語学学習者にはおなじみNHKラジオ講座の中国語カテゴリーの、中上級レベルの内容を扱っている「ステップアップ中国語」シリーズ。
2023年7月からは講師に大森喜久恵先生を迎えた、「通訳式トレーニングでレベルアップ!」が始まります。
実はこの「通訳式トレーニングでレベルアップ!」は初回2021年7月~9月放送、それから2022年1月~3月に再放送され、今回2回目の再放送となります。何度も再放送されるという事は、それだけ「通訳式トレーニングでレベルアップ!」の内容はコンテンツの選定が秀逸な優良教材となっている証とも言えます。
日常会話にも役立つボキャブラリーが豊富な「通訳式トレーニングでレベルアップ!」
このラジオ講座では経済、時事トピックから日常会話にもかかわりのある内容まで扱っており、通訳を目指す人に限らず、中国人との会話に必要なボキャブラリーを増やすのにはもってこいの教材です。
ある程度中国語のレベルが上がってきた人には学習必須と言えるくらい強くお勧めしたいラジオ講座です。
各課の見出し
各課で取り扱うトピックは以下のようになっています。
第1課〜第8課 放送日7/3〜7/30
第1週
第1課 会议前提示〜開会前のアナウンス
第2課 欢迎词〜歓迎のことば、
第2週
第3課 表达谢意〜感謝を伝える
第4課 会议主持〜会議の進行
第3週
第5課 日本的老龄化问题〜日本の高齢化問題
第6課 中国的老龄化问题〜中国の高齢化問題
第4週
第7課 远程办公1〜リモートワーク1
第8課 远程办公2〜リモートワーク2
第9課〜第16課 放送日7/31〜9/3
第5週
第9課 节目开场白〜番組のオープニング
第10課 貿易统计〜貿易統計
第6週
第11課 疫苗研发〜ワクチン開発
第12課 宇宙飞船〜宇宙船
第7週
第13課 新车型首次亮相〜新製車両の初披露
第14課 志愿者活动〜ボランティア活動
第8週
第15課 天气预报〜天気予報
第16課 股市与汇市〜株と為替
第17課〜第24課 放送日7/31〜9/3
第9週 第17課 参观工厂1〜工場見学1
第18課 参观工厂2〜工場見学2
第10週
第19課 访问研究机构〜研究機関を訪問
第20課 参观博会〜博覧会を観る
第11週
第21課 公司简介1〜会社の概要説明1
第22課 公司简介2〜会社の概要說明2
第12週
第23課 合作发布会1〜提携発表会1
第24課 合作发布会2〜提携発表会2
※それぞれの週末の日曜に再放送があります
※8月14日(月)/15日(火)/20日(日)は第6週を再放送
高齢化問題、ワクチン開発、リモートワーク、天気予報の話題なんかは日常会話でもすごく使えます。
経済の話が好きな人は、株と為替のトピックも参考になるでしょう。
各課の文章例
ここでは第7課の远程办公(リモートワーク)を例としてとりあげます。
著作権を鑑みてページをまるまる写してはいませんがご了承ください。
まず課の最初のページに主要な単語が挙げられていて、右側に穴あきの文章が掲載されています。
左側のページの下部に設問があり、右側の空欄部分が答えとなっている構成です。ポイントを聞き取らせるトレーニングです。
その次の見開きページには本文に出てきた主要な文法の解説、成語など4文字熟語の解説、そして本文の翻訳と設問の答えが掲載されています。
そのさらに次のページには中国語に訳すトレーニング。これは最初はキーとなる単語だけ発音、次に単語を少し肉付けして発音、最後に完全に一文発音というものです。
これに関してはある程度中国語が話せる人ならいきなり一文作って発音してもいいのでこのパートは無理にラジオ音声に従いながらやらなくて良さそうです。
音声はこの後最後に本文がもう一度再生されて終了となります。
一番最後のページのページは自主トレチェック用のページです。
「訳し戻しトレーニング」のコーナー
8課終わるごとに「訳し戻しトレーニング」のコーナーが設けられています。
これは放送音声では触れられていないので、おまけコーナーのようなものです。
左側に日本語、右側にその中国語(ピンイン付記)が記されています。
おまけコーナーと侮るなかれ、一文一文かなり使える文章ばかりなので真剣に取り組む価値ありですよ。
また、NHK出版のページに音声が公開されているのでこちらもぜひ活用しましょう。音声ファイルではなく、NHKの動画プラットフォームに動画ファイル形式でアップロードされているのは謎です。
このページ、予告なく一部のページが消されていることもあるので、ブラウザに動画ストリーミング保存拡張機能などをインストールして、まとめて保存しておくことをお勧めします。
NHKラジオ語学講座ストリーミング録音ツールはラジオ講座活用の必須ツール!~「Capturestream2」「らじれこ」
最近は便利な時代になったもので、NHKラジオ語学講座の放送翌日や翌週に放送内容がストリーミングで聞けるようになっています。いわゆる「聞き逃し」番組のストリーミング配信ってやつですね。
以下はNHKラジオ語学講座ストリーミングサイト「らじる★らじる」の「ステップアップ中国語」のページです(2023年6月末時点)。
今ではラジオの放送時間に放送を聞くというよりも、自分の都合の良いタイミングにストリーミングを聞いて学習しているという人の方が多いんじゃないでしょうか。
ただ、いくら聞き逃し番組を聞けるとはいえNHKのサイトで公開されている期間は1週間です。
どうしても忙しい週があって、聞き逃しさえも聞き逃してしまってテンション下がる⤵なんてことも起こり得ます。
音声CDが販売されていたり、音声ダウンロードサービスで購入もできますが、どちらも結構値が張ります。
であれば、ストリーミング音声をファイルで保存しておけないものかと。
ファイルで保存しておけば、スマホのプレーヤーアプリに登録して好きな時に好きな場所で学習できるなど使い勝手が良くなります。
ストリーミングファイルの保存は個人利用に限れば問題ないでしょう。
アナログ電波放送時代には放送音声を録音して学習している人はごまんといましたし、ストリーミング音声だって再生中PCの音声録音機能を使って録音できるので、個人利用であればストリーミング音声ファイルの活用は私的録音扱いとして問題ないと考えます。
以下で、ストリーミングファイルの保存ができるオススメフリーウェア二つを紹介いたします。
動作が軽快、手軽に使える「Capturestream2」
私のオススメNo.1はCapturestream2です。インストーラーが無く、実行ファイルを起動するだけ、そして操作もシンプルです。
ダウンロードしたファイルを解凍し、あとはCaptureStream2.exeを実行するだけでツールが起ちあがります。
そして特筆すべきは左下の「前週」にチェックを入れれば1週前の放送内容まで保存できるのです。
初期の画面で中国語関連の講座が下部に表示されていない場合は「任意番組設定」から番組ボタンで「アジア」を選択すれば中国語関連の番組が表示されるようになります。
その他の具体的な操作方法などはツール提供元などに詳しく書いてあるのでそちらをご参照ください。
予約録音も可能(Windows版)、NHKラジオ講座以外の番組も無数にストリーミング保存できてしまう「らじれこ」
NHKラジオ講座以外の番組も聞いているラジオフリークは重宝することでしょう、「らじれこ」です。
インターフェイスも整っている本格的なストリーミング保存ツール。
ラジオメニューや検索メニューでNHKゴガク(聴き逃し)をクリックします。
するとNHK語学講座がサムネイル付きでずらーっと表示されますので、そこからステップアップ中国語へ。
すると以下のように録音ができるようになります。
ファイルの保存場所はデフォルトでドキュメントフォルダが指定されています。特に指定していなければ録音開始すると「RADIO」という名前のフォルダが生成され、その中に各講座名のフォルダが作られファイルが保存されます。
らじれこでちょっと使いづらいなと思う点はファイルの保存形式が.m4aファイルであまり汎用性が高いとは言えず、.mp3などで扱いたい時はらじれこの「ライブラリ」から「コピー」を選ぶと.mp3形式で指定の場所に保存しなくてはならないところです。
これがちょっと手間がかかります。
その他の具体的な操作方法などはツール提供元などに詳しく書いてあるのでそちらをご参照ください。
2023年7月17日(月)の朝10時前までならスタートに間に合いますっ!
さて、そんなわけで2023年7月3日(月)開講のこの「通訳式トレーニングでレベルアップ!」ですが、Capturestream2を使えば、第1週の内容を保存できる期限は2023年7月10日(月)の10時ごろ~2023年7月17日(月)の10時ごろまで、となります。
(NHKが明確にストリーミングファイル保存期間を明示しているわけではないのですが、これまで何年もストリーミング保存活用していて、上記の期間は過去のストリーミングが保存できることを把握しています)
この記事を2023年7月前半に読んでいる方はまだ第1回に間に合いますよ。
仮に第1回に間に合わなくても途中からでも十分利用価値の高い内容となっていますので、気にせず始められるところから始めてもよいでしょう。
テキストの値段が880円という事を考えれば途中から始めたってかなりコストパフォーマンスは高いです。
2度目の履修となる「通訳式トレーニングでレベルアップ!」
私個人は2021年の初回放送時にこの講座に取り組もうと思っていて、Kindle版でテキストを購入してはいたのでした。
本屋でパラパラと内容を見て、今回のステップアップ中国語はかなり使えそうだと感じ、勉強してみようと決めたのでした。。
しかし、その当時の私の中国語レベルでは新出単語が多すぎて単語を調べるのに時間がかかりすぎ、学習効率が悪かったので音声だけ保存しておいて、半分くらいまで手を付けて、あとは保留となっていたのでした。
その後半年経って再放送が始まったときはオンライン中国語会話に注力していたので時間が無く、再放送が始まっていることにも気づいていませんでした。
そして最近2023年6月になって、本屋のラジオ講座テキストコーナーに行ったら「通訳式トレーニングでレベルアップ!」の題字が記されたテキストを目にして、紙のテキストも買うか、と購入したのでした。
既に音声は24課分手元にあるので6月の時点で手を付け始めています。改めてこのテキストをやってみて感じるのは、中国人との会話にも頻繁に使う単語が出てきて非常に役に立っている、という事です。
繰り返しになりますが、テキストの値段は¥880円、音声は毎週ダウンロードすれば無料。この値段でこれほど内容の充実しているテキストは一般の参考書では見当たらないでしょう。このコストパフォーマンスの良さが、NHKラジオ講座のいいところですね!