやっと6.5割くらいの得点レベルには達するかなぁという感覚です。
つまり合格水準にはまだ少し足りていないという感覚(もちろん難易度が低い回なら得点7.5割超えも可能ですが)。
まず第一に中検準一級で出題される語彙の範囲はハンパなく広いので、当然これらの問題集に出てくる内容だけでカバーできるはずがありません。
作文問題に関しては「合格奪取!中国語検定準1級・1級トレーニングブック 一次筆記問題編」の問題量は豊富ですが、前述した通り現行のレベルより少し易し目ですし。
ざっと見た感じ第90〜回台あたりの、ちょっと前の時期に出題されていた作文問題のレベルを基準に作成された問題のような印象を受けます。
という事で中国語検定準1級向けの定番教材以外に私がやってきたことや教材、それからお勧めのサイトなどを紹介していきます。
以降の内容は万人に参考になるわけではありません。伝えたいことは似たようなアプローチでご自身がある程度興味を持ちつつ、楽しみながら語彙力を増やしていけるトピックを見つけるといいですよ、という事なんです。
過去問ガチ勢の強い味方、高電社の「中国語検定 過去問WEB」

「俺はとにかく過去問を解きまくって実力を付ける派だ!」なんて人にオススメなのが、高電社の中国語検定 過去問WEBです。
なんと、第59回(平成18年)~最新回までの過去問を解き放題です。
しかも「試験会場での実施から最小限の時間差でWebサイトに公開」とありますように、白水社から出版されている中国語検定の最新版が発売されるのを待つことなく最新の中国語検定の過去問も解くことができます。
今年でしたら直近の第114回(2025/03/23)より試験の形式に大幅な改定がありましたし、まだそのリスニング音声などは市販の教材では入手できませんから高電社の中国語検定 過去問WEBは受験者にとって強い味方です。
料金は個人ユーザの場合、中国語検定準1級を含んだ「全級コース」だと1ヶ月コース(30日間のご利用) ¥2,138、3ヶ月コース(90日間のご利用) ¥5,194、1年コース(365日間のご利用) ¥10,388となっています。
白帝社の2025年版の中国語検定準1級・1級の過去問の値段が2,420円で3回分、しかも去年の実施回ですから、1ヶ月コースないし3ヶ月コースでガシガシ解きまくるのでも十分割に合うと思います。
Xで実際に中国語検定 過去問WEBを利用した方の声をチェックしていきましょう。
一方、中国語検定は高電社さんが第59回(平成18年)以降の過去問を解き放題というサービスをやってます。
— 中文滑雪教練Youmei〜@我係為食猫🇭🇰広東語(粤拼)学習202311〜 (@hy0_setu) August 26, 2023
1ヶ月コースでも2,138円。
自動採点してくれます。https://t.co/cmlDa7HO0q https://t.co/DSNeycDxvW pic.twitter.com/robMks2EUd
自動採点してくれるのは便利ですよね。
おはようございます
— けい@英語&中国語勉強中 (@Huihui34409629) September 7, 2024
写真撮ってたら末っ子がそっとメタモンくれた🙂
高電社の中検過去問webに登録したから今日から取り組みます💪ちらっと筆記解いてみたけど、明らかな語彙力不足で撃沈しそうな感じだった😭頑張ろ pic.twitter.com/xvtbcpquGt
こんな感じでずら―っと過去問リンクが並んでいます。
スクショした過去問解説(高電社さん)一覧。
— 快快 (@kuaikuaihanyu) May 20, 2024
昨日、今朝と見直しをしました。
筆記(大問1-3)の読解、語彙、文法パートは50点取りたいんです。
解説を何度も読めば身につくはずです。
私がやるべきことは【復習】と【知識の整理】。听写と作文は少しでもいいから、毎日練習。75点なら届くはずです! pic.twitter.com/W3MOVjwus4
なるほど、スクショして保存しているわけですね。個人利用なら問題ないのでしょう。
レッスンの教材に「汉语口语速成 高级篇」

中国語検定準1級レベルより少し落ちるが、十分有効な「汉语口语速成 中级篇」
上の画像中には「汉语口语速成 中级篇」が写っていますが、これは中国語検定準1級受験前にはまだこの教材を使ってオンラインレッスンを受けていたから。
「汉语口语速成 中级篇」は中国語検定準1級のレベルより一段落ちますが、それでも文中にちょこちょこ見たことのない単語が出てきて語彙力アップさせるには不足の無い教材でした。
それに、このレベルの文章の音声でも聞いているとちょくちょく虫食いのように聞き取れないことがあります。
読んでいるとなんてことは無い簡単な語なのに、音声では聞き取れないことがあるというのはよくある事ですが、それはその語がわかっているつもりでも完全には頭に入っていない証拠。
少しレベルを落とした文章を一言一句聴き落とすことなく、完璧に聴きとれるようにすることはリスニング力向上にも役立ちます。私はランニング中レッスンで使っていた教材の音声を繰り返し聞いていました。

ザ・中国語検定準1級レベルの「汉语口语速成 高级篇」
すでにある程度中国語力が身に付いていて、少し骨のあるレベルの高い教材を使いたいなら「汉语口语速成 高级篇」がおススメです。私は今現在この教材を使ってオンラインレッスンを受けています。
かなり古いテキスト教材で、おそらくAmazonでしか買えなくなっているのはないかと思います。
テキスト本文の内容も古いというのが難点ですが、語彙力アップのために活用するのであれば全く問題ないと感じています。
哲学的、道徳的な内容を問う内容も多く、そのような内容であれば時代に関係なく現代でも真理は共通しているというのが理由です。
Youtubeにメインのテキスト文章とそれを朗読している動画があがっていますので参考になります。
少し注意しておきたいのが、第一課の最初の文で使っている単語が難しすぎる単語が多すぎてちょっと面食らってしまう事。
他の課はそこまで難しくないのでよく読み比べて判断してみて下さい。
一つ、中国の出版社が出しているテキストに共通する特徴というか欠点に注意しなくてはなりません。それは練習問題の解答が無い、という点です(笑)。
新出語彙、時事関連の語彙を学ぶのにぴったりの「聴く中国語」
中国語ニュースサイトや百度热搜なんかをチェックしていてももちろん語彙力アップにつながりますが、なーんかあまり面白くないニュースばっかりで積極的に見る気がしない時もあります。
月刊中国語学習誌「聴く中国語」では日本人が興味を持ちそうなトピックをピックアップしてくれていて、カラーページもふんだんに使用してくれていて飽きずに中国語を学べる雑誌となっています。
こういった時事ネタ、意外と中国語検定協会は好きなネタなんですよ(笑)
例えば私が1回目に受験した第111回の中国語検定準1級のリスニングの大問1ではスラムダンク「灌篮高手(Guànlán Gāoshǒu)」の映画『THE FIRST SLAM DUNK』のネタが出題されたのです。
「聴く中国語」の最新のメルマガでは任天堂スイッチ2のトピックが取りあげられていて、このように社会的に関心の高いネタは今後試験問題の題材として扱われる可能性は十分ありますのでチェックしておいて損はありません。
「聴く中国語」に関しては以下の記事をご参照ください。

自分の興味のある分野のトピックも日ごろから触れる習慣をつける
通訳案内士の資格取得を見据えたトピック

中国語検定準1級に合格したら次は副業、本業でも役立ちそうな資格も視野に入れたいところです。
手っ取り早く思い浮かぶので言うと、全国通訳案内士の資格試験がそのうちの一つになり得るでしょう。
そんなわけで私は上の画像に示す4冊の教材の音声もランニング中よく聞いていました。
中国語で案内する日本
「中国語で案内する日本」は割と聴きとりやすい単語を多く使っています。中国語検定準1級を受けるレベルならば事前に目を通しておかなくても結構内容がつかめます。
中国語でガイドする関東の観光名所10選 (日本紹介)
これは中国語検定準1級向けの対策学習本として有効かと問われるとそうでもありません。
文中に出てくる語が難しく、しかも観光、歴史関連の固有名詞がかなり多いので通訳案内士の資格取得を視野に入れていないのならばあまりお勧めしません。
私はこの本は内容が難しいのでまず一通り目を通して単語を確認してからでないとランニング中音声を聴きながらの「ながら学習」にはとても使えませんでした。
日本人が知りたい 中国人/台湾人の当たり前
中国人、台湾人の日常生活、歴史、社会、文化などについて学べる本です。中国語検定準1級対策用なら「中国人の当たり前」だけやる事をオススメします。
「台湾人の当たり前」は繁体字を用いており、音声も台湾人のナレーションとなっているので台湾に興味があるのでなければ中国語検定準1級の勉強用としてはあまりふさわしくないです。
私は個人的に台湾が好きなので両方ランニング中に聞いていました。
摩訶不思議な通訳案内士の中国語の<他試験の保有資格による免除申請>要件
全国通訳案内士試験は毎年8月に筆記試験があり、筆記試験をパスすると12月に口述試験となります。
全国通訳案内士試験には、外国語で要件を満たす資格試験をパスしていると外国語の試験が免除になります。
中国語の要件には一瞬目を疑ってしまう、実態を反映していない要件が設けられています。(リンク先PDFの16ページ下部(7)(8)に中国語の免除要件が記載されています)
中検免除 中国語検定試験1級、有効期限:無し
HSK免除 HSK(漢語水平考試)6級180 点以上(旧 HSK 高等試験 9 級以上)、有効期限:無し
※有効期限:無し、というのは一度でも合格、条件を満たしていれば永久に有効という意味
着目すべきは中国語検定が準1級ではなく「1級」となっている点。
「マジですか!」というのと「またか…」と思わざるを得ませんね。
繰り返しになりますが、なんでHSK6級180 点と中国語検定1級が同列に扱われているのか疑問に思います。
実態を把握していない日本政府観光局(JNTO)の職員がいい加減に設定しているのか、はたまた日本に移住した中国人が資格取得しやすいように忖度しているのか…。
中国語検定協会の方も要件を「1級」から「準1級」に要件を変えるように働きかければいいのに。「実態を反映してくれ」と。
まぁそんなわけで中国語検定準1級に合格しても、全国通訳案内士試験の外国語試験免除には使えないので注意が必要です。
とはいえ中国語検定準1級に受かるレベルならHSK6級は9割くらい得点できるでしょうから問題ないでしょう。
複数言語同時申請できる全国通訳案内士試験
中国語と関係ありませんが、中国語以外に外国語ができる方は複数言語同時に申請できるので活用しましょう。
例えば、英語のTOEICであれば、「TOEIC Listening & Reading Test 900 点以上」などがあります。
私は2018年にTOEIC Listening & Reading Test 900点でしたが、もし2025年の全国通訳案内士試験を受けるなら有効期限は「2024 年 4 月 1 日以降に取得した得点」となっているのでまた試験を受けなくてはなりません。
中国語の勉強を開始してから英語力が著しく低下してしまったのでまた英語の勉強を再開しなくては…。
ただ、複数言語免除申請し、他の筆記試験項目も無事パスしたとしても12月の2次口述試験で複数言語で「プレゼンテーション問題」、「外国語訳問題」、「実務質疑」を行わなければならず準備がかなりハードになってしまいます。
中国語圏のYoutuberのYouTube
動画コンテンツを楽しみつつ、リスニング力を鍛えて語彙力をアップできるのが中国人、台湾人YouTuberのコンテンツの良いところ。
あくまでも私が個人的に楽しんでいるだけのコンテンツですが、いくつか紹介いたします。
Japanese – Mandarin Corner
中国人への街頭インタビュー動画が豊富でナチュラルな口語が学びやすい動画が沢山アップされています。2年ほど前から日本人向けの日本語字幕付きコンテンツもアップされて日本人が学びやすくなりました。
Mandarin Corner、当初は英語圏の学習者向けのコンテンツでした。英語の字幕で中国語を学ぶのにとても使い勝手が良かったのですが、最近ほとんどのコンテンツがメンバー向けに変更されました。日本語版の方はまだすべて自由に見ることができます。
每日中文课
廖丹 [liàodān] 老师がフレーズの用法の注意点や、似た意味単語の違い、そしてインタビューや文化習慣の解説動画をアップしてくれています。すごく聴きとりやすい中国語を話されます。
こちらのチャンネルも最近メンバー限定設定された動画が増えました。
小鄭在日本
上海出身で現在日本在住の小鄭さんが、主にみっともない主張をしている中国人たちを糾弾しているコンテンツ。その中には日本でのよろしくない行動をしている中国人を批判しているコンテンツも多く含まれています。
上の二つのチャンネルと違って語学学習の要素はありませんが、個人的に聴きとりやすい中国語なのと内容が面白いので観ています。
その他の定期的に見ているYoutube
和之夢(わのゆめ) 公式チャンネル – YouTube https://www.youtube.com/@wanoyume_hezhimeng
中国好き日本人ならほとんどの人が知っているであろうチャンネル。コロナを境にな~んか中国忖度コンテンツが増え、ディレクターの竹内氏もちょっと極端な事言い出しているので前ほど熱心に観てはいません。
鈴木的日常 – YouTube https://www.youtube.com/@suzuki_tw
元Sanyuan Japanの編集担当の鈴木さんが日本に住む台湾人と台湾に住む日本人を撮影したドキュメンタリーのコンテンツのチャンネル。
Merry Journey – YouTube https://www.youtube.com/@MerryJourney
台湾人のSandyさん(”山編”の愛称で呼ばれている。Sandyなら中国語で”桑迪”かなと思ったけれど自分でSandy”山迪”と説明していて、“山迪編輯”を略して”山編”)が日本の観光地を紹介するチャンネル。
このほかにも数チャンネル中国、台湾のYouTubeを定期的にウォッチしています。
以上で挙げたチャンネルがおススメ、という意図ではなく学習者それぞれがご自身の興味に合ったチャンネルを見つけ、楽しみながら視聴しつつ継続して学習する習慣をつけることが第一です。
やっぱり挑んでみてよかった中国語検定準1級
まとめの内容となります。
私はもともと中国語検定については受けなくてもいいかな、という考えでした。HSKの試験を主に受けていて、最終目標を「HSK6級で8割(240点)を取る」に定めていたからです。
その水準に達したら、あとは口語力を鍛えてより実践的な中国語力を向上させよう、という考えでした。
「中国語検定準一級に要求されるレベルがちょっと高いしなぁ、会話やビジネスシーンではそこまでやらなくてもいいんじゃない?」とも思っていました。
しかし、実際に「HSK6級で8割(240点)を取る」達してみたらその中国語レベルはとても満足できるものではなかったのです。
中国語学習を始めた当初、「HSK6級ってすげー!このレベルまで達したらきっと中国語ペラペラなんだろうな」というイメージをHSK6級に持っていました。
実際にはそのレベルはかつて抱いていたイメージとはかけ離れ、「なんだよ、俺中国語全然しゃべれないし、聴き取れないし。HSK6級ってまだまだ全然なレベルじゃん」というのが実感でした。
もちろん日々中国人との会話特訓や中国語音声を聴き、文章を読むことを継続していたらそれなりにレベルは上がっていくかもしれません。
しかし、より高いハードルの「中国語検定準1級」を自分に課し、それを超えるために必死で一定期間頑張ったことで中国語のレベルをより短期間で向上させることができたと思っています。
「試験」に申し込むことで締め切り効果もあって、尻に火をつけて勉強をより頑張ることができました。
最近ようやく中国人と会話していてそれなりにまともにコミュニケーションできるようになってきたなと実感できるようになりました。
このレベルアップには、中国語検定準1級対策に費やした時間の貢献度は決して小さくないと感じています。
「中国語検定準1級は中国語学習者にとっての実質上の最終目標」とよく言われていますが、まさにそうだと思います。
私自身が2度受験して、中国語検定準1級に受かるのはそんなに甘くないなと実感しましたし、受かってみると語彙力、作文力、口語力そのすべての総合力が備わったなとも実感できました。
HSK6級だと単なる「肩書き」程度にしかなりませんでしたが、中国語検定準1級という資格はある程度「聴きとれて話せる」という確固たる実力を備えているという自信にもなっています。
もちろん理想を高く掲げ、さらなる高見を目指すなら中国語検定準1級は単なるスタート地点程度のレベルでしかないんですけど…。
まさに「語学に終わりなし」ですね。