一ヶ月半でHSK2級レベルからHSK4級合格に至るまで~新HSK1~4級単語トレーニングブック(アスク出版)でひたすらディクテーション

「私が~までの道筋」なんてちょっと偉そうな響きになってしまいましたが、2020年3月現在私のレベルはHSK5級で、「5級くらいで偉そうな事書いてんじゃねーよ」とおっしゃる多くの中国語マスターのお声は重々承知しつつも、現状の私のレベルと同じようなレベルの人に参考になればと思っています。その時々での実力って意外と後になって語学力が向上した時、感覚を忘れているもので、自分と同じくらいの実力の人にとって参考になる視点で提供できる情報はやはり今しかないのではないかと。

先にやったことをまとめると

  1. Webで無料で公開されている過去問を1回やって実力不足の部分を把握
  2. 新HSK1~4級単語トレーニングブック(アスク出版)でディクテーションをやる
  3. 試験直前に公式過去問題集1回分だけやる
    これだけでした。

試験対策に費やした時間の割合は②が9割以上でした。

HSK2級レベルから1ヶ月半でHSK4級レベルに上げる為の対策を練る

私がHSK4級に合格したのは2018年12月1日実施の試験にて(HSK3級も同時受験した)。本格的に中国語の勉強を始めたのが2018年の6月で受験時点の12月では中国語勉強歴6ヶ月ほどとなります。試験結果を先に述べますと、HSK4級(听力 82 阅读 79 书写 73 / 总分 234)HSK3級(听力 98 阅读 100 书写 100 / 总分 298)でした。

学生時代の第二外国語の履修等で中国語の勉強歴はありません(ドイツ語やスペイン語でした。今は全く覚えていませんが・・)。2018年の6月から週一回中国語の教室に通っており、多くの中国語教室で使用している「汉语口语速成」を私も使っていて、受験当時は汉语口语速成 入門編(上)の15課辺りをやっていた頃かと思います。

(上)の15課辺りというと、疑問詞の「怎么」とか程度を表す「多」を学んでいるくらいのレベル。そうです、HSKのレベルから言うと2級くらいです。拼音に関しては一通り勉強を終えていたので大方わかってはいました。(勿論、紛らわしい発音はまだそれほど聞きとることができませんでした。)

試験を申し込んだのが試験日の1ヶ月半ほど前の段階なので、この期間で2級レベルから4級合格を目指そうとなると中国語教室の授業の内容とは別に試験のための勉強を急ピッチでしなくてはいけません。

まずはWebサイトに無料で公開されている過去問を解く

参考書の内容にいきなり入る前に、どの試験でもやることですが試験対策の定石として過去問は当然一回やるべきですね。全然解けなくても構わないのでとりあえず解いてみることで自分の現時点の実力と試験に要求されるレベルとの差、何を重点的に勉強すればいいのか、が分かりますので。

HSK4級サンプル問題


私は律儀にあの青い表紙のHSKの公式問題集を買ってしまいましたが、Webに公開されている無料の過去問だけで十分だと思います。Webの過去問だと解説は載っていませんが、実力を測るのには十分です。後日談的なものになりますが、結果的に公式問題集はトータルで一回分しか解かないで試験に臨みましたが問題無いレベルでした。4級レベルまでならあまり参考書にお金をかけたくない方は公式問題集無くてもいいかもしれません。

HSK対策問題集販売サイト (https://hskj-shop.com/)

さて、実際に試験1ヶ月前の段階で過去問(3級と4級)を解いた結果ですが、もう目も当てられませんでした。4級は特にリスニングがわからない単語ばかりで呪文のようにしか聞こえなくて苦痛でしたし、4級はおろか、3級も合格できない位難しかった。作文や読解に関しては日本人のアドバンテージと言いますか、漢字に慣れているので、字面で結構適当な感覚で出来そうなものが多いですが。(後述するディクテーションの訓練をやったら4級レベルなら作文感覚が身について来ます。)

やはり4級レベル合格となるとリスニング力アップがキモとなります。

さて、どうしようかといろいろとネットを調べた上で、本屋で実際に参考書等を手に取り「新HSK1~4級単語トレーニングブック(アスク出版)」をベースに勉強を進める事に決めました。

新HSK1~4級単語トレーニングブック(アスク出版)を選んだ訳

中国語学習者のブログをいくつか見てみると

Coach
「新HSK1~4級単語トレーニングブック(アスク出版)」だけやればHSK4級レベルは十分

と書いている人が多いです。

この単語集は語彙力、リスニング力、そしてやり方によっては作文の3項目について同時並行でレベルアップさせる為に使える単語集だと捉えました。

本屋でパラパラと中身を見てみるとレイアウトが他の単語集と比べて見やすくて良いです。これ結構大事です。いい内容が書いてあってもデザイン、レイアウトの相性が悪い参考書というのは頭に入ってきづらいですし、勉強意欲を削ぎ効率が悪くなるものです。人間というのは五感を使い情報を脳に刻んでいく訳ですから視覚に訴えてくれる参考書がマスト。

この単語集は写真のように各単語につき1~3、4個位の例文が添えられています。音声はAudiobookアプリで聴くことができ、はじめに単語単体の音声とその意味、それから各例文が流れる(中国語音声のみ)という構成になっています。

(Audiobookアプリ。アカウントを作る必要がある。本の前のほうに音声を聞けるようにするためのコードが記載されているのだが、Audiobookのアプリ、モバイルサイトの構成がひどい。サイトでの入力から音声のアクティベーションへの流れがわかりづらい。ぜひ改善してほしい。)

具体的に私がこの単語集を活用したやり方はとてもシンプルで、音声を聴いて書き取りをしてみる、そして文章を声に出して読む、それだけでした。これを繰り返して听力(リスニング)と书写(作文)のレベルを上げていこうと。

(不要な裏紙などにひたすら書く。聞き取れないところは空白、のちに単語集を見て確認、書き足すなど。聞き間違いしてもいいのでピンインから思い浮かんだ単語を書いてみたり。)

無理に覚えようとせず、ただディクテーションをやってるだけでも結構単語力が身につく

HSKの試験の书写は簡体字の短い文章を書けなければなりませんが、書き取りを繰り返すことで文字を自然と覚えていく事ができます。それと同時に中国語の語順の特徴が感覚でなんとなくわかってくるようになります。読みの阅读はできれば文章を読むトレーニングをしたいところでしたが、時間がないのでこの単語集の例文に触れ続けていけばそれなりに読めるようになるだろうと、長文の練習はしないことにしました。

正直単調で、モチベーションがなければただ聴いて、書いてみる、というやり方は結構辛いです。しかし結局のところ語学の肝は多聴多読、これ以外には無いのですよね・・。

当初の計画では1ヶ月半弱でなんとか2周終えて過去問をやろうとしていました。しかし結果的にとても無理でした。単語が収録されているページ数が大まかに200ページ分、総単語数1217個です。大体20日で1周しようとすると、1日あたり10ページ、60単語。それぞれの単語につき例文が複数あるものが半分くらいはあるので、ディクテーションやっているとそんなペースではできっこ無いことに早々に気づき、諦めてなんとか1周だけすることにしました。(時間がない方はわからない単語だけ書き取りをして、後は音読をつっかえずにできるようにするだけでもいいかもしれません)

この際、紙でもなんでもいいのですが、ちゃんと進捗予定表を作成すると良いです。そして毎日進んだ分だけ進捗予定表に書き込んで行く。意外と単純なことですが、進捗予定表の効果としては、自分の進捗を常時把握できていると「今週は計画より結構進んでいるな、順調順調」と、気分がノッて心理的によい効果を生むときもありますし、「昨日あまり勉強できなかったから今日は結構頑張らないとな」という締め切り効果が生まれ、尻に火を着ける効果も時にあります。試験対策などで自分の現在地を常に把握している事はとても大事です。

書取りの際には聞き取れた部分だけを書いてみて、3回ほど聴いてわからなければ単語集を見てわからなかった部分を書き、自分で一文通しでつっかえずに言えるように何度も音読しました。言えなければもう一度、のように。

一周通しでただやってみただけで一気にレベルが上がる

そして、試験の2日ほど前になんとか一周終えました。正直1周程度では単語集の単語の5割ほどくらいしか覚えられていなかったかもしれません(正確には5割をしっかり覚えていて、残りのうち3割くらいがぼやーっと頭に残っている感覚)。しかし、この単語集のいいところは、例文中に数回収録されている単語がでてくるので、「ああ、この単語、単語集の前半に出てきたやつだ」といった感じで自然と復習できるようになっています。

そして一周終えて過去問に取り組んでみたらなんと、3級のリスニングは9割以上聞き取れるようになっていました。4級のリスニングは流石に難しいので、7割くらいわかるという感覚でしたが、マークシート式の試験のため、キーとなる単語さえ聞き取れれば結構正答できるレベルになっていました。

たった1か月半なのに自分でもびっくりするくらいのリスニング力の向上。このエントリーを書いている時点ではHSK5級のレベルになっている自分の経験から言うと、中国語のリスニングは少し訓練すると一気にレベルアップできる言語だな、と実感しております。

読解についても3級はもちろん、4級も大意が掴めるようにはなっていました。単語集の単なる短い例文をひたすら読んでいただけで、単語集の5割ほどしか覚えていない感覚でも、それだけで十分長文を読む力を養うことができていたのでした。

新HSK1~4級単語トレーニングブック(アスク出版)の難点

のっけからクソ難しい単語が出現

さて、いかにも順調に有用にこの単語集を使ったぜ、と、いいところばかりのように形容してきましたが、この単語集正直1、2級レベルの人がいきなりやるには、モチベーションと根性がなければハードルが高いです。

普通の単語集ならば最初の方のページは優しい単語、それに優しい単語のみを使った例文、そして後半に行くに従って単語も例文も難しくなっていくという構成が一般的な感覚かと思いますが、この単語集、しょっぱなから1級4級関係なく例文に難しい単語が散りばめられていて、面食らいます。実際私も最初の20数ページくらい心が折れそうになりましたし、とにかく時間がかかりました。

しかしその最初の壁を越え、徐々に中国語への「慣れ」が出てくると、あれ?割と聞き取りができる単語が増えてきたな、のようにゆっくりですが進捗速度が速まります。もちろん知らない単語だらけですのでそうそう簡単に手品みたいにいきなりなんでもかんでも聞き取れるようにはなりませんが、明かに听力が向上しているのを実感できる瞬間がちょくちょく出てきます。

文法は学べない

あくまでも単語集なので文法に関する解説は皆無です。当時私がこの勉強をしていて毎回首を傾げていたのが、構造助詞の「得」と「地」です。2級レベルの実力でしたから当然習っていない文法でディクテーションの時も「的」なのか、「得」なのか、「地」なのかよくわからないままとりあえず例文をみて修正して書くってことだけやっていました。

後半になってくるとなんとなくどういうケースで「得」と「地」が使い分けらているのか解りつつありました。赤ん坊がよくわからないうちに言語を吸収するという感覚でしょうか。といっても系統的に学んでいない段階なので依然としてはっきりしない状態ではありました。

この吸収の仕方は賛否両論ありそうですが、後々中国語教室の授業や文法書で改めて決まりを確認できたときに、めちゃくちゃクリアになって理解も早かったです。

私の実行したやり方は強いメンタルを要求されるやり方ですので、結構キツいですが、人生の中のほんの1ヶ月半頑張れば中国語の能力が各段にアップすることは間違いありません。

もしくは、三ヶ月位のゆとりのある計画でじっくり取り組むのが望ましい方法かもしれません。

おまけ HSKの公式アプリでも上記のやり方はできないこともない

中国語学習者の方ならおそらく大部分の方がご存知のことでしょう、HSKの公式のアプリ、「HSK 単語トレーニング」。このアプリの構成も新HSK1~4級単語トレーニングブックと似たようになっていて、各単語の単体の発音に加え、その単語を使った例文とその読み上げ音声が付属しています。日本語訳はデフォルトの設定では最初隠されていて、タップすると表示されるようになっています。


最初の数個の単語は無料で利用することができますが、フルで利用する場合は有料です。5級の場合は¥730と表示が出ましたが他の級はいくらかわかりません。まとめて¥730かもしれませんし。割としっかりした例文が付属しているのでリスニングのトレーニングになるでしょう。

(容量を食ってしまうのがちょっと難点。私の場合1.21GB。)

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