「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」(三修社)~中国語慣用句・成語学習の最初の一歩はコレで決まり!

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「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」

今まで中国語慣用句を本腰入れて学んだことがなく、初めて中国語の熟語や慣用句を学ぶという人にとって今回紹介する「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」(三修社)はまさにうってつけな一冊となっています!超〜おすすめです!

800」という数字を見て若干うろたえるかもしれませんが、私はじっくり3カ月くらいかけてやってみたところ、結果この本で勉強して大正解!と感じました。

特に前半パートを終えたあたりで中国語のドラマを観ていて「あ、この言葉本に載っていたやつだ!」と気づいたシーンが実に多かったのです。

目次

中国語では慣用句、成語の学習は特に重要

「慣用句なんてそんなに覚えなくても基本単語だけ使えれば会話できるし、無理に覚えなくてもイイっしょ」、と思われる方も多いかもしれません。

確かに、我々日本人同士で普段の日本語の会話で四字熟語をふんだんに使ってくる人がいたら、「なんかいけすかねぇ奴だな」、と感じてしまいます。

しかし、振り返ってみると、我々も普段から外国人から見たら難しそうな熟語を当たり前のように使ってはいます。

例えば「自業自得」。これなんかは我々日本人からしたらごくごく単純で当たり前に使っている熟語の一つとしか思わないですよね?

自業自得を違う言葉で表現するのはとても面倒でしょう。ましてや外国人にはまず「」の概念から説明しなきゃならないなど余計に面倒になります。

この例のようにどの言語でも熟語を知っていれば複雑な事象を一言で表現することができるわけで、中国語の熟語の中にも同様に知っているだけで表現、コミュニケーションが格段に楽になるものがたくさんあるのです。

ましてや中国語は日本語よりも普段の会話で慣用句、熟語がより頻繁に出てくる言語です。

そういった意味でやはり中国語の慣用句、熟語を覚えていくことはとても重要なのです。

「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」の基本情報

価格

Amazonの価格 : ‎ Kindle版 (電子書籍) ¥1,870 (19pt)  単行本版(ソフトカバー) ¥2,420

ページ数など

ページ数 : 176ページ

サイズ : A5判(148mm×210mm)

2色カラー : 青色ベースに黒字テキスト

新装版 中国語 四字成語・慣用表現800 Kindle版ページのサンプルより
Amazonの新装版 中国語 四字成語・慣用表現800 Kindle版ページのサンプルより引用

単行本版のAmazonの商品ページで「サンプルを読む」をクリックすると、表紙、パート1、パート6、中国語索引の部分が数ページ確認できるようになっています。

ただし、このサンプルは新装版に改定される前の版なので、カラーは赤色ベースのものが表示されるので発売されているものとは異なるのでご注意ください。

音声

音声CD付属。audiobookアプリでも再生可。またはaudiobookの該当ページから1ファイルずつmp3ファイルまたは一括ダウンロード可能。(※要会員登録)

audiobookアプリでファイルを表示した様子
audiobookアプリでファイルを表示した様子

「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」の構成を一言で例えるなら、中国語版「速読英単語」

「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」のパート構成

本書は全部で6パートで構成されています。

パート1~パート3 会話で覚えようパート

パート1からパート3は「会話で覚えよう」パートとなっており、 ズバリ例えるなら中国語版「速読英単語または中国語版「DUO」と言えます。会話ダイアログの構成にこれらの英単語帳と同じ方式を採用していて、このパートの最大の売りとなっています。

1ページの上半分に学ぶ成語や慣用句が大体4つ記されており、その下半分には中国語会話ダイアログがあり、会話ダイアログの中に自然にその上部の4つ成語や慣用句が組み入れられて使用されています。

これはまさに「速読英単語」方式でしょう。

一度に4つの慣用句を効率的に覚えることができるのです。

パート1~パート3のページレイアウト
パート1~パート3のページレイアウト

会話ダイアログ形式のショートストーリーの中に成語、慣用句が散りばめられているので、どのような意味合いで使われる言葉なのか理解しやすく、記憶に残りやすいのです。

そうなんです、「あれ?この慣用句どういう意味だっけなぁ」という時に、「そういえば本の中ではこれこれこういう会話の中で使っていたな」という風にストーリーを最初に思い出し、そこから使われていたフレーズを思い出すことで意味を思い出しやすくなっているのです。

一般的なシンプルな単語帳とかだと、単なる日本語の意味の併記だけだったりしてどんなシチューエーションで使うのかがわかりづらいのです。

このパートの音声の構成は、まずページ上部の語句が中国語 → 日本語の順で読み上げられます。

その後下部の会話ダイアログが流れます。

速度は私個人的にはそこそこゆっくりに感じました。少し遅いな、とか速いと感じる人はプレーヤーで速度を変えて再生すればよいだけです。

各ファイルには01、02、03…のように通し番号しか振られていません。

audiobookアプリでトラックを表示した様子
audiobookアプリでトラックを表示した様子

パート4、パート5 用例で覚えようパート

パート4、5は語の右側に日本語訳、そしてその下に直訳と中国語の用例(ピンイン付き)と日本語訳という構成になっています。

「直訳」は役に立つものもあれば、「直訳がこれで、それでなんでこの意味になるの?」と感じる語も多く、そこまでしっかり見ておく必要はなさそうでした。

パート4、パート5 用例で覚えようパートの構成
パート4、パート5 用例で覚えようパートの構成

このパートと、あとパート6には音声ファイルはありません

このパートの語は一般的な単語帳と同様紙などで隠して覚えるという古典的なやり方で臨むしかありませんね。

とはいえこのパートに掲載されている語もかなり出現頻度が高いものばかりなのでしっかり学んでおいて損はありません。

パート3までみっちり4周くらいやって、そのパートまでを完全に覚えたという段階に進んだらパート4以降に取り組むのが良いでしょう。

ちなみにパート5の四字成語で出てくる語の中には、HSK6級指定の四字成語もかなり多く含まれているので、HSK6級の勉強を済ませている人にとってはパート5はさっと終えることができます

この本に手を付ける前にHSK6級向けの単語帳を入手し、後半のごく一部分に掲載されている四字成語の部分だけを事前に学習しておくと、「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」をスムーズに進めることができます。

HSK6級向け単語帳の比較記事も過去に書いていますので、そちらも併せてご参考ください。

パート6 中国語と日本語の類似表現

このパートは「中国語と日本語の類似表現」ということで、収録されている大部分の語が字を見ただけで意味が類推できるものが多いです。

パート6 中国語と日本語の類似表現
パート6 中国語と日本語の類似表現

例えば“马耳东风”を見たら、「これって馬耳東風のことじゃない?」といった語や、同様に“虎视眈眈”→「虎視眈々」そのまんま、といった語もあります。

というわけで、このパートには例文は掲載されていませんが日本語訳がさらっと掲載されている程度です。それでもそれくらいで充分学習するに足る構成です。

ちなみに日本語の多芸多才、中国語だと“多才多艺”のように逆になっています。

このように微妙に順番が違う語もこのパートに掲載されていますし、この種の日本語と順序が違う語を紹介したコラムも設けてあります。

「日中の逆順語彙」コラム
「日中の逆順語彙」コラム

目次と索引

復習する上で軽視できない「目次と索引」。単語を見返したい時にすぐに目当ての語のページにたどり着けないとイライラしますよね。

「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」の目次
「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」の目次

目次はページごとに一行空白を空けて記載されているので、どの会話ダイアログにでてきたのかがわかりやすくなっています。字の大きさの割に若干フォントが太くてちょっとつぶれ気味に見えてしまうのは残念。

「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」の中国語索引
「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」の中国語索引

索引はピンインアルファベット順で、フォントは目次のものよりも見やすくなっています。

それで、これらの索引と目次なんですがこの本に限らずすべての中国語参考書、単語帳で困るケースがあるんですよね。

それは、語の先頭の文字は分かっていないんだけど、何となく真ん中や後半の漢字が思い浮かぶとき

あれなんだっけなぁ、と調べたくても先頭の文字がわからなければ索引は役に立ちません。

そんな時に役立つエビングハウスの忘却曲線チェックシートをこの本でも作成しました。(エビングハウスの忘却曲線チェックシートは先ほどの関連記事で紹介した単語帳比較の記事中の一番最後の方で紹介しております。)

忘却曲線チェックシートは後述しますので、是非最後まで読み進めて下さいね。

「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」を活用した勉強の仕方のコツ

パート3までをまずは終えることを目標に

この記事のタイトルで謳っていますように、入門編にピッタリなのですが、いきなり「一冊まるまる完璧に終えてやるぞ!」という意気込みはまずは捨てましょう

そもそも中国語学習者にとって多くの慣用句は字面のみから意味を推測できないものも多く、単純な「暗記」作業を強いられる割合が高いです。

例えばこの本のパート5に出てくる栩栩如生、泾渭分明、模棱两可などは後半の2文字は何となく日本語の漢字の意味から類推できますが、前の2文字は一体何を意味しているのか皆目見当もつかないものばかりです。

正直に白状しますと、私はこの本を入手した当初なかなか気が進まず、手を付けていませんでした。新しく漢字を覚えるのが耐えられなくなりそうで、そんな単純な作業はキツくてやりたくないという理由からでした。

でも結局は外国語っていうのは地道に覚えていくしかないんですよね。ある程度覚悟を決めて取り掛からねばなりませんが、まずは会話ダイアログが載っているパート3までやろう、それくらいハードルを下げて取り組んでください。

パート3までですと、目次に載っている成語、慣用句の総数は297語となります。(注釈として紹介されている語、途中のコラムなどで紹介している語は除いています)

1日3ページペース(12語ペース)で、途中勉強の時間が取れない予備日などを考慮しても1ヵ月で終わります

パート3までまずは「やりきった感」を味わうことを目標にしましょう。

そして、この本の良いところはそんな「やりきった感」という単なる自己満足にとどまらず、パート3までの部分に利用頻度が特に高い語が収録されているので、このパートまでを終えると中国語の文章やドラマを見ている最中にこの本で学習した語に気付くことが頻繁に起こるのです!

例えば私の好きな台湾ドラマシリーズの最佳利益のシーズン2を例に挙げましょう。

エピソード3の中盤で無罪判決が言い渡された宗教団体の教祖に遺族が抗議するシーンで、遺族が“逍遥法外!”と叫んでいました。

逍遥法外”は「新装版 中国語 四字成語・慣用表現800」のパート1の23ページに掲載されており、「犯罪者が法の制裁を逃れて、のうのうとしている」という意味です。

ドラマを見ていてスッと意味が頭に入ってきたと同時に、慣用句を知っているとやっぱり中国語の理解力が格段に上がるんだなぁと実感したのでした。

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