CCレッスンから中国語の会話型AI学習ツール「AILLA」がリリース
中国語学習ならもしかしたら先月(2024年10月)の以下のリンクのリリースを既に目にしている方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
オンライン中国語「CC LESSON」、動画で学んでAI講師と話す新サービスを開始
URL:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000006798.000002535.html
中国語オンライン学習プラットフォームの【CCレッスン】 から中国語の会話型AI学習ツール「AILLA」がリリースされたのです。
このリリース、実際のところは中国語学習者でもほとんど知らず、目にしたことすらない人がほとんどなのが現状でしょう。Xのいわゆる「中国語クラスタ」と呼ばれる人たちにもほとんどシェアされていませんし。
私も実はリリースから1週間以上経ってからこの件知りました(汗)
このリリースを知っている方はおそらく中国語学習者の中でもCCレッスンを受講していて、かつCCレッスンの「お知らせ」をこまめにチェックしたほんの一握りの人だけかもしれませんね(汗)
というわけで、リリースからひと月経過していますが、この試験的導入の無料利用キャンペーンの終了のお知らせもありませんし、まだ利用可能のようです。先着100名の定員にも達していないでしょうから。
キャンペーン中は動画教材とAI講師が利用料無料で使い放題(本来は特定の有料プランを利用されている方のみ利用可能)です。
2024年12月末に締切とあり、残された期間はあと2か月弱なので興味のある方はとりあえず会員登録して試しに利用してみましょう。
また参考情報として、CCレッスンでは無料会員登録すると中国語講師との無料体験レッスンが最大2回分まで受けられるポイントが付与されますので、これを機に無料体験レッスンを受けてみてはどうでしょう?
AI講師「AILLA」との併用で中国人との中国語会話トレーニングの効率も上がります。
本記事ではこのキャンペーンのAI講師「AILLA」を紹介していきます。(動画教材については各々で再生して確認してもらえればと思います。)
AILLAの使い方と学習体験
AILLAを始める
では、実際に会員登録を済ませてからの利用の流れを紹介します。
ログイン後のホーム画面の上段に「動画教材とAIで学習する」という項目があるのでそこをクリック(上記画像赤線部分)
すると動画教材がずら―っと並んでいるページに移りますが、AILLAを使いたい方は画面を下までスクロールしてください。(興味ある方は動画教材も見てみましょう)
すると、「今だけ無料!AI講師と練習する」というバナーがあるのでそこをクリック。
AIILAの概要ページに移ります。このページの下の方にはスマホでの利用開始方法についても簡単な説明があります。
中央の「いますぐ中国語会話 AI講師と会話練習をしよう! AI講師と会話練習をする」をクリックするとAILLAとの会話練習のホーム画面に移ります。
下部中央の「START」をクリックすると、AILLAとの会話メニュー選択のページに移ります。PC利用にせよ、スマホ利用にせよマイク機能の確認、アクセス許可を事前に済ませておきましょう。
※注意事項
まだ試験導入でおそらくベータ版扱いのようなもののせいなのか、メニューをクリックしてからのレスポンスに時間がかかります。
クリックして2秒くらい待つ、という感覚で操作してください。
焦れてしまってクリックを複数回してしまうと、AILLAが複数回指令を受けたと判断し、時間差で音声がかぶって流れてしまいます。
AILLAの提供する会話メニュー
AILLAのホーム画面の「START」をクリックすると会話メニュー選択ページへ移ります。
会話メニュー選択ページは以下のような構成になります。左側にカテゴリ、右側に各カテゴリのトピック。
まだ試験導入でメニューはだいぶ少ないみたいです。
以下が2024年11月時点でのAILLAとの会話ページのメニューリストとなります。
- AILLAとお喋り(与AILLA对话)※フリートーク
- シチュエーション(情景对话)
- 個人と家族の行動(个人和家庭行为)
- 私の父は行く(我爸爸去)
- 行きます(我去)
- 天気(天气和温度)
- 東京の夏は暑い(东京的夏天很热)
- 雑談
- 食べ物と飲み物および個人の好み(食物和饮料以及个人喜好)
- 飲み物について(我喝)
- 日付と時刻(日期&时间)
- 昨日の月曜日から日曜日(昨天星期一到星期天)
- レストラン(确认付款方式)
- サービス料とチップ(服务费和小费)
- ホテル
- チェックアウト(收款处)
- 予約確認(预订确认)
- チェックイン(办理登机手续)
- 空港
- チェックイン(办理登机手续)
- 個人と家族の行動(个人和家庭行为)
- お気に入り(收藏)※お気に入り登録したシチュエーションを表示
- チャット履歴(聊天记录)※チャット履歴。ブラウザを閉じると履歴は消えます。
上記を見ていただくとわかりますが、日本語のいくつかは外国語を直訳したようなものあり不自然ですね(笑)
特に②の「個人と家族の行動(个人和家庭行为)」カテゴリのシチュエーションで「私の父は行く(我爸爸去)」と「行きます(我去)」は何について話すのか全く分かりませんね(笑)
やってみてわかったのですが、これはAILLAのお父さんについての話題と、AILLAが買い物で雑貨店やスーパーに行くという発言に対して会話していくという内容でした。
①フリートークと②シチュエーションがメインの活用メニュー
これからAILLAを活用しようという人は①フリートークか②シチュエーションのどちらかを中心に使用して会話練習をしていくことになります。
③のお気に入りはお気に入りメニューを登録しておくものですが、現時点ではメニュー自体が少ないので必要ありません。
④のチャット履歴は読んで字の如く自分のチャット履歴、つまり自分がしゃべった声を自動認識して文字変換してくれた内容が残っています。
ちなみに音声認識判定は結構厳しく、例えばanとangをしっかり発音を区別していないと文字も自分の意図するものと違うものが認識されて出力されます。
私の場合も悲しいかな発音が不正確なため、結構意図しない文字が認識されて出力されました。
ただ、AILLAはこちらの言わんとすることを汲んでくれて会話は割と自然です。非ネイティブスピーカー用にAIがチューニングされているのかもしれませんね。
②シチュエーション(情景对话)
シチュエーション会話の基本操作
順番が前後してしまいますが、まずは「②シチュエーション(情景对话)」を先に紹介していきます。
①のフリートークは若干の慣れが必要なので、AILLA活用の入り口としては「②シチュエーション(情景对话)」で最初に会話練習することをお勧めします。
では「個人と家族の行動(个人和家庭行为)」の中から「私の父は行く(我爸爸去)」を選んだ場合の会話の流れを見ていきましょう。
まずはナレーション音声が始まり、どのような内容か説明が始まります。
続いてAILLAのAI音声で会話が始まります。
パターンはいくつかあるようですが、「お父さんは今日商店に買い物に行ってる」とか「出張に行っている」とか「旅行」、「朝散歩に行く」といったトピックで話しかけてきます。
自分が発言する場合は画面下部のマイクをクリックして、発言します。発言し終えたら再びクリックして、AILLAの発言を待ちます。
マイクマークの上のチャットボックスにはAILLAと自分の発言が表示されます。自分の発言の文字は音声認識から生成されたものになります。
画面右側にアイコンが三つ表示されていますが、これは画面のカスタマイズです。
一番上が、上記画像のように画面全体にAILLAを表示、2番目はテキストチャットのみ画面に表示、3番目はテキストチャットとAILLAを画面に半々に表示させます。3番目が一番見やすいでしょう。
一通り会話を続け、キリの良いところで再びナレーションが入り”良い進歩を遂げてますね、これからも頑張ってください“で会話が終了します。
以上が基本的な会話の流れです。
何を発言してよいのかわからない場合はヒントを表示させてそのまま読み上げてもOK
AILLAが発言を終えると、自分の発言のターンになるわけですが、中国語力に自信がない方またはこういう場合はいったい何をしゃべったら良いの?って方はマイクマーク上の「ヒントを見る」をクリックしてみて下さい。
ヒントには会話の返答例が表示されます。
それをそっくりそのまま読んで、読み上げのトレーニングにしてもいいですし、内容を把握したうえで一部自分なりにアレンジして発言するのも良いです。
自分の発言をネットで調べて作文してからの発言も全然OK
AIが会話相手なのです、いくら相手を待たせても構わないのですっ!(笑)
2、3分待たせようが、5分待たせようが、ネット辞書などを調べてフレーズを作成し、それを読んで会話したってかまいません。
作文の練習をしながら中国語の会話を学ぶことができます。
実際の会話例
以下の動画は私が実際に試しにAILLAと会話してみたものです。
非ネイティブなので発音や文法に不正確な部分があるのはご了承ください。途中で言い間違いもあります(汗)
あくまでもAILLAとの会話の流れを皆さんに把握していただくためのものですので。
見てみるとお判りいただけるかと思いますが、音声認識された文字は時折こちらの意図しないものが表示されることがあります。
それはやはり非ネイティブの発音なので、どうしても避けられないのですが、ただAILLAはちゃんとこちらの言わんとすることを把握してくれています。
たとえば動画の冒頭でこちらが”去公园锻炼身体吗?“と言ったつもりが、文字認識では”去公园壮年身体吗?“になっていました。
しかし、AILLAは”对,爸爸喜欢在公园散步锻炼。“と返してくれたので、文脈から微妙な発音でも判定してくれているようです。
ツッコミどころがまだたくさんあって笑えて楽しいAILLA
会話の終了のタイミング
AILLAとの会話、すごく短時間で会話が終了されることもあるし、いったいいつ終わるんだって位長く続くこともあります。
時々こっちがまだ話したくて、発言しかけたタイミングで”良い進歩を遂げてますね~”と発言をバッサリと打ち切られることがあり、バラエティ番組でお笑い芸人のサムい発言が勝手にカットされてしまったのと同じような虚しさを感じます。
↑この時の会話は珍しく話がかみ合いませんでした。あまりポジティブなこと言ってないのに”太好了!“って言われても‥(笑)
ちなみに上の動画はチャットとAILLAの表示を半々にした例となります。
奇妙なナレーション
シチュエーションメニューの中にはのっけからかなり奇妙なナレーションで始まるものがいくつかあります。
「私の父は行く」のナレーションは
“My dad goesというフレーズを使うシーンです“
で始まります。え?なんで英語混じり?といきなりズッコケてツッコミたくなります。要するに「私の父は行く」の英語直訳を言っているだけのようです。
例えば「行きます(我去)」というシチュエーションを選択したときの最初のナレーションは、
“ワレサというフレーズを使うシーンです“
で始まります。オイオイ、「ワレサ」って何よ⁈おそらく我(ワレ)去(サる)の訓読みをつなげたものだと思いますが。
まるでコントなレストランシチュエーション
たまたまですが、レストランシチュエーションを選択したときにツッコミどころのあるAILLAの質問が出たのでついついいたずら心で意地悪な質問をしてしまいました。
今回はAILLAがレストランの店員という設定。
いきなり「服务费(サービス料.手数料)」と小费(チップ)とは何だ?」と店員から聞かれたのでつい「店員なのにこんなことも知らないのか?」と意地悪な指摘をしてしまいました。
あくまでも語彙を学ぶための設定なので、皆さんは素直に中国語で「服务费」と「小费」を説明することにトライしてみて下さい。
なかなか中国語で説明するのは難しいと思うので、百度で「服务费和小费的区别是什么?」と入力して検索してみて下さい。
百度のAIがそれぞれの定義をずらずらと書き出し、説明文を表示してくれます。これを参考にAILLAに話してあげましょう。
さて、このシチュエーションのやり取りの続きですが、先ほどのように少し意地悪な指摘をしたあと、AILLAから「ごめんなさい、私はまだ新人の店員なんです~…」と平謝りされてちょっと悪いことしたかな、と罪悪感に駆られ、以降私の会話がちょっと調子悪くなりました(笑)
こんな感じでとても素直なAILLAです、面子を気にすることが多い実際の中国人と違ってすぐ謝ってくれちゃうのであまりいじめないようにしましょう。
ただ、このあとどうにも私の発音、文法がおかしいのかそれともAILLAが機嫌を損ねたのか、何故か“Sorry, Could you send a message again?”を連発されてしまったので、つい私も「都合の悪いときに英語を使うのはやめて下さい」と言ってしまいました。
しまいには会話をバッサリと終了させられてしまいました(笑)
①フリートーク(AILLAとお喋り(与AILLA对话))
発音の正確さと語彙力が要求されるフリートーク
さて、②シチュエーション(情景对话)ではテーマが指定されていましたが、①フリートーク(AILLAとお喋り(与AILLA对话))では完全にテーマを自分で指定して話します。
”你好,我是AILLA。你想聊什么话题呢?“(AILLAだけど、何を話したい?)
と聞かれて会話がスタートします。
自分の好きな話題を話せばいいので一見やりやすいように思えるのですが、中国語テキストにあまり出てこないようなボキャブラリーを言わなければならないので結構言葉に詰まります。
例えば以下では中国の株式市場について話したい、聞きたい、と話を始めましたが途中で日本の東証を中国語で何て言えばいいかわからず、うまく会話できませんでした。
ただ、こういう経験を経ることで東証の中国語を調べ、その語句が記憶に残りやすくなります。
また上の動画中では株式市場の「股市」の発音が良くなかったのか「故事」とか「个性」と判定されてしまったり、A市場(A股)とB市場(B股)を発音したときB股がどうしても「低估」にとらえられてまいりました。
しまいにはまたまたAILLAから“Sorry, Could you send a message again?”を連発されてしまいました…。
フリートークでもヒントを活用しよう
フリートークでもヒントは表示されるのでそれに従って会話するのもいい練習になります。
ヒントには「很高兴认识你!我们可以聊聊你的工作或者家人。你有什么兴趣爱好吗?」といった話始めに適した当たり障りのないフレーズが表示されるので特に初学者の場合は会話の糸口を広げる練習になります。
スマホでも利用できるAILLA
最初の方で述べたようにスマートフォンのブラウザからもAILLAは利用できます。
それで最初はiPhoneのChromeで試したのですが、なぜかマイクが機能しませんでした。
ブラウザをSafariに換えて試してみたら問題なく作動しました。
自宅のPCのマイク性能がいまいちだったりする方はスマホやタブレットから利用するほうが手軽かつマイクもしっかり音声を拾ってくれるので使いやすいでしょう。
まとめ~改善の余地はまだまだあるが、今後に期待できるAILLA
以上ざっくりとAILLAを利用した様子を紹介してきました。
英語のメッセージが返ってきてしまったり、変な日本語ナレーションがあったりとまだまだ改善すべきところは目についてしまいます。
ただそれらは全て中国語会話トレーニングの本質的な機能や部分に関わるものではなく、どれもマイナーな”装飾”部分に当たるものですので気にしなければ気にならない程度のものばかりです。
AILLAの活用に向いている人
AILLAはやはり中上級者向けの機能でしょう。ある程度リスニング力があり、文章を作ることができ、それを8割くらいは正確に発音できるような人。
初学者にはたまに発音練習として利用するにはいいかもしれませんが、レギュラーベースで活用するにはちょっと厳しいかもしれません。
中国語での会話経験がある人であればAILLAを相手に中国語を口に出す訓練を重ねることで、最大限にAILLAの機能を活用できるでしょう。
今後AILLAに期待したいこと
英語学習分野ではAIの会話アプリが既にいくつか出ています。
それらのアプリではいきなりフリートークに放り込まれるような内容ではなく、まず取り扱う会話トピックがあり、フリートークの前にそのシチュエーションで使われる定型パターンを口に出して練習する項目が設けられています。
そこでまずはしっかりと練習していざ本番という流れになっています。
現状AILLAの場合はいきなりフリートークという形式になっていて、出だしから何を話せばいいかわからず、中国語上級者以外にはちょっとハードルが高いのではないかと感じます。
これは試験版ということもあるのかもしれません。
今後他のAI会話アプリ、例えばSuper Chineseのように練習メニューが充実されればAILLAの活用効率はもっと高くなるでしょう。
Super Chineseは、PLUSプラン 1ヶ月:88元(約1,890円) CHAO 1ヶ月:168元(3,610円)、(2024円11月のレート、長期前払い割引あり)。7日間の無料期間があります。
CCレッスンとの組み合わせでAILLA活用効果を最大化する
Super Chineseは確かに優れたアプリです。
しかし生身の中国人と会話する機会がありません。
CCレッスンでは実際の中国人講師にレッスンを受けるので、AIのテキストメッセージのやりとりだけでは得られないコミュニケーションを学べます。
会話の際の言葉が発せられる間であったり、仕草が意味することだったり。
レッスン中講師との会話でうまく言えなかったフレーズを、AILLAとの会話で何度も練習することで次回のレッスンではスムーズに言えるようにするなど、目的を設定して活用するのも良いですね。
無料提供キャンペーン中にとりあえず会員登録だけしておかないともったいない
冒頭でも紹介しましたが、せっかく無料でAILLAを利用できるので活用しないのはもったいないです。
正直言うとAILLAを無料体験し始めた人の大半がしょっぱなで「うわ、これ難しい」となって躓くかもしれません。
そうです、外国語会話練習はしょっぱなからうまくいくわけありません。
まずは地道につまらない反復作業になりますが、毎日同じフレーズでもいいのでAILLAに向かって話しかけてみて下さい。
2週間くらい経った頃からようやく効果が表れ始めるでしょう。外国語学習なんてそういうものです。基本的に結構単調でキツいものです。
外国語はやはり反復練習でしか身に付きません。そんな「壁打ち」の練習相手として最適なAILLA、無料で利用できるうちに使いまくって中国語を身に付けましょう!